ライター : 伊藤 千亜紀

フードアナリスト

大阪で大人気!「551蓬莱」の豚まん

Photo by SIHASAKPRACHUM / Shutterstock.com

吉本新喜劇やUSJなど観光名所も多く、グルメの街として知られている大阪。お好み焼やたこ焼きは大阪の定番グルメと言っても過言ではありません。 そんな中、お土産として人気の「551蓬莱」の豚まんをご存じですか。関西では知らない人はいないほど有名です。もっちり甘みのある皮にジューシーなお肉がたっぷりと詰まった豚まんは美味!関西では「♪551がある時~、ない時~」のメロディーに合わせてテンションの高低差を表現したテレビCMがおなじみです。 それほど関西人には欠かせない、「551蓬莱」の豚まん。今回は、大阪が誇る名物グルメのひとつ「551蓬莱」の豚まんについてご紹介します。

東京でも「551蓬莱」に大行列が!

関西では百貨店や駅などいたるところで頻繁に見かける「551蓬莱」の豚まん。新幹線駅構内でも買えることから大阪出張帰りに購入する方も多く、今では全国的に知られています。ですが、その品質を保つため、関西にある工場から150分以内の範囲にしか店舗を持っていません。そのため、残念ながら催事などを除き、関西以外では常設の店舗がありません。

そのため、短期間の催事で池袋に出店した際、大阪のあの味が東京でも食べられると大行列ができました。なんでも、最大待ち時間90分以上にまで達したのだとか。関西人からしたら考えられないことかもしれませんね。

ですが、関東のスーパーでも「蓬莱の豚まん」を見かけたことがあるという方もいるのではないでしょうか。にもかかわらず、なぜこれほどまでに行列ができたのでしょうか。

え?東京で売ってるのは「551蓬莱」じゃない?

実は、スーパーなどで見かける「蓬莱」の豚まんと、赤いパッケージの「551蓬莱」の豚まんはまた別物なのです。 もともとは「蓬莱食堂」という同じ会社でしたが、より特定の商品に特化して、質の向上を目指すため、そこから551蓬莱(株式会社蓬莱)・蓬莱本館・蓬莱別館に分社化されたのです。 現在、豚まんは551蓬莱と蓬莱本館で製造されており、会社が違うだけでなく、原材料にも違いがあるのだとか。実際に食べた際の違いはどうなのでしょうか。それぞれの会社の特徴とともに次でご紹介します。

「551蓬莱」とは?

創業時から「551蓬莱」誕生のきっかけ

蓬莱の歴史は実に古く、昭和20年にまでさかのぼります。東の崎陽軒、西の蓬莱と言われるほど、関西ではおなじみの味です。

創業時は「蓬莱食堂」という名前でした。当初はカレーライスを販売しており、これが爆発的ヒットを生み出したことをきっかけに、ほかの商品展開も試みたところ、翌年に豚まんを販売しはじめました。この頃はまだ記録的売り上げを残すことはなく、その後も洋菓子部門を新設してケーキを販売したりなど、着実に規模を拡大していきました。

昭和27年には豚まん・焼売の実演販売を開始。これが豚まんの知名度を広めるきっかけになったといっても良いかもしれません。従業員も10名程度だったのが200名を超えるまで増え、アイスキャンディー工場も新設。直営店のみならず、百貨店への出店も増えていきました。その後、残念ながら工場が火事に合うなどの災害に見舞われ、窮地に陥った時もありましたが、なんとか回復。商品の質の向上のため、会社を分社化することになったのです。

蓬莱食堂から暖簾分け

その後、昭和39年には「蓬莱食堂」の創業者3名により、蓬莱食堂は551蓬莱・蓬莱本館・蓬莱別館に分社化されました。 先ほどもお伝えした通り、現在豚まんを販売しているのは、551蓬莱と蓬莱本館。ですが、関西では単に「蓬莱」と言うと、551蓬莱を指すことが一般的なほど、多くの人に親しまれています。

「蓬莱」と「551蓬莱」の豚まんの違い

「蓬莱」と「551蓬莱」は別物であることが分かりました。では、それぞれの豚まんの違いを比較検討してみたいと思います。
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