ライター : 相羽 舞

管理栄養士

「大麦」とは?

スーパーの米売り場で「もち麦」「押麦」などをよく見かけますが、これらはすべて大麦の品種のひとつです。

大麦に含まれている代表的な栄養素といえば食物繊維をイメージする人が多いでしょう。そのほかにはどんな栄養素が含まれているのでしょうか?大麦にどんな効能が期待できるのか、具体的にみていきましょう。(※1,2)

大麦の効果効能

効果効能

  1. 便秘対策に役立つ
  2. 血糖値の上昇を抑える
  3. ダイエットに役立つ
  4. LDL(悪玉)コレステロールを下げる

便秘対策に役立つ

大麦には、日本人に不足しがちな食物繊維が豊富。食物繊維は水溶性と不溶性の2種類に分けられますが、大麦には2種類の食物繊維がバランスよく含まれています。

水溶性食物繊維は腸内環境を整え、不溶性食物繊維は便のかさを増してぜん動運動を活発にするはたらきがあります。実際に、大麦を食べると排便量が増えるとの研究結果もあり、便秘対策に役立つといえます。(※3)

血糖値の上昇を抑える

大麦に含まれる「β-グルカン」は、食べたものをゼリー状に包み、胃から腸へ移動するスピードをゆっくりにするはたらきが。そのため、血糖値の急上昇を抑えることにつながります。

血糖値が上がるとインスリンが分泌されますが、インスリンには血糖値を下げるはたらきのほかに、血中の糖を脂肪としてため込む作用も。血糖値が急激に上がると過剰にインスリンが分泌されてしまうため、血糖値はゆるやかに上昇させることが大切です。(※3,4)

ダイエットに役立つ

白米ごはんと炊飯した大麦(押麦)では、大麦のほうが低カロリー。そのため、同じ量を食べるなら、白米だけのごはんよりも大麦を混ぜることで摂取カロリーを抑えられます。

また、大麦は胃や腸での消化に時間がかかるため、満腹感が続きやすいのもメリットのひとつ。食べ過ぎ対策にもつながり、ダイエット中の食事に取り入れやすいといえます。(※3,5,6)

LDL(悪玉)コレステロールを下げる

大麦のβ-グルカンには、小腸内でコレステロールや胆汁酸と結びつき、吸収を抑えることで体外への排泄を促すはたらきがあります。

LDL(悪玉)コレステロールは増え過ぎると血管壁にたまって酸化され、血栓や血管がかたくなる原因に。コレステロールが高い水準の人においての研究では、麦ごはんを継続して食べるとLDLコレステロールの低下がみられたとの報告もありますよ。(※3,7)
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