ライター : ささだみき

管理栄養士 / 栄養教諭

牡蠣がおいしい旬の時期はいつ?

牡蠣の知識まとめ

  1. 「岩牡蠣」は夏が旬、「真牡蠣」は冬が旬
  2. 岩牡蠣は殻や身が大ぶりなのが特徴
  3. 真牡蠣は身がしっかりしているのが特徴
  4. 産地は全国各地に及ぶが、広島県や北海道が有名
ミルキーで濃厚な味わいと、海の香り豊かな「牡蠣」。生食用として出回るのは、季節によって種類が異なります。もっとも一般的な真牡蠣と、厚くて大きな殻が特徴的な岩牡蠣が、よく知られている2大品種です。本記事では、このふたつの牡蠣の旬について解説します。

寒い冬が旬の「真牡蠣」

日本沿岸には22種類の牡蠣があるとされ、食用としては「真牡蠣」がもっともポピュラーです。フランスをはじめとしたヨーロッパでも、いまでは日本由来の真牡蠣が流通しています。

養殖物が大半である真牡蠣は、夏に産卵するので、暑い季節は身が痩せておいしくありません。そのため栄養を蓄え身が太りはじめる、晩秋から翌年の春までが旬。産地によって水揚げ期間が異なりますが、12月~翌3月がもっとも市場に出回る最盛期です。

暑い夏が旬の「岩牡蠣」

「岩牡蠣」も真牡蠣と同じく夏に産卵しますが、一気に産卵する真牡蠣のように、身が痩せることはありません。岩牡蠣は数か月間にわたって、少しずつ産卵するからです。産卵を控えた牡蠣は身に栄養を貯めこみ、ぷっくりとよく太って旨味が詰まった状態。

そんな状態を維持し続ける夏場が、もっとも岩牡蠣のおいしい季節です。天然物がほとんどである岩牡蠣は、春から晩夏にかけてが旬で、最盛期の6月~8月になると市場によく出回ります。

旬が異なるのは養殖か天然物かの違いも

真牡蠣と岩牡蠣の旬が異なるのは、産卵方法だけでなく、養殖物か天然物かの違いによるものがあります。どこの産地でも、水揚げされる真牡蠣のほとんどが養殖物。一方の岩牡蠣は養殖物もあるものの、大半が素潜りで獲ってくる天然物です。

岩牡蠣の特産地は日本海側が大半なので、海がよく荒れる冬場は素潜り漁ができません。そのため資源保護も兼ねて、冬を禁漁期間としているところが多くあります。また卵を抱いた濃厚な味わいの夏の岩牡蠣に比べると、冬の岩牡蠣は風味が劣ることも理由のひとつです。

真牡蠣と岩牡蠣の違いと特徴

形状とサイズ、生息地

真牡蠣と岩牡蠣ともにイタボガキ科マガキ属の二枚貝で、ごつごつして波打った殻の形状が印象的。どちらの牡蠣も日本全国に分布しますが、真牡蠣はおもに太平洋側の浅瀬を中心に養殖されています。

天然物が多い岩牡蠣は日本海側でよく獲れ、少し沖合の20mまでの深い岩礁域に生息。冷たい海水と敵から身を守るために、真牡蠣よりも殻が大きく厚みがあるのが特徴です。4~5年経過した岩牡蠣には、1kgを超える大物も見られます。
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