ライター : 山形ゆかり

薬剤師・薬膳アドバイザー・フードコーディネーター

賞味期限の切れた生クリーム

ケーキ作りやお菓子作りでちょっとだけ必要となり、買ってみた生クリーム。必ずしも必要というわけではないものの、仕上げに生クリームを使うと、料理がより一層おいしくなったり、本格的な味わいになったりしますよね。

しかし、中途半端に余ってしまい、使い切ろうとしているうちに賞味期限が切れてしまった、そんな経験はありませんか?

そもそも賞味期限とは

そもそも賞味期限とはメーカーが保証する「未開封の状態で、指定された保存方法で保存した場合においしく食べられる期限」。比較的保存が効く加工食品に設定されています。そのため、賞味期限が過ぎた=食べられない、というわけではなく、いつまで食べられかは保存状態や個人の感覚に判断が委ねられているのです。

では、賞味期限が切れてしまった生クリームは、どのように見極めればよいのでしょうか。

生クリームの賞味期限は1週間程度

生乳または牛乳から取り出された“乳脂肪のみ”を原料としたクリームで乳成分が18%以上のものを「生クリーム」と呼びます。生乳を分離して脂肪分が多い部分を取り出したものを指し、乳脂肪分が多いので独特の香りと濃厚さがあり、少しトロッとしています。

これら「生クリーム」のほとんどの賞味期限は未開封の場合で約1週間程度です。紙パック入りの牛乳とほぼ同じぐらいの期限が設けられています。また、なかでも「純正生クリーム」と表記されているものは安定剤や保存料などの添加物が一切使われていないので、賞味期限後に食べることはおすすめしません。

フレッシュの賞味期限

一方、生クリームと見た目が似ていてる「フレッシュ」。喫茶店や家でコーヒーに入れるポーションミルク「コーヒーフレッシュ」が該当します。粉末タイプと液体タイプがありますね。

フレッシュは乳脂肪を主原料とする生クリームと混同されがちですが、実は、市販されているほとんどの商品の主原料は“植物性脂肪”です。牛乳や生クリームは一切入っておらず、乳製品ではありません。また保存料や安定剤も使われているため、フレッシュは常温で保存ができ、一般的には液体タイプは数ヶ月、粉末タイプは1〜2年の賞味期限が設定されています。

ホイップの賞味期限

本来、生クリームを泡立てたものをホイップクリームと呼びますが、スーパーで「生クリーム」と同様に売っている「ホイップ」も見かけますよね?こちらは植物性脂肪を主な原料としているもの、乳脂肪に植物性脂肪を加えたものや、植物性の脂肪だけでできているものもあります。

植物性脂肪とは、菜種油やコーン油、大豆油などに乳化剤などの添加物で加工して、動物性の生クリームに似せて作っています。動物性のものに比べて、さっぱりした風味で、粘質も少なく、真っ白です。乳製品の匂いや風味が嫌いで動物性の生クリームが苦手な方も、植物性の生クリームなら食べられるといったこともあります。

賞味期限は、1ヶ月程度のものが一般的です。

開封後は早めに使いきるべき

賞味期限は、“未開封の状態”でというのが大前提です。一度開封してしまうと、細菌が入るおそれもあります。賞味期限内であっても、開封後は早めに使い終えましょう。

生クリームは大きく分けて種類はふたつ。乳脂肪のみを原料とした「動物性生クリーム」と、植物性脂肪を主原料にした「植物性生クリーム」があります。パッケージを良く見ると、“動物性”や“植物性”といった言葉が表記されているのでどちらか分かると思います。これらは原材料がまったく異なり、保存期間も異なるのでよく確認してください。

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