
ライター : Uli
パンシェルジュ / フードコーディネーター
ハワイ大学留学後、旅行会社に就職。国内外の食文化に魅力を感じ、現在はレシピ系記事をメインにライターをしています。お手軽料理から、パン・スイーツまで、さまざまなレシピを発信中…もっとみる
金沢名物「治部煮」とは?
治部煮(じぶに)は金沢の郷土料理(加賀料理)。伝統的な治部煮は主に、鴨肉、葉もの野菜、百合根、きのこ、お麩(すだれ麩)、わさびで作られることが多いようです。治部煮の特徴は、肉に小麦粉(または片栗粉)をまぶして煮ることと、わさびを添えて食べることです。
そのお味は、とろみのある肉のうまみを吸った甘辛い汁が具材によくからみ、想像を絶するおいしさ!実際に作って味わってみましょう。
「治部煮」の名前の由来
名前の由来は諸説ありますが、煮るときに「ジブジブ」と音を立てるから「じぶに」と呼ぶようになったという面白い説があります。
さらに、鴨肉を使うところからフランス語である「ジビエ」がなまったという説や、豊臣秀吉軍の食を支えた兵糧奉行「岡部 治部右衛門」の名前からきたという説まで。
治部煮の基本の作り方
治部煮のレシピはいろいろありますが、今回ご紹介するのは野菜などを煮て取り出したあとに、肉を煮る方法です。煮込みすぎて肉が固くならず、盛り付けやすいのでおすすめです。
鴨のだしを吸った甘辛い煮汁は、最後まで飲み干したくなるほどおいしいんです。わさびの風味もコクのある汁と相性抜群ですよ。
材料(2~3人分)
・鴨肉(鶏肉)……200g
・せり……1束
・しいたけ……6個
・お麩……5~6個(すだれ麩の場合は1/2枚)
・小麦粉……適量
・わさび……適量
・だし汁……400cc(もしくは水400ccに顆粒だしの素小さじ2を加えたもの)
・しょうゆ……大さじ1と1/2杯
・みりん……大さじ1と1/2杯
・砂糖……大さじ1/2杯
・塩……小さじ1/3杯
※今回は鴨肉と相性のよいせりを使用しましたが、水菜や春菊など季節の葉もの野菜であればなんでもOK。だし汁は、昆布とかつおぶしから取ったものを使うのがおすすめです。
下ごしらえ
1. お麩をお湯につけて戻します。大きめの焼き麩の場合は、半分に切ってください。
2. しいたけは汚れを拭き取り、軸をとります。余裕があれば飾り切りをするといいですよ。
※水洗いはうまみが逃げるので厳禁です。
3. せりは根元を切り落としたら、沸騰したお湯でさっとゆでて冷水でしめます。水気を絞ってから4cm幅に切りそろえておきましょう。
4. 鴨肉(鶏肉)は食べやすいひと口サイズにそぎ切りにしましょう。
作り方
1. 鍋にだし汁と調味料をすべて入れて火にかけます。
2. だし汁が煮立ったら、しいたけを加えて煮ます。
3. お湯で戻したお麩の水気をしっかり絞ったら、鍋に入れてしいたけと煮ましょう。
4. しいたけとお麩によく煮汁が染みたら火を止めます。
5. お椀にせり、お麩、しいたけをバランスよく盛り付けておきましょう。
6. 鴨肉にまんべんなく小麦粉をまぶします。茶こしやハケを使うのがおすすめです。裏表まんべんなくしっかりまぶしましょう。
7. しいたけとお麩を煮た鍋に再び火をつけて、小麦粉をまぶした鴨肉を1枚ずつ入れていきます。面倒でも、必ず1枚ずつ入れていきましょう。
8. 2分ほどジブジブと煮ます。
9. 鴨肉に火が通ったら、火を止めて鴨肉をお椀に盛り付けます。
10. 鍋に残っているとろみのついた汁を上からそっとかけます。
11. わさびをトッピングして完成!温かいうちにいただきましょう。
特集
FEATURE CONTENTS