ライター : Uli

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金沢名物「治部煮」とは?

Photo by uli04_29

治部煮(じぶに)とは金沢を代表する郷土料理(加賀料理)です。伝統的な治部煮は主に鴨肉、ほうれんそう、里芋、にんじん、百合根、きのこ、お麩(すだれ麩)などで作られています。

治部煮の特徴は、肉に小麦粉(または片栗粉)をまぶして煮ることと、わさびを添えて食べることです。肉の旨味を吸った甘辛い汁が具材によくからみ、想像を絶するおいしさです!

「治部煮」の名前の由来

名前の由来は諸説ありますが、煮るときにジブジブと音を立てるから治部煮と呼ぶようになったという面白い説があります。また江戸時代にキリスト教の宣教師が伝えたポルトガル料理が日本風になった料理だからという説も。

さらに鴨肉を使うところからフランス語であるジビエがなまったという説や、豊臣秀吉軍の食を支えた兵糧奉行の岡部 治部右衛門(おかべじぶえもん)という人が朝鮮から伝えた料理だからその人名をとってという説まであるようです。

治部煮と筑前煮の違い

治部煮と筑前煮はどちらも煮物だけど、何が違うのだろうと思ったことがありませんか?

筑前煮は、九州北部の郷土料理。材料に鶏肉やにんじん、大根、ごぼう、れんこん、里芋、しいたけ、こんにゃくなどを使い一気に炊き込んで醤油味で味付ける煮物です。現地では「がめ煮」と呼ばれることもあります。

それに対して、治部煮は石川県金沢市の郷土料理。つまり、筑前煮とはまず「地方」が違います。また、筑前煮は煮汁がほとんどなくなるまで煮詰めて作りますが、治部煮は煮汁を残して仕上げに煮汁ごと盛り付けるという点も違いがあります。

治部煮の基本の作り方

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それでは実際に治部煮を作って味わってみましょう。治部煮のレシピはいろいろありますが、今回ご紹介するのは、だし汁で野菜などを煮て取り出したあとに肉を煮る方法です。煮込みすぎて肉が固くならず、盛り付けやすいのでおすすめですよ。

鴨のだしを吸った甘辛い煮汁は、最後まで飲み干したくなるほどおいしいです。わさびの風味もコクのある汁と相性抜群ですよ。

材料(2~3人分)

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・鴨肉(なければ鶏もも肉)……200g
・せり……1束
・しいたけ……6個
・お麩……5~6個(すだれ麩の場合は1/2枚)
・小麦粉……適量
・わさび……適量
・だし汁……400cc(もしくは水400ccに顆粒だしの素小さじ2を加えたもの)
・しょうゆ……大さじ1と1/2杯
・みりん……大さじ1と1/2杯
・砂糖……大さじ1/2杯
・塩……小さじ1/3杯

※今回は鴨肉と相性のよいせりを使いましたが、水菜や春菊など季節の葉もの野菜であればなんでもOK。だし汁は、昆布とかつおぶしから取ったものを使うのがおすすめです。

作り方

1. 下ごしらえ

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お麩をお湯につけて戻します。大きめの焼き麩の場合は、半分に切ってください。

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しいたけは汚れを拭き取り、軸をとります。余裕があれば飾り切りをするといいですよ。(水洗いは旨味が逃げるので厳禁です。)

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せりは根元を切り落としたら、沸騰したお湯でさっとゆでて冷水でしめます。水気を絞ってから4cm幅に切りそろえておきましょう。

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鴨肉(鶏もも肉)は食べやすいひと口サイズにそぎ切りにしましょう。

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