ライター : 山形ゆかり

薬剤師・薬膳アドバイザー・フードコーディネーター

今年のお盆は精進料理を作りませんか?

Photo by 山形ゆかり

お盆にぴったりなの精進料理のレシピと作り方のポイントを解説します。お盆には、仏様に精進料理をお供えし、家族みんなで食べるという昔ながらの風習がありますよ。

精進料理は動物性の食材や五葷(ごくん)と呼ばれるものを避け、野菜を中心に作られる伝統的な料理です。基本的なルールや配膳の方法、適切な食材選びと調理のコツをおさえて作りましょう。ポイントをおさえれば意外と簡単。むずかしく考えなくても手軽に作れますよ。

精進料理について|基本のポイント

控えるべき食材

  1. 動物性の食材
  2. 香りの強い「五葷(ごくん)・五辛(ごしん)」
精進料理は仏教の教えに基づいて作られる料理であり、動物性の食材を一切使用しません。肉や魚はもちろんのこと、出汁にも使わないのが特徴です。味のベースは、昆布や干し椎茸などの植物性の食材からとることが多いですよ。そのため、素材そのものの風味を生かしたやさしい味わいの料理ができあがります。

また野菜はにんにく、ねぎ、ニラ、玉ねぎ、らっきょうなどの「五葷(ごくん)」や「五辛(ごしん)」と呼ばれる食材は使いません。五葷や五辛は強い香りを持ち、仏教の修行や瞑想において、精神を乱す可能性があるとされているためです。

配膳のポイント

  1. 「一汁五菜」か「一汁三菜」が一般的
精進料理の配膳方法は宗派の戒律により異なりますが、一般的には「一汁五菜」または「一汁三菜」が基本です。どちらも季節の野菜を使い、見た目のうつくしさや季節感を大切にした献立が特徴ですよ。素材を活かすやさしい味付けで、ひと口味わうごとに心がほっと落ち着きます。

「一汁五菜」の構成は汁物ひと品と5つの副菜です。汁物は味噌汁やすまし汁、副菜には煮物、和え物、揚げ物、酢の物などが作られます。「一汁三菜」は汁物ひと品と3つの副菜で、よりシンプルな構成です。

精進料理について詳しくはこちら▼

「一汁五菜」の精進料理献立レシピ案

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枝豆と塩こんぶの炊き込みごはんを主食に、汁物にはレタスとミニトマトの味噌汁を用意。おかずにはたくあんとごぼうのきんぴら、黒ごま豆腐、さつまいもの天ぷら、高野豆腐の煮物、かぼちゃと小豆のいとこ煮を合わせて「一汁五菜」の献立を作ります。

かぼちゃの黄色や枝豆の緑色が鮮やかで、黒ごま豆腐の黒色が全体を引き締めますよ。一般的には一汁五菜の数に漬物は含みません。用意しなくても問題なので、お好みで調整してくださいね。

枝豆と塩こんぶの炊き込みごはん

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材料を炊飯器に入れるだけの簡単レシピです。塩こんぶの塩気の効くごはんに、ほっくりとした甘みの枝豆がいいアクセントとなります。シンプルながら深い味わいが楽しめますよ。枝豆は炊き上がりに混ぜ込んで、色鮮やかに仕上げましょう。華やかな見た目が食卓を彩ります。

白だしは厳密には精進料理に向かない調味料です。気になる場合は昆布だしにしょうゆとみりん、砂糖を加えて代用してくださいね。

レタスとミニトマトの味噌汁

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レタスやトマトは生でも食べられる食材なので、さっと火を通すだけの短時間で完成します。レタスのシャキシャキ感とミニトマトの酸味が、味噌の旨味と相まって深い味わいになりますよ。さっぱりと食べやすいので暑い季節にとくにおすすめです。

レシピに使うだしの素は、精進料理には向かない食材のため昆布だしや干ししいたけでとった出汁で代用しましょう。

たくあんとごぼうのきんぴら

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カリカリとしたたくあんと、シャキシャキとしたごぼう食感が心地よいきんぴらです。濃いめの味付けがやみつきになりますよ。より食感を感じるために、ごぼうは細切りにして仕上げます。たくあんから塩味の効いた味が出るので調味料は最小限で十分です。ごはんと相性抜群で、食欲がそそれれること間違いなし。

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