4. 「にんにく」と合わせて食べる

牡蠣にはビタミンB12のほか、糖質の代謝に関わるビタミンB1も含まれています。にんにくのにおい成分であるアリシンは、ビタミンB1と体内で結びつき、ビタミンB1の作用を持続させるはたらきがありますよ。

牡蠣をにんにくたっぷりのアヒージョにしてみてはいかがでしょうか。(※1,13)

牡蠣の栄養に関するQ&A

生食用・加熱用で牡蠣の栄養価は変わる?

八訂食品成分表には「養殖牡蠣」の記載のみで、生食用・加熱用の栄養価の違いは示されていません。大きな差はないと考えられます。

そもそも生食用・加熱用の牡蠣の違いは、細菌数です。鮮度の差もないので、食べ方に応じて使い分けましょう。(※1,14)

亜鉛を効率よく摂れる牡蠣の調理法や食べ方は?

牡蠣に豊富な亜鉛の吸収率は約30%程度。亜鉛の吸収を促すには、レモンをはじめとするかんきつ類や野菜など、ビタミンCが多く含まれる食材を組み合わせるのがおすすめです。

また、亜鉛は水に溶ける作用があります。牡蠣を生食したり、ゆで汁ごと食べられる汁物にしたりすると無駄なく摂れますよ。(※1,2)

Q. 牡蠣の食べ過ぎには注意が必要?

牡蠣に豊富な亜鉛の過剰摂取が続くと、鉄や銅が身体に吸収されにくくなるおそれが。亜鉛は通常の食生活では過剰摂取になりにくいですが、サプリメントで亜鉛を摂っている方は注意が必要です。

30~64歳の亜鉛の摂取上限量は、男性で一日あたり45mg、女性で一日あたり35mg。これを牡蠣に換算すると、男性で16個程度、女性で12個程度に相当します。(※1,2,15,16)

牡蠣の食中毒を予防するポイント

牡蠣の食中毒は主にノロウイルスによって起こります。牡蠣を食べる際は、食中毒対策をしっかりおこなってくださいね。

生で食べる場合は加熱用の牡蠣ではなく、必ず生食用を食べるようにしましょう。生食用は、細菌数をはじめとする規格基準が満たされているほか、殺菌のための洗浄が行われています。加熱用はこのような処理がされていないため、生食はできません。

また、加熱用の牡蠣はしっかりと加熱することが重要。85度以上で60秒加熱するのが原則です。ご家庭でも、牡蠣の中心部の温度を料理用の温度計で計ると安心ですよ。(※14,17)

牡蠣をおいしく食べよう!

牡蠣には亜鉛やセレンなどのミネラルや、ビタミンB12をはじめとするビタミンが豊富。おいしいだけでなく、身体にもうれしい食材なんです。また、レモン汁をはじめとするクエン酸が豊富な食材を合わせると、牡蠣に豊富な亜鉛の吸収がよくなります。

食べ過ぎや食中毒対策に気をつけながら、ぜひ、牡蠣をおいしく楽しんでみてくださいね。
【参考文献】
※1 八訂食品成分表2021|女子栄養大学出版部
(2022/11/25参照)
※掲載情報は記事制作時点のもので、現在の情報と異なる場合があります。

編集部のおすすめ