ライター : macaroni 編集部

ミシュランシェフ直伝!たっぷりきのこの中華レシピ

Photo by 宮本信義

調理時間 20
きのこは、低カロリーで食物繊維たっぷり。値段が手頃で家計にやさしいので、日頃からきのこをよく使うという方も多いはず。でも、ついつい味付けがワンパターン化していませんか?

そこで、きのこを使う簡単でおいしいレシピを、ミシュランの星つき中華レストラン「慈華」の料理長、田村亮介さんに教わりました。

田村シェフがきのこと合わせたのは、なんとココナッツミルク。寒くなる時期にぴったりな、身体をほっこり温めてくれるレシピです。

Photo by 宮本信義

「きのこやえびとココナッツミルクってとても相性がよくて、中国の南方料理にもこの組み合わせの鍋料理があるんですよ。えびは高い印象があるけれど、赤えびなら手頃な値段でフレッシュなものが手に入ります。調理のポイントは火を入れすぎないこと。余熱をうまく使いましょう。

旨味が溶け出したおいしいスープも楽しんでもらいたいので、春雨も加えます。馬鈴薯から作られている国産の春雨は煮崩れしやすい。できれば、中国産の緑豆春雨を使ってください。前もって水に戻しておくことで加熱時間も短くなるし、なによりねっとりした食感が引き出せます。お店では一晩かけて戻していますよ」

材料(2人分)

Photo by 宮本信義

下ごしらえ

春雨を戻す

水に戻した春雨はバットに入っている

Photo by 宮本信義

春雨を水に浸けて戻します。最低でも30分、できたら1時間ほどかけてゆっくり戻すとよいです。

えびの足と背わたを取る

えびの殻にハサミを入れている様子

Photo by 宮本信義

えびは足と背わたを取り除いて、さっと水洗いします。背わたはハサミを使って殻を切り開くと取り出しやすくなります。

作り方

1.きのこを食べやすい大きさに切る

しいたけに包丁で切れ目を入れる様子

Photo by 宮本信義

しいたけは石づきをとり、5mmほどの幅で切れ目を入れ、斜めに切り分けます。 「このひと手間で味が染みやすくなるし、見た目もよくなります」
斜めに切り分けたしいたけ

Photo by 宮本信義

「斜めに切ると断面が大きくなるので、同じグラム数でも大きく見えるんですよ」
えのきだけをフォークでほぐしている様子

Photo by 宮本信義

えのきだけは石づきの部分を切り落とし、真ん中から上を押さえながら、フォークを使って根本を細かくほぐします。ほぐし終えたら、半分の長さに切ります。しめじは石づきをとって、手でほぐします。

2.ほうれん草をざく切りにする

ほうれん草をざく切りする様子

Photo by 宮本信義

ほうれん草は、よく洗って根っこを切り落とし、4cmほどのざく切りにします。葉の部分は広がっているので、縦に切ります。 「全体的に大きさをそろえると、見た目がきれいに仕上がります。ほうれん草はあくまでもグリーンの色味を足すための食材なので、小松菜やチンゲン菜など葉物ならなんでもOKです」

3.春雨を切る

春雨を包丁で切り分ける様子

Photo by 宮本信義

水に戻しておいた春雨を6cmほどの長さに切り分けます。

4.えびを炒める

中華鍋でしょうがとにんにくを炒めている様子

Photo by 宮本信義

フライパンに油大さじ2杯(分量外)を入れて、にんにくとしょうがを加え、香りが出るまで炒めます。 「フライパンににんにくとしょうがを入れてから、火をつけてください。火力が強すぎるとすぐに焦げてしまうので、弱火で炒めてくださいね」
中華鍋で炒めたえび

Photo by 宮本信義

にんにくとしょうがの香りが出てきたら、えびを加えて中火で炒めます。 「えびの殻の香りを引き出すことが目的なので、表面だけに火が入れば十分。にんにくとしょうがを焦がさないように注意してください」

5.チキンスープとココナッツミルクを加える

えびとココナッツミルクが入った中華鍋

Photo by 宮本信義

えびの香りが立ったら、チキンスープ、ココナッツミルクを加えます。軽く混ぜ、えびの殻の旨味をスープに移します。田村シェフはえびを炒めはじめて50秒ほどでスープを加えていました。
バットに取り上げたえび

Photo by 宮本信義

スープが沸騰したら、えびを取り出します。 「ここでいったん、えびを取り出します。加熱しすぎるとえびの身が硬くなってしまうので、5割程度火が入ったら取り出します。余熱でちょうどいい具合に火が通りますよ」

6.具材を加えて、味を調える

ココナッツ煮込みにきのこを加える様子

Photo by 宮本信義

きのこ類、ほうれん草、春雨の順に加えます。
おたまで春雨をすくいあげる様子

Photo by 宮本信義

軽く煮立ったら、火を消して、オイスターソース、砂糖、塩で味を調えます。 「ココナッツミルクを使う料理はほんのり甘味を足すとよりおいしく仕上がります。味が決まったら、取り出しておいたえびを戻してください。お好みでラー油を垂らすとおいしく食べられますよ」

きのことえびの食感、スープの旨味に脱帽!

Photo by 宮本信義

えびやきのこの旨味と、ちょっと甘味を効かせたココナッツミルクは相性抜群!余熱を生かして調理したえびは、これまでに経験したことのないフワッとした食感で、「おいしい!」以外の言葉が見つかりません。

「ほとんどのご家庭が加熱のしすぎだと思います。お教えしたように余熱を計算して調理すると、家庭料理でも格段においしくなります」

生は避けたい!という思いから、ついつい長めに加熱してしまう方が多いはず。筆者もそのひとりですが、このレシピのえびの味わいを経験して、“念のため加熱”を勇気を持ってやめようと心に決めました。きのことえびの旨味が溶け込んだ春雨も必食です!

教えてくれた人

Photo by 宮本信義

慈華(いつか)料理長/田村亮介さん 1977年、東京都生まれ。 横浜中華街「翠香園」、四川料理「麻布長江」での修業を経て、2006年「麻布長江 香福筵」の料理長に就任。 19年12月に慈華を開業。開業1年でミシュランの一つ星を獲得し、多方面から注目を集めている。
取材協力
取材・文/古川あや
撮影/宮本信義


田村シェフの記事はこちら▼
きのこの煮込みに関する記事はこちら▼

編集部のおすすめ