ジビエ肉を調理する際のポイント・注意点

ここでは、ジビエ肉を調理する際のポイントや注意点をご紹介します。農林水産省の規定により、現在販売されているジビエ肉は安全性が高まっています。しかし調理方法次第では、思わぬトラブルや失敗の原因に。ジビエの正しい調理方法を把握し、安心感をもって食べていきましょう。

初心者はモモかロースがおすすめ!

ジビエは動物ごとに部位が多く、それぞれの特徴も異なるため迷ってしまいがちです。ジビエ初心者が自宅で調理する際は、モモかロースの部位を選ぶことをおすすめします。ロースは赤身がメインでやわらかく、どのような調理法でも食べやすい形状に仕上がります。

モモは脂身が少ないためしつこさがなく、一般的な家畜の肉のような味わいを再現しやすい傾向に。また淡泊であっさりした味わいであるため、幅広い料理に馴染んでくれます。動物の種類は好みによりますが、赤身が好みであれば鹿肉、脂身が好みであればイノシシを選べば基本的に安心です。

中心部までしっかり加熱する

日本のジビエは一定の安全基準をクリアしたうえで販売されていますが、野生鳥獣の肉を取り扱ううえで注意しなければならない点があります。それが、野生鳥獣が持っている原因菌やウイルスです。ジビエ肉のなかには、寄生虫や腸管出血性大腸菌、ウイルスなどが含まれているリスクがあります。

これらを処理するためには、中心部までの十分な加熱が必要です。厚生労働省はジビエ肉の調理において、調理器具を83℃以上のお湯または次亜塩素酸ナトリウムをはじめとする薬剤で消毒することを推奨しています。またジビエを調理する際は、ほかの食材の調理器具とジビエ用の調理器具を分けるように心がけましょう。(※1,2)

ジビエ料理でおすすめの調理法

ここでは、ジビエ料理でおすすめの調理法をご紹介します。ジビエ肉というと特別な食材としての印象を受けるかもしれませんが、基本的には牛・豚・鶏など身近な肉に近しい調理法で問題ありません。ジビエ特有の臭みをケアすることで、苦手な人でも食べやすくなるでしょう。

煮込み料理

ジビエにおすすめの調理法のひとつが、煮込み料理です。煮込み料理の利点は、硬い部位でもホロホロにやわらかくなり食べやすくなること。とくにスネ肉はジビエのなかでもリーズナブルでありつつ、肉が硬く可食部が少ないというデメリットもあります。

煮込み料理であれば、スネ肉のコラーゲンや旨味がゆっくりと溶けだし、シンプルに焼くよりもおいしく食べられます。スネ肉に限らず、硬い部位や筋が多い部位などは、時間をかけて煮込んでみましょう。シチューやスープはもちろん、和風の味付けで煮物にしてもおいしいですよ。

ステーキ

ステーキは、ジビエ本来の味わいを堪能できる調理法です。とくにイノシシ肉や熊肉など脂身が多いジビエ肉は、ぜひ一度シンプルな焼き方で楽しみたいところです。またどのような動物でも、モモ肉は旨味が濃い部位。厚めにカットしてステーキにすれば、噛むほどに味わいの広がる料理に仕上がります。

とくに内モモは筋繊維が細くやわらかいため、噛み切りやすいステーキに。歯ごたえを楽しみたい場合は硬めの外モモがおすすめです。牛肉のようなジューシーな赤身を味わいたい人は、ロースを活用しましょう。またステーキを焼く際は、塩コショウで下味をつけてから2時間ほど常温に戻すことで、焼いたときのムラが出にくくなりますよ。
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