ライター : Uli

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この記事でわかること

こんにゃくは、こんにゃく芋を原料とし、凝固剤を加えて作られる食材です。凝固剤は炭酸ナトリウムや水酸化カルシウムを使用するのが一般的。

この記事では、こんにゃくの作り方と保存方法についてご紹介します。手作りのこんにゃくは、市販品とは異なる弾けるような食感が楽しめ、味染みがよく煮物や炒め物におすすめ。保存する際は清潔な保存容器か保存用袋に入れ、ゆで汁を注ぎ冷蔵庫で保存します。保存期間は3日間程度が目安です。

こんにゃくは手作りできる!

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こんにゃくは、こんにゃく芋というサトイモ科の植物が原料です。生のこんにゃく芋かこんにゃく芋を加工して粉末状にしたものに、凝固剤を加えて作られます。

使用する凝固剤は、炭酸ナトリウム(炭酸ソーダ)や水酸化カルシウム(消石灰)が一般的です。重曹を凝固剤として使用する作り方もありますが、重曹の純度や溶かし方によっては固まりにくく、初めてこんにゃく作りに挑戦する方にはあまりおすすめできません。

こんにゃくの歴史

生のこんにゃく芋には刺すようなエグミがあり、とても食べられたものではありません。そこで昔の人は、灰汁(灰を水に浸した上澄み液)を使い、こんにゃくを作る方法を確立しました。現在では灰汁と同じくアルカリ性のはたらきをもつ、炭酸ソーダや消石灰を使うのが一般的です。

こんにゃくが食用として伝来した時期については諸説ありますが、生のこんにゃく芋を粉末状に加工する技術が、江戸時代に発明されたことで全国に流通し、一般庶民に広まって日本の食文化に定着しました。それまでは精進料理や高級品、薬などとして扱われていたようです。(※1,2,3)

こんにゃく芋はどこで購入できる?

こんにゃく芋の旬の時期(11月から2月ごろまで)であれば、全国の道の駅や一部のスーパー、直売所、八百屋などの、イモ類の陳列コーナーで販売されていることがあります。流通しているほとんどのこんにゃく芋は群馬県で生産されているため、北関東では比較的見つけやすいようです。産地直送のお取り寄せもできるので、身近で手に入らない場合は活用しましょう。

作る前にチェック!こんにゃくを作るときのコツ・注意点

必ず調理用の手袋をつける

生のこんにゃく芋の断面を素手で触ると、強いかゆみや痛みが出ます。こんにゃく作りをしている間は必ず調理用の手袋を着けましょう。手首まで覆うものであればより安全です。

加熱後のこんにゃく芋も触るとかゆみが出ることがあるため、こんにゃく作りをしている間は常に手袋をつけてください。使用したまな板や包丁、ボウルなどは手袋をしたまますぐに洗って乾かしましょう。

ブレンダーがない場合はおろし金を使用する

ミキサーやハンドブレンダー、フードプロセッサーがなければ、目の細かいおろし金で作ることができます。目の粗いおろしを使うとアクが強く残るため、必ず目の細かいおろし金を使いましょう。

おろし金で生のこんにゃく芋をすりおろしてから鍋で加熱しながら混ぜる方法と、ゆでてからおろし金ですりおろす方法があります。ゆでてからおろす場合は、ここで紹介するレシピと同様に作ることができます。

しっかりなめらかなペースト状にする

こんにゃく芋をブレンダー(ミキサーやハンドブレンダー)で混ぜ、粒感がなくなるまでペースト状にするのがポイントです。最初は液状になり、しだいに粘りのあるペースト状になってきます。

フードプロセッサーやおろし金を使う場合は、やや粒感が残っていることがあるため、次の作業(粘りが出るまで練る作業)をより念入りにおこないましょう。

こんにゃく芋とお湯の比率は同じにする

ブレンダーにかけるこんにゃく芋とお湯の比率が一定でないと、層ができて混ぜにくくなり、失敗につながるのでご注意ください。しっかり1回分ずつの量を計量して分けておき、スムーズに作業ができるようにしておきましょう。

こんにゃく芋をペースト状にするとき、数回に分けてブレンダーでなめらかにする場合は、なるべくテンポよくボウル(鍋)に加えていくのもポイント。

凝固剤を入れたら手早く混ぜる

こんにゃくに凝固剤を入れたら、ヘラか手袋をした手で全体を大きく混ぜ続けます。最初は分離しますが、手早く混ぜることで均一になじんできます。混ぜすぎるとバラバラになってしまうので、全体が糊状になったら手を止めましょう。

凝固剤を入れてからはスピード勝負なので、混ぜ始める前に作業台を片づけたり、滑り止めマットを敷いたりすると、慌てず混ぜる作業に集中できますよ。

こんにゃく作りに必要な道具

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・まな板と包丁
・大きな鍋ふたつ
・小鍋
・ボウルとザル
・ヘラ
・調理用手袋
・ブレンダー(ミキサーやハンドブレンダー)
・保存容器やバットなど(計容量2L以上)
【あれば便利な道具】
・たわし
・カード

