ライター : 馬原 香織

料理家/料理教室主宰/調理師

この記事でわかること

えのきは洗わずに食べられます。市販のえのきは衛生管理され、農薬も厳しく管理されているため、洗う必要はありません。洗うと旨味成分や栄養が流れ出し、食感も損なわれてしまいます。汚れが気になる場合は、濡らしたキッチンペーパーや布巾で拭き取りましょう。

料理の際には根元を切り落とし、調理法に合わせて切ります。洗わずに使えるので、下ごしらえが簡単ですよ。

えのきは洗うのが正解?

えのきは、洗わずにそのまま食べられます。一般的に市販されているえのきは、徹底的に衛生管理された環境で人工的に栽培されています。そして出荷の際は衛生的な袋に詰めて流通しているため、外気に触れることなくばい菌や汚れがつく心配がないのです。

農薬についても、日本で栽培されているえのきに関しては厳しく管理されているので心配ありません。気になる方は独自の審査基準をクリアした、「国産安心きのこ認証マーク」のついたものや、産地や業者がはっきりしているえのきを選ぶと安心です。

えのきを洗わないほうがいい理由

風味が落ちる

えのきに含まれる旨味成分は、水に溶けだす性質があるため、水洗いすることで旨味や風味が落ちてしまう原因になります。サッと洗うだけでも流れ出てしまうので、水洗いせずに調理したほうがよりおいしく食べられます。

食感が損なわれる

えのきはシャキシャキした食感が魅力ですが、洗うことでぬめりが出てシャキシャキ感が損なわれてしまいます。ぬめりは食べる分には問題ないものの、えのきに水分が付着して水っぽくべチャッとした食感になってしまいます。

栄養も流れてしまう

えのきには、ビタミンB1やB2、ナイアシンといったビタミンB群が豊富に含まれています。ビタミンB1は、糖質の代謝に関わる栄養素です。ビタミンB2は脂質の代謝を助けるビタミンで皮膚や粘膜、髪、爪などの健康維持にも役立ちます。ナイアシンは、糖質、脂質、たんぱく質の代謝や、エネルギー産生に関わります。アルコールの分解も助けるため、お酒をよく飲む方は意識して摂取したい栄養素です。

ビタミンB群は、水溶性のビタミンのため、えのきを洗ったり、ゆでたりすることで流れ出してしまいます。えのきは洗わずに汚れを落として、煮汁ごと食べられる汁物に入れると、栄養を逃さず摂ることができますよ。(※1,2,3,4,5)

劣化が早くなる

えのきは水洗いすることで、余分な水分がつき劣化が早くなってしまいます。切ってすぐに調理しない場合や、冷蔵および冷凍保存する際は、洗ってから保存すると傷みやすくなるので注意が必要です。

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