ライター : 稲吉永恵

野菜ソムリエ / ローフードマイスター / オーガニックコンシェルジュ

梅仕事とは

Photo by 稲吉永恵

梅の保存食を作ることが「梅仕事」

梅仕事とは、梅が旬の季節に梅の保存食を作ることです。毎年梅が出回る5月〜6月に季節の行事として作業をおこない、一年を通して加工品や保存食を楽しむもの。梅仕事には梅干しや梅酒をはじめ、梅シロップや梅しょうゆ、梅味噌、梅ジャムなどさまざまな種類があります。

梅仕事をおこなう時期

青梅や小梅が出回る5月には梅酒や梅シロップ、小梅漬けを作り、6月に入って完熟梅が出回るころに梅干しを作り始めるなど、出回る時期によって作業をおこなっていくのも醍醐味です。今年こそ、ぜひ梅仕事に挑戦してみませんか。

梅仕事1:梅干し(6月〜7月)

Photo by 稲吉永恵

梅仕事のなかでも手間をかけておこなう梅干し作り。梅干しは、6月に入ってから出回る完熟梅で作ります。材料は完熟梅と塩、消毒用のホワイトリカー。赤しそ漬けにするなら、赤しそと塩も用意しましょう。必要な道具は、漬け込む保存容器、重し、落とし蓋、天日干し用のザル。

6月に梅の塩漬けをして梅雨明けを待ち、晴天が続く日を選んで天日干しをします。天日干しの作業をおこなうのは7月中旬〜下旬ごろなので、梅干し作りには約2ヶ月かかりますよ。梅干しはできたてよりも数ヶ月寝かせることで、味がなじみまろやかに。

梅干しはごはんのお供やおにぎりの具材にするだけでなく、肉料理や魚料理の調味料にも使えます。塩漬けする過程で上がってくる梅酢も調味料として活用できますよ。
梅酢で「梅塩」を作るなら下記をチェック▼

梅仕事2:梅酒(5月下旬)

Photo by 稲吉永恵

梅酒作りは、5月下旬ごろから出回る鶯宿梅(おうしゅくばい)や古城梅(こじろうめ)などの青梅でおこないます。材料は、青梅、氷砂糖、ホワイトリカー。ホワイトリカー以外にも、焼酎やブランデーなどアルコール度数の高いお酒でも作れます。必要な道具は、漬け込む保存瓶です。

作り方はとても簡単。青梅を洗ってからヘタを取り、消毒した保存瓶に青梅と氷砂糖を交互に入れてホワイトリカーを注ぐだけです。冷暗所で保存して2〜3ヶ月経つと飲めます。1年以上おくことで、味わいがまろやかになりますよ。

自家製梅酒のよいところは、好きなお酒を使ったり甘さを好みに調整できたりするところ。だんだんと氷砂糖が溶けていく過程を眺めるのも楽しいものですよね。さわやかで香りのよい梅酒は、水割りやロック、炭酸割りなどさまざまな楽しみ方ができます。

梅仕事3:梅シロップ(5月下旬)

Photo by macaroni

梅仕事のなかでも短期間でできあがる梅シロップ。5月下旬から出回る青梅で作ります。 材料は青梅と氷砂糖。氷砂糖以外にもグラニュー糖やきび砂糖などお好みの砂糖を使ったりブレンドしたりして構いません。必要な道具は、漬け込む保存瓶です。

青梅を洗ってからヘタを取り、短時間で漬け込むために爪楊枝で青梅に穴をあけます。消毒した保存瓶に青梅と氷砂糖を交互に入れましょう。約1ヶ月ほど経って、氷砂糖が完全に溶けたら完成です。

梅シロップはミネラルウォーターや炭酸で割って飲むのはもちろん、かき氷のシロップにしたり梅ゼリーを作ったりとさまざまな使い道がありますよ。漬け込んだ梅も残さず楽しめます。

編集部のおすすめ