ライター : 伊藤 千亜紀

フードアナリスト

監修者 : 工藤 孝文

みやま市工藤内科 院長

ハバネロとは

ハバネロとは、実の大きさが2~6cmほどの唐辛子の一種です。かつては世界で一番辛い唐辛子として辛党の人々には欠かせないものとされていましたが、さらに上をいく「ジョロキア」や「ペッパー・X」などの品種が登場しています。 とはいえ、わたしたちが普段食卓やレストランで口にする唐辛子と比べると、はるかに辛いハバネロ。ただ辛いだけと思われがちですが、実は意外な健康効果があったのです。

ハバネロの特徴

ハバネロはメキシコのユカタン半島発祥とされていますが、ブラジルやアメリカ、コスタリカなどの南米地域でも栽培が可能なうえ、日本でも少し栽培されています。通常の細長い唐辛子と比べると丸みがあり、辛みもさることながら、フルーティーな香りが特徴です。 夏が収穫時期とされており、収穫の目安としては花が咲いてから2週間以上経ったものが旨みが詰まっているのだとか。 一般的な唐辛子と比べると流通量も少ないことから、値段は少々高めの30gで300円ほど。しかし、主に香辛料などのスパイスとして少量使用されることが多いため、さほど不便さは感じないのかもしれませんね。

ほかの唐辛子と比べてどれくらい辛い?

唐辛子の辛さを示す数値に、「スコヴィル値」というものがあります。このスコヴィル値でハバネロの辛さを表すと、10万~35万スコヴィルに値するのだとか。国産の唐辛子が4万~5万スコヴィルということを考えると、いかにハバネロが辛いかが分かりますよね。 最近までは世界一辛い唐辛子としてギネス記録にもなっていたハバネロですが、2006年以降次々とハバネロを上回る唐辛子が出回っており、このスコヴィル値が今後どこまで上昇していくのか少し楽しみですね。

ハバネロの効果・効能

食欲増進

食欲の落ちがちな夏に辛い物を食べてスタミナをつけるというのはよくあることですが、これにはきちんと理由があるのです。ハバネロの場合、辛み成分であるカプサイシンが口や胃を刺激し、唾液の分泌を促すことで食欲をアップさせる効果があるといわれています。(※1) 食欲がなくなるとアイスや麺類などのさっぱりしたものを好んでしまいがちですが、そんなときこそ辛いものを食べてエネルギッシュに過ごしたいですよね。

代謝を高める

辛い物を食べると汗が出てきますよね。これは辛み成分であるカプサイシンが大きく関わっており、カプサイシンが体内に吸収されると、神経を通して副腎から興奮物質とされているアドレナリンが分泌し、脂肪の代謝を促進させます。(※2) 一時期カプサイシンダイエットが流行したのも、こういった体の仕組みがあるからなのですね。
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