「的矢かき」で知られる。三重県

伊勢志摩を擁する三重県も養殖牡蠣の名産地で、なかでも「的矢かき」ブランドが全国的に有名。独自の紫外線滅菌浄化法を確立し、生食でも安全に食べられる的矢湾の牡蠣として評判です。

その北に位置する生浦(おおのうら)湾で養殖される、「浦村牡蠣」も的矢かきに次ぐ人気のブランド。三重県を代表するおいしい牡蠣として定評があります。

岩牡蠣は秋田や山形、新潟県など

海女さんが素潜りで獲ってくる天然の岩牡蠣は、日本海側で漁獲が盛んで、冬は波が荒いため禁漁となります。秋田県の象潟(きさかた)や、山形県の庄内浜で獲れる岩牡蠣が特に有名。そのほかにも新潟県石川県、京都府、島根県、鳥取県などがおもだった漁場です。

▼【まとめ】牡蠣の名産地とその特徴
地域特徴
広島県・水揚げ高が全国養殖量の6割ほどを占める
・大きめのプリプリした身が特徴
・瀬戸内海がおもな養殖場
宮城県・松島湾がおもな養殖場
・養殖用種牡蠣の生産地としても有名
北海道▼3大牡蠣と呼ばれる名産地がある
・厚岸(あっけし)産:養殖牡蠣
・サロマ湖産:ホタテの養殖でも有名
・知内(しりうち)産:津軽海峡の海流で育つ牡蠣
三重県・「的矢かき」ブランドが全国的に有名
→独自の紫外線滅菌浄化法を確立し、生食でも安全に食べられる
・「浦村牡蠣」も的矢かきに次ぐ人気ブランド
秋田、山形、新潟県・秋田県の象潟(きさかた)、山形県の庄内浜が有名
・そのほか新潟や石川県、京都府、島根県、鳥取県などがおもだった漁場

牡蠣は「Rのつく月」に食べると美味?

牡蠣には有名なフランスのことわざがある

古くから生牡蠣を食べていたヨーロッパには、「Rのつかない月は牡蠣を食べるな」という言葉があります。200年以上もまえのフランスのことわざです。冷蔵技術がなかった当時、夏場に腐敗や細菌の増殖が原因で、食中毒が頻発したことから生まれたといわれます。

「Rのつかない月」とは、英語表記の5月(May)~8月(August)の時期を指す意味。この時期は、生牡蠣を食べてはいけないとされました。反対にRのつく月である9月(September)~翌4月(April)は、安心して食べられるということです。

いまでもRのつかない月に食べてはいけない?

冷蔵技術や流通網の発達で、食中毒を起こす可能性は昔と比べて格段に少ないです。ただし水質管理を怠って細菌が繁殖したり、有毒プランクトンによる一過性の貝毒を持ったりすることも。牡蠣を購入する際は、信頼できるお店や業者から購入するようにしてください。

Rのつかない月は、産卵で身が痩せて牡蠣がおいしくない時期、という意味合いもあります。しかし今では産卵しない真牡蠣の開発や、岩牡蠣などがあるので、一年中食べられるといって差し支えありません。つまりこのことわざは、現在は当てはまらないということになります。

旬の牡蠣のおいしさを家庭で楽しもう!

夏の岩牡蠣は流通量が少なくたいへん高価なため、普通の鮮魚店やスーパーの店頭で、いつも見かけるということはありません。一方で真牡蠣は冬場になれば、さまざまな産地のものが店頭に並びます。

外食でいただく牡蠣もたまにはよいですが、おうちで作る牡蠣料理なら、思う存分食べられるうえ経済的です。旬の季節に新鮮な牡蠣を見かけたら、ぜひ買い求めて、家族でその味を堪能してみてください。
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