ライター : 馬原 香織

料理家/料理教室主宰/調理師

チーズはいつまででも食べられるの?

パスタにかける粉チーズ、トースト用のスライスチーズ、クリームチーズやカッテージチーズ、ブルーチーズなど……チーズと言ってもさまざまな種類が存在します。

いずれにしても共通しているのは「チーズは発酵させている」ということ。そんなチーズですが、賞味期限はあるのでしょうか。「もともと腐っているんじゃないの?」「ずっと食べられるのでは?」など、この記事ではチーズの賞味期限や保存方法など、チーズにまつわるあれこれについてまとめてみました。

賞味期限を過ぎても食べられる!

結論から言うと、チーズにも賞味期限はあります。私たちが購入するチーズに表記されているのは「賞味期限」であって、「消費期限」ではありません。「賞味期限」とは、その食品がおいしく食べられる食べごろを指し示したものです。賞味期限を数日過ぎたからと言って食べられなくなったり、食べてしまった場合に何かからだに支障をきたしたりする可能性はまれといえます。

一方、注意したいのは「消費期限」です。「消費期限」とは、その食品を安全に食べられる期限を指します。そのため、消費期限を過ぎた食品を食べるのは大変危険です。

チーズの種類により賞味期限が違う!

チーズにはたくさんの種類があり、それぞれ賞味期限が異なります。開封前のチーズの賞味期限は、原則パッケージに記載の通りですが、開封後の賞味期限はチーズによってさまざま。保存方法もチーズにより異なるため、種類別の正しい保存方法と賞味期限をチェックしておくとよいでしょう。

チーズはどの種類も冷凍保存ができますが、解凍後は風味や食感が変化してしまう場合が多いです。そのため、基本は冷蔵保存(ものによって常温保存)を心がけ、冷蔵での賞味期限内に食べきれない場合は、冷凍で保存するとよいでしょう。
チーズの種類開封前の賞味期限開封後の賞味期限開封後の保存方法
プロセスチーズパッケージに記載の通り冷蔵庫で1~2週間ラップに包み、保存袋に入れる
カマンベールチーズ冷蔵庫で1週間ラップに包み、保存袋に入れる
ブルーチーズ冷蔵庫で1週間ラップに包み、保存袋に入れる
ゴーダチーズ冷蔵庫で2週間ラップに包み、保存袋に入れる
モッツァレラチーズ冷蔵庫で2日水に浸して保存
粉チーズ常温で1ヶ月購入した容器のまま保存
ピザ用チーズ冷蔵庫で1週間空気を抜いて、保存袋に入れる

プロセスチーズ

チーズは、ナチュラルチーズとプロセスチーズに大別されますが、プロセスチーズは、ナチュラルチーズを加熱溶解して乳化したもののこと。加熱の段階で菌が死滅するので、それ以上熟成がすすむことがなく、品質が一定で、保存性が高く使いやすいメリットがあります。

開封後の賞味期限は、冷蔵保存で1~2週間、冷凍保存で1ヶ月程度。一切れずつラップに包んで、保存容器や保存袋に入れて冷蔵庫で保存します。

カマンベールチーズ

カマンベールチーズは、フランス北部ノルマンディ地方カマンベールが原産で、表面が真っ白なカビに覆われているチーズです。中身はクリーミーで、熟成が進むほどトロリとやわらかくなります。

開封後の賞味期限は、冷蔵保存で1週間、冷凍保存で1ヶ月程度。乾燥に弱いので、開封後はラップで包み、密閉容器や保存袋に入れて冷蔵庫または冷凍庫で保存しましょう。ただし、冷凍保存すると風味が少し落ちるため、カマンベールチーズ本来の風味を生かしたい場合は、冷凍せずに早めに食べ切るとよいでしょう。

ブルーチーズ

ブルーチーズは、青カビによって熟成をおこなうチーズで、独特の風味と塩気の強さが特徴です。「ゴルゴンゾーラ」「ロックフォール」「スティルトン」という世界三大ブルーチーズが有名。そのまま食べる以外に、はちみつと混ぜたり、パスタのソースにしたり、ほかの食材と組み合わせて食べることも多いです。

開封後の賞味期限は、冷蔵保存で1週間、冷凍保存で1ヶ月程度。乾燥に弱いので、ひと切れずつラップで包み、冷蔵庫で保存します。また、青カビは繁殖力が強いため、ほかの食品に青カビが移らないよう保存容器や保存袋に入れておくと安心です。なお、冷凍保存すると食感が損なわれる場合があるので、薄くスライスしてラップに包むか、凍ったまま加熱調理するのがおすすめです。

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