ライター : 笹田 実希

管理栄養士

行政栄養士として、学校や病院などの給食施設で働く栄養士と連携し地域住民の栄養改善業務を行う。現在はライターとして身近で役立つ健康・栄養情報を発信している。

牡蠣がおいしい旬の時期はいつ?

ミルキーで濃厚な味わいと、海の香り豊かな「牡蠣」。生食用として出回るのは、季節によって種類が異なります。もっとも一般的な真牡蠣と、厚くて大きな殻が特徴的な岩牡蠣が、よく知られている2大品種です。本記事では、このふたつの牡蠣の旬について解説します。

寒い冬が旬の「真牡蠣」

日本沿岸には22種類の牡蠣があるとされ、食用としては「真牡蠣」がもっともポピュラーです。フランスをはじめとしたヨーロッパでも、いまでは日本由来の真牡蠣が流通しています。

養殖物が大半である真牡蠣は、夏に産卵するので、暑い季節は身が痩せておいしくありません。そのため栄養を蓄え身が太りはじめる、晩秋から翌年の春までが旬。産地によって水揚げ期間が異なりますが、12月~翌3月がもっとも市場に出回る最盛期です。

暑い夏が旬の「岩牡蠣」

「岩牡蠣」も真牡蠣と同じく夏に産卵しますが、一気に産卵する真牡蠣のように、身が痩せることはありません。岩牡蠣は数か月間にわたって、少しずつ産卵するからです。産卵を控えた牡蠣は身に栄養を貯めこみ、ぷっくりとよく太って旨味が詰まった状態。

そんな状態を維持し続ける夏場が、もっとも岩牡蠣のおいしい季節です。天然物がほとんどである岩牡蠣は、春から晩夏にかけてが旬で、最盛期の6月~8月になると市場によく出回ります。

旬が異なるのは養殖か天然物かの違いも

真牡蠣と岩牡蠣の旬が異なるのは、産卵方法だけでなく、養殖物か天然物かの違いによるものがあります。どこの産地でも、水揚げされる真牡蠣のほとんどが養殖物。一方の岩牡蠣は養殖物もあるものの、大半が素潜りで獲ってくる天然物です。

岩牡蠣の特産地は日本海側が大半なので、海がよく荒れる冬場は素潜り漁ができません。そのため資源保護も兼ねて、冬を禁漁期間としているところが多くあります。また卵を抱いた濃厚な味わいの夏の岩牡蠣に比べると、冬の岩牡蠣は風味が劣ることも理由のひとつです。

牡蠣は「Rのつく月」に食べると美味?

牡蠣には有名なフランスのことわざがある

古くから生牡蠣を食べていたヨーロッパには、「Rのつかない月は牡蠣を食べるな」という言葉があります。200年以上もまえのフランスのことわざです。冷蔵技術がなかった当時、夏場に腐敗や細菌の増殖が原因で、食中毒が頻発したことから生まれたといわれます。

「Rのつかない月」とは、英語表記の5月(May)~8月(August)の時期を指す意味。この時期は、生牡蠣を食べてはいけないとされました。反対にRのつく月である9月(September)~翌4月(April)は、安心して食べられるということです。
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