ライター : macaroni 編集部

ミシュランシェフ直伝!さつまいもと鮭の中華レシピ

Photo by 宮本信義

調理時間 20
*下ごしらえの時間は含みません
秋の味覚の代表格、さつまいも。蒸したり焼いたりするだけでもじゅうぶんおいしい食材ですが、もうひと手間かけて、極上のおかずを作ってみませんか。

そこで、さつまいもで作る簡単でおいしいレシピを、ミシュランの星つき中華レストラン「慈華」の料理長、田村亮介さんに教わりました。

ご紹介するのは「さつまいもと鮭の黒酢ソース」。さつまいもと鮭だけで、最高においしいおかずができあがります。さつまいもの甘みを引き出す技も伝授します!

Photo by 宮本信義

「さつまいもと甘塩鮭で作る、酢豚のアレンジレシピを紹介します。豚肉や鶏肉でもおいしくできるけど、短時間で仕上げるために甘塩鮭の切り身を使います。鮭は下味不要で火が通りやすいし、黒酢ソースはちょっとクセのある魚にすごく合うんです。

酢豚というと玉ねぎやピーマン、にんじんなど数々の野菜入りのものをイメージされると思いますが、じつは本場の中国では豚肉だけで作るんですよ。今回は本場風に具材は鮭とさつまいもだけですが、十分満足していただけると思います」

材料(2人分)

Photo by 宮本信義

  • さつまいも 1/2本
  • 甘塩鮭 2切
  • 1個
  • 片栗粉 適量
  • 白髪ねぎ 適量
  • 黒酢ソース
    • 黒酢 大さじ4と1/2杯
    • 米酢 大さじ3杯
    • 砂糖 大さじ4杯
    • しょうゆ 大さじ2杯
    • 大さじ5杯
    • 水溶き片栗粉 片栗粉:小さじ1/3杯、水:小さじ1/2杯

材料について

  1. 塩鮭は塩分が強過ぎるので甘塩鮭を使ってください。生鮭の場合は軽く塩をふります。
  2. 中国産の黒酢を使用する場合は、大さじ1と1/2杯に分量を変更してください。

下ごしらえ

さつまいもに半分火を通す

10分ほど蒸したさつまいもの断面

Photo by 宮本信義

さつまいもを蒸し器なら約10分、電子レンジなら500Wで2分ほど加熱し、半分ほど火を通します。 「さつまいもは70℃でじっくり加熱すると、でんぷんが糖化されてとても甘くなります。油で揚げたさつまいもにそれほど甘味を感じないのは、あっという間に火が通ってしまうから。素揚げ前に電子レンジなどであらかじめ半分ほど火を通して、さつまいもの甘味を引き出ましょう」

黒酢ソースの材料を合わせる

ボウルに黒酢、砂糖などが入っている

Photo by 宮本信義

黒酢、米酢、砂糖、しょうゆ、水、水溶き片栗粉を混ぜ合わせておきます。

作り方

1.鮭の小骨を取り、3〜4等分する

鮭の腹の部分の小骨を取り除く様子

Photo by 宮本信義

鮭の腹の部分の小骨や膜を取り除きます。しかし、骨から旨味が出るので、骨が気にならない方はそのまま使いましょう。
魚の繊維に沿って包丁を入れる様子

Photo by 宮本信義

鮭を3、4片に切り分けます。 「包丁は繊維に沿わせることで身がバラけず、斜めに入れることで断面が大きくなって、同じグラム数でも見映えがするんです。繊維の入り方は一定ではないので、素材をよく見て包丁を入れてくださいね」

2.さつまいもを乱切りにする

さつまいもを乱切りにする様子

Photo by 宮本信義

さつまいもは皮付きのまま乱切りにします。田村シェフは、縦に4等分してから乱切りしていました。 「食材は同じ大きさに切るのが基本。鮭に卵と片栗粉の衣をつけることを計算して、鮭より少し大きめのサイズに切り分けます」

3.鮭に衣を付ける

鮭を卵液にくぐらせた様子

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卵を溶いたボウルに鮭を入れ、卵を絡めます。
片栗粉をギュッとまぶした状態の鮭

