ライター : macaroni 編集部

銀座で40年以上愛される、みやざわの「たまごサンド」

Photo by macaroni

喫茶店「みやざわ」のたまごサンド……一流が集まる銀座で40年以上愛される、いわば“銀座の名物”です。とっても濃厚な卵のコクとクリーミーな口溶けが、大人を魅了してやみません。

そんなみやざわの「たまごサンド」を家庭で再現すべくお店へ取材。秘伝のレシピ・コツを教えてもらいました。

教えてくれたのは、外塚(とつか)信一シェフ。現オーナーのお父さんが店を引き継いだ昭和58年から、ずっとキッチンで腕をふるっているベテランです。

ポイント4つ!銀座みやざわの「たまごサンド」レシピ

1. 卵は固ゆでにしたあと、予熱でしっかり火を通す

Photo by macaroni

「たまごサンド」(1人前 税込900円)に使われているのは、LLサイズの卵3個、薄切りの食パン4枚(ちなみにお店ではたまごサンド用に、一日230個ほどの卵をゆでているとか……!)。

卵は固ゆでにしたあと、火を止めてしばらく放置します。ゆで過ぎを防ぎ、予熱で黄身にしっかり火を通せるんです。その後、冷水をかけて冷ましてから殻をむきます。

2. ペーパータオルで、丁寧に水気を拭き取る

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殻をむいた卵の水気は、ペーパータオルでしっかり拭き取ります。完成したフィリングの味がボヤけず、濃厚になるのです。このとき、卵の表面に小さな殻が残っていないかチェック。

ゆで卵スライサーで縦横にカットしたら、塩・こしょうをしてよく混ぜ合わせます。塩の分量は、卵20個分でボウルに4まわりほどだそう。家でやる際はいつもより多めに、しっかりと塩味をつけるイメージで。

3. 木べらで叩くように白身を切る

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下味をつけた卵を、木べらでよく混ぜ合わせます。ただ混ぜるのではなく、叩くように細かくすることで、白身の食感が絶妙なバランスで残るんです。

黄身が白身にまとわりついてきて、全体が黄色っぽくなるまでよく混ぜます。

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ある程度白身が細かくなったら、マヨネーズで最後の調味。

「マヨネーズは入れすぎるとべちゃべちゃになって食感が悪くなるから、様子を見て少しずつ混ぜるといいですよ」

4. 粘りが出るまでよく混ぜる

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これが最大のコツ。家で作ると、全体をササッと混ぜ合わせて終わりですが、外塚さんは渾身の力を入れて、しっかり数分間練り上げていきます。

「こんなに混ぜるの?」と驚きながら見ているうちに、卵の質感が変化してきました!

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「混ぜていると、手ごたえでどんどん卵に粘り気が出てくるのがわかります。この粘りが、口あたりの良さに繋がるんです」と外塚さん。

完成したフィリングは、しゃもじですくってもすぐ落ちないほどしっかりした粘り気。カスタードクリームのようなツヤも出てきて、見るからにおいしそうな“卵色”です。

Photo by macaroni

辛子マーガリンを塗った食パンにたっぷり卵をのせ、1枚を3等分すれば完成。パンから卵があふれそうなボリュームです。

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ひと口食べると、驚くほどの濃厚さ!しっかり水気を拭き取って混ぜたことで、黄身が全体にいきわたり、クリーミーなコクを生み出しているのです。木べらでカットした白身もほど良い口当たりで、絶妙な食感です。

家族も絶賛!家で再現してみました

Photo by 桑原恵美子

【1】 いつも通り、ゴムべらでマヨネーズを軽く混ぜただけのフィリング
【2】 木べらを使って白身をカットしたあと、粘りとツヤが出るまで5分間ほど、渾身の力で混ぜたフィリング

家でさっそく再現してみると、見た目だけでなく味の違いも歴然に。

【1】は黄身と白身に一体感がないせいか、白身の存在感が強く、黄身のコクがあまり感じられません。対して【2】はすごくクリーミーで濃厚、うまみも強く感じられます。

家族も絶賛で、我が家の定番サンドになりそうです。プロの技が詰まった「たまごサンド」、次の休日にいかがでしょう。

取材・文 / 桑原恵美子
写真 / 道岡直宏(macaroni編集部)
店舗情報

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「みやざわ」 創業は昭和31年。通常時はランチタイムから早朝4時まで営業し、洋食や喫茶メニューを提供しています。サンドイッチは午後4時からテイクアウト可能

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