ライター : 稲吉永恵

野菜ソムリエ / ローフードマイスター / オーガニックコンシェルジュ

もやしに賞味期限・消費期限が表示されていない理由

消費期限が記されていないもやしがある理由はズバリ、「記載の義務がないから」なんです。厳密にいうと、「生鮮食品には消費期限を記載する義務がない」ということなのだそう。

消費庁が発表している内閣府令「食品表示基準 別表第24」によると、生鮮食品のうち食肉やバナナなど以外は、「表示義務なし」と明記してあり、表示の義務が課されていません。(※1)

生鮮食品と加工食品

生鮮食品には消費期限の表示義務はありませんが、加工食品にはあります。

考えてみれば、野菜や果物には消費期限の記載のないものがほとんどですよね。ここでいう生鮮食品とは、人口的に加工がされていないもの。もやしをはじめ、なすやにんじんなどほとんどの野菜が生鮮食品にあたります。つまり、生鮮食品に関しては、消費者の判断に委ねられるのです。

一方加工食品とは、文字通り加工された食品のこと。野菜だと、コンビニやスーパーで販売されているミックスサラダや干した野菜、野菜の水煮などを指します。これらには消費期限の表示が必要となります。

袋詰めになっていれば加工食品なの?

野菜は、バラ売りされているものと、もやしのように袋に入っているものがあります。ミックスサラダが加工食品ということになると、袋に入っているもやしも加工食品と思われがちですが、袋は関係なく野菜自体に加工されているかどうかがポイントになります。

もやしの賞味・消費期限の目安と保存方法

もやしの常温保存は禁物!夏場はもちろん、冬場でも必ず冷蔵庫に保管しましょう。冷蔵の場合、おいしく食べられる期間は1〜2日。組織がやわらかく鮮度が落ちやすいので、できるだけ早く使い切ってくださいね。さっとゆでてから水気をキッチンペーパーで拭き、密封容器で保存すれば、冷蔵庫で3日ほど持ちますよ。

また冷凍する場合は、もやしを水洗いして、しっかり水を切ったあとに密封容器で保存してください。こちらは、2〜3週間ほど保存が可能。

生のものに比べるとシャキシャキとした食感はなくなりますが、炒め物やスープ、お浸しに使えばおいしく食べられます。

新鮮なもやしの見分け方

もやしは、もやし本来の白さと透明感があるものを選びましょう。茶色や黄色がかったものは、鮮度が落ちているので避けてくださいね。かたくしまっていて、ひげ根が短めのものがおすすめ。

消費期限の表示義務がある「カット野菜」と並んで販売されることが多いため、もやしにも製造年月日や消費期限が表示されていることがあります。日持ちの目安を確認して購入するようにしてくださいね。

傷むとどうなる?食べられないもやしの目安

チェックポイントは、においと見た目の2つ。もやしは、傷むと酸味のあるにおいがします。見た目では分からなくても、異臭がある場合は食べないほうが無難でしょう。

全体が茶色っぽくなっていたり芽の部分が茶色に変色していたりすると、傷んでいる可能性が高いです。芽の部分が数本変色している程度なら、それを取り除いて食べれば問題ありません。

しかし、もやしの袋に水分が溜まっていたり、茎がふにゃふにゃに溶けてぬめりが出ていたりする場合は、腐っているので食べるのを控えましょう。
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