ライター : 山形ゆかり

薬剤師・薬膳アドバイザー・フードコーディネーター

お盆は仏様に感謝を♪ 簡単なお供え料理の作り方

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調理時間 30
お盆のお供え料理は「手が込んでいて大変そう」「作りたいけれどゆっくりと時間が取れない」という方も多いのではないでしょうか。夏休み期間中のお盆は、行事が多かったり親族が集まったりと何かと忙しいので、料理に手間はかけたくないですよね。

この記事では、市販品を活用し短時間で作れるレシピをご紹介します。なお調味料に白だしを使いますが、厳密にいうと精進料理には向かない調味料です。精進料理として気になる方は、昆布だしや干ししいたけでとった出汁にしょうゆとみりん、砂糖などを加えて使ってくださいね。

材料(作りやすい分量/お供え膳一式分)

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作り方

1.ごはんを盛りつける

お供え膳の親碗にごはんを丸く山盛りにするように盛りつけたところ

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お供え膳の親椀にごはんを丸く山盛りにするように盛りつけます。

2.漬物を盛りつける

お供え膳の高皿に3種類の漬物を盛りつけたところ

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お供え膳の高皿(一番小さな皿)に3種類の漬物を彩りよく盛りつけます。

3.味噌汁を作る

インスタント味噌汁をつくって供え膳の汁椀に入れたところ

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鍋に昆布だしを入れ、沸騰直前まで加熱します。お供え膳の汁椀でなく通常の汁椀に、インスタント味噌汁の具と合わせみそを入れます。昆布だしを注ぎ入れ、菜箸で混ぜながらみそを溶かし味噌汁を作ります。粗熱をとってから、お玉でお供え膳の汁椀の8分目程度まで味噌汁をそそぎ入れます。

4.煮物野菜ミックスを炊いて盛りつける

煮物野菜ミックスで作った煮物をお供え膳の平椀に盛りつけたところ

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さやいんげんを解凍し、盛り付けやすい大きさに切ります。手鍋に昆布だしと白だし、冷凍煮物野菜ミックスを入れ中火で炊きます。沸騰したら弱火に変え、5分程度加熱します。粗熱をとってから、お供え膳の平椀に盛りつけ、さやいんげんをのせます。

5.金時煮豆とかぼちゃ煮物を盛りつける

壺椀に金時煮豆とかぼちゃ煮物を盛りつけたところ

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3の煮物椀とは別の壺椀に、金時煮豆とかぼちゃ煮物を盛りつけます。

6.お供え膳に並べてできあがり

お膳にお供え料理を配置してお供え膳ができあがったところ

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お供え膳の左下に親椀を供えます。汁椀は右下に、平椀は左上に、壺椀は右上に配置します。高皿をお膳の中央に供えてできあがりです。

盛り付けのポイント

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夏野菜の色合いを生かし、彩りよく盛り付けることがポイントです。ごはんを丸く大盛りによそい、お膳の左下に供えます。汁椀は右下、平椀は左上、壺椀は右上に配置し、高皿は中央に供えましょう。

仏壇や祭壇に供える際は箸を仏様に向けて置き、器の蓋は取った状態でお供えします。香りや湯気が仏様へのご馳走になる(香喰)とされているためです。ごはんのこまやかな盛り付け方法や平椀、壺椀、高杯の配置は宗派や地域によって異なるため、先祖代々のお墓があるお寺の僧侶の方や身近な方に確認することといいでしょう。

ほかにもある!お盆の伝統的なお供え料理

精霊馬(きゅうりとなす)

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きゅうりの馬はお盆に祖霊(先祖の霊)が浄土(あの世)から家へ帰って来るときに乗ってこられるように、前脚とうしろ脚として苧殻(おがら)をきゅうりに刺し、馬に見立てて作ったものです。

なすの牛は、なすに苧殻を刺して前脚、うしろ脚とし、お盆が終わって祖霊が浄土へ戻る際に乗られる、牛に見立てたものだと考えられています。乗り物の行きが馬で、帰りが牛というのは、ご先祖の霊に「早く来てください」「帰りはゆっくりとお戻りください」という願いを込めたからだと言われていますよ。

迎え団子・供え団子・送り団子

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お盆に供える団子には種類があり、初日にはたれやあんこを使った「迎え団子」、期間中には「おもてなし団子」や「落ち着き団子」としておはぎを供えることもあります。最終日には何もつけない白団子の「送り団子」を供えますよ。

団子の形や数に明確な決まりはなく、通常は丸形ですが地域によっては細長く作ることもあります。お供えしたあとの団子は、ご先祖様に感謝しつついただきましょう。

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