ライター : 稲吉永恵

野菜ソムリエ / ローフードマイスター / オーガニックコンシェルジュ

かきの土手鍋のレシピ・作り方

Photo by 稲吉永恵

調理時間 40
かきの土手鍋とは、鍋のふちにみそを塗って土手を作り、かきや野菜、豆腐などを入れて食べる広島県の郷土料理のひとつ。みそを溶かしながら食べるのが特徴で、自分好みの味わいにできるのも大きな魅力です。

土手鍋の名前の由来は諸説あり、そのひとつは、鍋のふちに土手のようにみそを塗ることからきている説。また、江戸時代に広島から大阪までかきを売りに行っていた「かき船」が、橋のたもとの土手下でかき鍋を提供していたことに由来している説があります。

そしてもうひとつは、このかき鍋を考案したのがかき商人である土手長吉さんだったという説。かきも野菜も存分に味わえる土手鍋は、旬のかきを楽しむおすすめの料理です。簡単なのでぜひ試してみてください。

材料(2〜3人分)

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土手鍋をおいしく作るコツは「かきの下ごしらえ」

  1. 3%の塩分濃度の塩水で洗い、身の縮みを抑える
  2. 片栗粉でしっかり洗って汚れを取り、くさみを抑える

作り方

1.野菜を切る

カットして金属バットに入れた白菜、長ねぎ、春菊、えのきだけ、しいたけ

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白菜はそぎ切り、長ねぎは斜め切り、春菊は根元を切ってから食べやすい長さに切ります。えのきだけは根元を切ってほぐし、しいたけは石突を切ります。
カットして金属バットに入れたごぼう、にんじん、焼き豆腐

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ごぼうはささがきにし、にんじんはピーラーで薄切りにします。焼き豆腐は食べやすい大きさにカットします。

2.かきの下ごしらえをする

ボウルに塩水を入れてかきをすすぎ洗いする様子

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かきを3%の塩分濃度(水1Lに対し塩30g)の塩水(分量外)ですすぐように丁寧に洗います。
かきに片栗粉と塩を混ぜる様子

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水を流して片栗粉大さじ1杯と塩小さじ1杯(分量外)を入れ、やさしく混ぜ、軽く揉み洗いして汚れを取ります。
かきのひだ部分を洗う様子

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ひだの部分に汚れが付いているので、よく洗います。
流水でかきを洗う様子

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流水で片栗粉を洗い流します。崩れやすいので、直接かきに水を当てないように注意します。
ザルにあげたかき

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水がきれいになるまで水を流しながら洗い、ザルにあげて水を切ります。

3.みそだれを作り、土鍋に塗る

ボウルでみそだれを混ぜたもの

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ボウルにAを入れてよく混ぜます。
土鍋にみそだれを塗る様子

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土鍋のふちにみそだれを塗ります。

4.具材を詰め、昆布だしを入れる

土鍋に野菜を詰める様子

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かき以外の具材を彩りよく詰めます。焦げを防ぐために、土鍋の底に白菜の芯を敷くのがポイントです。春菊の葉の部分は火が入りやすいので、あとで加えてもよいです。
具材を詰めた土鍋に昆布だしを入れる様子

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上から昆布だしを入れます。

5.火にかける

土鍋に蓋をして火にかけた様子

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土鍋に蓋をして中火にかけます。

6.かきを入れる

土手鍋にかきを入れる様子

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煮立ったら蓋をあけてかきを入れ、再度蓋をして2〜3分煮ます。

7.できあがり

具材に火が入ったかきの土手鍋

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かきがふっくら膨らんだらできあがりです。まわりのみそを溶かしながらいただきます。かきは煮過ぎると固くなるので、注意してくださいね。

土手鍋を最後まで楽しむ!おすすめしめ3選

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土手鍋の一押しのしめは、うどんです。具材の旨味が滲み出たスープでうどんを煮込んで、名古屋名物のみそ煮込みうどんのようにして楽しみましょう。最後に卵を落とすとまろやかさがアップし、絶品ですよ。

また、ごはんを入れて雑炊にするのもおすすめ。ごはんは流水で洗ってぬめりを取り、残りのスープに入れて煮ます。ぬめりを取ることでごはんにかきの旨味が滲み出たスープが染みて、おいしく仕上がりますよ。煮立ったら溶き卵を回し入れ、半熟になったら小口ねぎを入れてください。

そのほかに餅を焼いて入れても。トースターで香ばしく焼いてから、残りのスープに入れて軽く煮ます。香ばしさとの相性もよく、スープが絡んでおいしいですよ。

かきの土手鍋をおうちで楽しんでみよう

広島の郷土料理であるかきの土手鍋は、ぷりぷりのかきと濃厚な旨味を楽しめるひと品。スープに旨味やコクが滲み出て、野菜もたっぷり食べられるのがうれしいですね。

土手鍋は、かきを丁寧に下ごしらえして、くさみを抑え身の縮みを防ぐのがおいしく作るコツです。おすすめのしめを参考にして、ぜひスープも残さずにいただいてくださいね。

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