「的矢かき」で知られる。三重県

伊勢志摩を擁する三重県も養殖牡蠣の名産地で、なかでも「的矢かき」ブランドが全国的に有名。独自の紫外線滅菌浄化法を確立し、生食でも安全に食べられる的矢湾の牡蠣として評判です。

その北に位置する生浦(おおのうら)湾で養殖される、「浦村牡蠣」も的矢かきに次ぐ人気のブランド。三重県を代表するおいしい牡蠣として定評があります。

岩牡蠣は秋田や山形、新潟県など

海女さんが素潜りで獲ってくる天然の岩牡蠣は、日本海側で漁獲が盛んで、冬は波が荒いため禁漁となります。秋田県の象潟(きさかた)や、山形県の庄内浜で獲れる岩牡蠣が特に有名。そのほかにも新潟や石川県、京都府、島根、鳥取県などがおもだった漁場です。

牡蠣に含まれる栄養素

牡蠣は1個(約20g)あたり約12kcalと低カロリーなのに、ビタミンやミネラルを豊富に含む栄養たっぷりの食材です。特に、ビタミン類ではビタミンB12、ミネラル類では亜鉛を多く含みます。

ビタミンB12は、アミノ酸や核酸などの代謝に関わり、主に体内で酵素のはたらきを助ける栄養素。亜鉛は、健康な皮膚や粘膜を保つのに役立ち、鉄は赤血球をつくるといったはたらきがあります。さまざまな栄養が豊富な牡蠣は、健康づくりに摂り入れたい食材です。(※1,2,3,4,5)

牡蠣は「Rのつく月」に食べると美味?

牡蠣には有名なフランスのことわざがある

古くから生牡蠣を食べていたヨーロッパには、「Rのつかない月は牡蠣を食べるな」という言葉があります。200年以上もまえのフランスのことわざです。冷蔵技術がなかった当時、夏場に腐敗や細菌の増殖が原因で、食中毒が頻発したことから生まれたといわれます。

「Rのつかない月」とは、英語表記の5月(May)~8月(August)の時期を指す意味。この時期は、生牡蠣を食べてはいけないとされました。反対にRのつく月である9月(September)~翌4月(April)は、安心して食べられるということです。

いまでもRのつかない月に食べてはいけない?

冷蔵技術や流通網の発達で、食中毒を起こす可能性は昔と比べて格段に少ないです。ただし水質管理を怠って細菌が繁殖したり、有毒プランクトンによる一過性の貝毒を持ったりすることも。牡蠣を購入する際は、信頼できるお店や業者から購入するようにしてください。

Rのつかない月は、産卵で身が痩せて牡蠣がおいしくない時期、という意味合いもあります。しかし今では産卵しない真牡蠣の開発や、岩牡蠣などがあるので、一年中食べられるといって差し支えありません。つまりこのことわざは、現在は当てはまらないということになります。
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