※ブレンダーがなければ、目の細かいおろし金をご用意ください。フードプロセッサーよりミキサーやハンドブレンダーのほうがこんにゃく作りに適しています。

材料

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・こんにゃく芋……500g
・水酸化カルシウム(もしくは炭酸ナトリウム20g前後)……4g
・お湯(約40℃)……約1,500cc(多めだとやわらかく、少なめだと固く仕上がります)
・お湯(水酸化カルシウムを溶かす用)……100cc

※水酸化カルシウムや炭酸ナトリウムはこんにゃく芋と一緒に売られていることもあり、薬局やネットで購入できます。製品にこんにゃくを作る際の分量が記載されていれば、そちらに従ってください。

作り方

1. こんにゃく芋を洗って切る

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こんにゃく芋をたわしでよく洗い、1~2cmの厚さに切ります。芽のまわりはアクが強いので、大きめに切り取って捨てます。

2. お湯でゆでる

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鍋にお湯を沸かしてこんにゃく芋を20~30分ゆでます。こんにゃく芋に箸がすっと刺さるくらいやわらかくなれば、こんにゃく芋をザルにあげます。

3. 皮を剥く

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こんにゃく芋の粗熱がとれたら調理用の手袋をして、こんにゃく芋の皮をお好みで剥きます。皮が多く残っていると黒っぽく、皮をきれいに取り切ると白っぽいこんにゃくに仕上がります。たわしでこするようにしっかり洗ってゆでた場合、皮を剥く必要はほとんどありません。

4. ブレンダーでなめらかにする

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こんにゃく芋とお湯を混ぜて、ブレンダーでしっかりなめらかにします。大きな鍋にお湯とこんにゃく芋を入れて、一気にブレンダーでなめらかにするか、数回に分けてミキサーやフードプロセッサーにかけます。数回に分ける場合は、1回分ずつの芋とお湯の比率が同じになるよう、きっちり計量して分けおきます。

※おろし金でおろす場合は、お湯1,500ccをボウルに用意します。ボウルの中におろし金ごと入れて芋をすりおろすか、すりおろした芋がボウルに落ちるようにします。

5. 練って粘りを出す

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大きな鍋かボウルにペースト状にした芋をすべて入れ、ヘラか調理用の手袋をした手で全体を5~10分よく混ぜます。混ぜているときにかるく糸が引くくらい粘りが出たら手を止めます。しっかり練ると弾力が強くなります。

6. 凝固剤を用意する

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小鍋にお湯を用意し、水酸化カルシウムをよく混ぜて溶かします。

※炭酸ナトリウムを溶かす場合は熱湯を用意します。

7. 凝固剤を加えて手早く混ぜる

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練った芋が冷めているのを確認し、凝固剤を加えます。手早く大きく混ぜます。最初は分離しますが、力強く混ぜ続けると1~2分で全体がなじみます。なじんだらすぐに手を止めます。混ぜすぎるとバラバラになってしまいます。熱い芋に凝固剤を加えると、あっという間に固まって成形しにくくなるので注意しましょう。

※炭酸ナトリウムを使う場合は、芋の温度が50~60℃のうちに凝固剤を加えると混ざりやすいようです。

8. 保存容器に詰めて置く

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保存容器やバットに詰め、表面をヘラか手で押して平らにならします。そのまま30分ほど置きます。

※炭酸ナトリウムを使う場合は、2~3時間置いておきます。

9. 適当な大きさに切る

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水で濡らしたカードや包丁で、こんにゃくを適当な大きさに切ります。まだ完全には固まっていないのでやさしく扱いましょう。容器から取り出しにくい場合は、すき間から水をそっと流し入れ、こんにゃくを容器から浮かせます。

10. たっぷりのお湯でゆでる

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鍋をふたつ用意してそれぞれにたっぷりお湯を沸かします。こんにゃくをそっと入れ、30分ほどゆでて完成です。アクを抜くため、鍋ふたつに分けてたっぷりのお湯でゆでるのがポイントです。長くゆでると固めに仕上がります。ゆで汁は保存用に使えるので、捨てずに取っておきます。

手作りこんにゃくのできばえは?

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作りたてのこんにゃくはそのまま刺身で食べることができます。一般的な市販品とは異なるプリっと弾けるような食感があり、薄く切っても十分に弾力を楽しめますよ。臭みやアクはなく、嫌みのないこんにゃく独特の風味を感じました。気泡が細かく入っているので、しょうゆや酢味噌の味が染みやすいのも特徴です。

手作りこんにゃくの保存方法・期間

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清潔な保存容器か保存用袋にこんにゃくを入れ、こんにゃくのゆで汁をたっぷり注ぎます。こんにゃく全体が浸るようにゆで汁を入れた状態で、蓋をして冷蔵保存します。3日を目安になるべくはやく食べきるようにしましょう。

手作りのこんにゃくで作る煮物や炒め物は格別のおいしさ!

当たり前のように食べているこんにゃくですが、原料や作り方を知らなかった方も多いのではないでしょうか。手作りのこんにゃくは味染みがよく、煮物や炒め物にしても抜群においしいですよ。

ミキサーやハンドブレンダーなどの道具がない時代は、作るのにとても手間と時間がかかったことが想像できますね。作り方を確立した昔の料理人に想いをはせて、実験感覚でこんにゃくを作ってみてはいかがでしょう。
【参考文献】
(2022/3/28参照)

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