Photo by 宮本信義

バッドに広げた片栗粉に卵液を付けた鮭を入れ、全体にまんべんなく粉を付けます。 「手のひらで一度軽く握って、しっかりと片栗粉を付けます」
片栗粉をはたいた状態の鮭がバットに並んでいる

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「粉を付けたら、次は両手ではたいて余分な粉を落とします。片栗粉が多く付いたままだと食感が悪くなるし、油も汚れてしまうので、ここはていねいに!」

4.鮭を揚げ焼きする

中華鍋で鮭を揚げる様子

Photo by 宮本信義

衣を付けた鮭を揚げ焼きします。鍋に1cmほどの油を熱し、表面が固まったら裏返して両面をカリッと上げます。田村シェフは、片面を約30秒、裏返して約20秒でザルに取り上げていました。 「魚の切り身は薄いので、表面だけをカリッと揚げるイメージで十分です。余熱で中まで十分に火が入っていくので、加熱しすぎないように注意してください」

5.さつまいもを素揚げする

中華鍋でさつまいもを素揚げする様子

Photo by 宮本信義

160℃の油でさつまいもを素揚げします。油にさつまいもを入れたら弱火にし、大きな気泡が出てきたら火を消して余熱でゆっくりと加熱します。 「ブクブクと出ている気泡はさつまいもの水分です。泡が落ち着いてきたら火を点け、大きな泡が出てきたら火を消します。油が高温にならないように調整しながら、さつまいもの糖化を進めます」
揚げたさつまいもに竹串を刺す様子

Photo by 宮本信義

竹串がスッと入るようになったら、強火にして高温で揚げます。表面をカリッと仕上げ、ザルに取り上げます。

6.黒酢ソースを作る

中華鍋の中の黒酢ソース

Photo by 宮本信義

黒酢ソースの材料をよくかきまぜて、きれいに洗ったフライパンに注ぎます。フライパンを中火にかけ、おたまでかき混ぜまがら加熱します。 「ボウルの底に片栗粉が残っていたら、ソースをボウルに戻してよく溶かしてからフライパンに移してください。ソースをフライパンに入れたら、ダマができないように沸騰するまでかき混ぜ続けましょう」
黒酢ソースをおたまでかき混ぜる様子

Photo by 宮本信義

ソースが沸騰してとろみがついたら火を止め、油大さじ1/2杯(分量外)を加えます。中火にかけて、さらによくかき混ぜます。 「混ぜるうちに油が乳化して、テリとツヤたっぷりの黒酢あんになります。油っこくならないように、フライパンは必ず洗ってから使ってください」

7.鮭とさつまいもを黒酢ソースで和える

黒酢ソースとさつまいも、鮭を和えている様子

Photo by 宮本信義

黒酢ソースに鮭、さつまいもを加えます。鮭やさつまいもを崩さないように軽く混ぜて、ソースを全体に絡めます。器に盛りつけ、白髪ねぎをトッピングします。

さつまいも、鮭、黒酢ソースの最強タッグでごはんがすすむ!

Photo by 宮本信義

カリッと揚がった鮭の塩気とホクホクと甘いさつまいも、そして甘酸っぱい黒酢ソース。それぞれの味、旨味をじっくり味わえるひと皿です。テリテリとろとろの黒酢ソースが家庭で再現できるなんてうれしすぎます!

「黒酢ソースは油を加えて乳化させると、テリよくなめらかに仕上がるんですよ。砂糖は、マイルドな三温糖や黒糖を使うのがおすすめ。コクが増してよりおいしくなります。

今回は鮭を使いましたが、さば、あじ、さんま、ぶりなんかも合いますよ。肉なら鶏肉、豚肉がいいですね」

「おいしい!もっと食べたい!」食材3つでこんなに気持ちになれるとは、さすが匠シェフ。20分で完成する、感動ものの味わいをぜひご体験ください!

教えてくれた人

Photo by 宮本信義

慈華(いつか) 料理長/田村亮介さん 1977年、東京都生まれ。 横浜中華街「翠香園」、四川料理「麻布長江」での修業を経て、2006年「麻布長江 香福筵」の料理長に就任。 19年12月に慈華を開業。開業1年でミシュランの一つ星を獲得し、多方面から注目を集めている。
取材協力
取材・文/古川あや
撮影/宮本信義


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