ライター : 椛嶋 貴子

管理栄養士

体を冷やす・温める食べ物って根拠はある?

西洋医学とは異なる理論を持つ中医学。その考え方のひとつに五性があります。五性とは、食材にはそれぞれ性質があり、熱性・温性・平性・涼性・寒性の5つに分けられること。食材が体を温めるのか冷やすのか、どのようにはたらきかけるかを表しています。

ただし、これらは誰にでも同じ作用があるわけではなく、個人差があることは覚えておきましょう。(※1)

体を「冷やす」食べ物の特徴

体を冷やす食べ物の特徴

  1. 夏が旬のもの
  2. 暑い地域でとれる食材
  3. 地面より上にできるもの
  4. 精製された食品
体を冷やす食べ物は、夏が旬のものや暑い地域でとれる食材といった、暑い環境下で育つのが特徴です。そのほか、地面より上にできるものも体を冷やすといわれていますよ。

また、精製されて不純物が取り除かれたものも体を冷やす食べ物とされています。(※2,3)

体を「温める」食べ物の特徴

体を温める食べ物の特徴

  1. 冬が旬のもの
  2. 寒い地域でとれる食材
  3. 地面より下にできる野菜
  4. 未精製の食品
  5. 発酵食品
体を温める食べ物は体を冷やす食べ物とは反対に、冬が旬のもの、寒い地域でとれるものといった、寒い環境下で育つのが特徴です。また、地面より下にできる野菜も体を温めるはたらきがありますよ。

未精製の食材や発酵食品も体を温めるのに役立つ食材です。(※2,3)

体を「冷やす」食べ物一覧

体を冷やす野菜

  1. レタス
  2. キャベツ
  3. 白菜
  4. ほうれんそう
  5. 小松菜
  6. きゅうり
  7. トマト
  8. なす
体を冷やす食材は、暑い地域で育つものや、夏に旬を迎える特徴があります。また土の上にでき、白・青・緑(冷色)の葉物野菜が豊富です。例えば、夏野菜の代表であるきゅうり・トマト・なすをはじめ、レタスやほうれんそうが挙げられます。(※2,3)

体を冷やす果物

  1. マンゴー
  2. バナナ
  3. パイナップル
マンゴーやバナナ・パイナップルなどの暑い環境で育つ南国の果物も、体を冷やすはたらきがあります。冷えが気になるときには避けると良いですね。そのほかにも、スイカやメロンといった夏が旬の果物も、体を冷やす果物に分類されます。(※3)

そのほかの食べ物

  1. マヨネーズ
  2. ビール
  3. コーヒー
  4. 緑茶
夏になると酸っぱいものが食べたくなりませんか?実は、酢には体を冷やしてくれる作用があります。さっぱりとした後味なので、自然と食べたくなりますよね。また、飲み物であるビールやコーヒー・緑茶も体を冷やします。(※3,4)

体を「温める」食べ物一覧

体を温める野菜

  1. にんじん
  2. ごぼう
  3. れんこん
  4. かぼちゃ
  5. ねぎ
  6. たまねぎ
  7. しょうが
体を温める食材は、主に寒い地域で収穫できるものや土の中で育つ根菜類があります。また、赤・黒・橙(暖色)の見た目が特徴です。特にしょうがは体を温める食材として広く知られていますが、これはショウガオールという成分が含まれているためです。(※2,3,5)

体を温める果物

  1. りんご
  2. さくらんぼ
  3. ぶどう
  4. プルーン
  5. オレンジ
果物に関しても野菜と同様に、寒い地域で育つものは体を温める作用をもちます。また、見た目が赤・黒・橙(暖色)といった特徴があります。例えば、りんご・さくらんぼ・ぶどうなどが挙げられますよ。(※2,3)

そのほかの食べ物

  1. 唐辛子
  2. 香辛料
  3. みそ
  4. 紅茶
  5. 日本酒
唐辛子やこしょうなどの香辛料は、血行を良くし体を温めてくれる作用がありますよ。また、カビや酵母のはたらきを利用する発酵食品にも体を温めるはたらきが。みそや日本酒・紅茶は発酵食品なので、積極的に摂りたい食材ですね。(※2,6)

チョコレートは体を冷やすのか

甘くて口に入れるととろけるチョコレート。実はチョコレートに多く含まれる白砂糖は体を冷やす食材に分類されます。白砂糖はチョコレートに限らず洋菓子にも使われていることが多いので、食べ過ぎには注意しましょう。

一方で、チョコレートに含まれるカカオポリフェノールには血管を拡張して血流を良くするはたらきがあり、冷え対策に役に立つといわれています。チョコレートを食べるときには、白砂糖を使っていないものやカカオが多く含まれるものを選ぶのがよいでしょう。(※7,8)
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