ライター : 伊藤 千亜紀

フードアナリスト

春の風物詩!三色団子

皆さんは、春と聞くと何を連想しますか。パッと思い浮かべるものは人それぞれだと思いますが、おそらく多くの人が「桜」と答えるのではないでしょうか。普段、それほど花に興味がない人でも、この時期には満開の桜を眺めたくなる、日本人には欠かせない存在ですよね。そして、桜といえばお花見、お花見に行けばお団子。ピンク、白、緑の串に刺さった三色団子を片手にするお花見はたのしむ人をよく見かけます。

しかし、慣れ親しんできた三色団子の色合いの意味はご存じでしょうか?ただかわいらしい配色をしているだけではないんですよ。実は、それぞれに意味があったのです。今回は、三色団子にまつわるお話と、三色団子を使ったおすすめのアレンジレシピもご紹介いたします!

三色それぞれの意味

1.三色で春を

三色団子の色については諸説ありますが、ピンク、白、緑の三色で春を表しているといわれています。ピンクは桜や春を、白は白酒を。あまり聞きなれない「白酒」ですが、白酒は、3月3日の桃の節句に飲むお酒のことです。白酒の白にも意味があり、まだ雪が残っている早春を表しているという説や、温かい春の白い空を表しているという説もあります。三色目の緑は、芽吹く緑やよもぎを表しているといいます。

ピンク、白、緑、ただの「かわいらしい」色合いではなく、それぞれが春にまつわる意味を持って並んでいたんですね。

2.三色で季節を

三色で春を表しているとされる説がある一方で、三色で季節を表しているという説もあります。「春」を意味し、桜や桃の花、春の日差しをイメージしたのがピンク。ピンクには厄払いの願いもこめられ、解毒作用のクチナシで赤くして、健康を祈っています。

「冬」の白酒や春霞をイメージしているのが白。白には血圧低下、清浄の願いがこめられ、ヒシの実を入れて作られています。緑色の餅は母子の健全を祈り、「夏」の新緑や草木の緑をイメージしています。母子草やよもぎで作られています。

また三色は、春を象徴する草芽吹く大地、春霞の空、春の陽光の季節をイメージしたもの。これらの意味があり、三色の並び順も、下から緑、白、ピンクと並べて大地から陽光までを表現しているんだそうですよ。これは、雛祭りの菱餅も一緒。こういった縁起物には、ただの色合いだけでなく、深い意味が込められていたのですね。

3.三色で縁起物

かつて、お花見はもともとは庶民の行事ではなく、身分の高い者たちがおこなう神聖な行事とされていました。お花見の際に、身分の高い人たちに献上するために縁起のよい色が付けらるようになったと言われているそうです。

ピンクと白は縁起がよく、緑は邪気を払ってくれる色とされており、神様が喜ぶ色だと言われていたからなのです。時が経っても受け継がれるものにはやはり意味があるのですね。

おうちでできる!三色団子の基本の作り方

和菓子は作るのがむずかしいイメージがありますが、三色団子は簡単に作れる和菓子のひとつ。手作りの三色団子を食べながらお花見するのも楽しいと思いますよ。

ボールに上新粉、片栗粉、砂糖、ぬるま湯を加えて混ぜ、なめらかになるまでこねます。生地を3等分し、それぞれに桜の塩漬けをみじん切りにしたものを混ぜます。ピンクのお団子用には食紅を加え、もうひとつに緑のお団子用として抹茶粉を混ぜます。白いお団子はバニラエッセンスを少々使います。

3色の生地ができたらそれぞれ適度な大きさに丸めます。鍋にたっぷりの湯を沸かしたら、それぞれの団子をゆで、ゆで終わった団子は冷水にとって冷やします。余分な水分を飛ばし、団子を彩りよく串に刺したらでき上がりです。

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