5. タンパク質の凝固をやわらげる

砂糖にはタンパク質が熱で変性して固まるのを抑制する性質があります。プリンなどを作るとき、砂糖が多いと凝固温度が高くなって固まりにくくなることで、よりやわらかでなめらかな口あたりになります。

このように、砂糖は単に甘さをプラスするだけではありません。「甘さを控えたお菓子を作りたい!」と大幅に砂糖の量を減らすことは、失敗の原因につながってしまいます。

砂糖の量別!カップケーキで大検証

Photo by macaroni

実際に砂糖の量を変えるとどんな違いが出るのか、3種類のカップケーキを焼いて検証してみます。

〈基本レシピ〉
・卵……1個
・砂糖……30g
・薄力粉……30g
・無塩バター……5g
・牛乳……大さじ1/2杯

砂糖の量を100%(30g)、 70%(20g)、30%(10g)に変えて焼きました。

高さを比較

Photo by macaroni

左から砂糖100%、70%、30%の割合で作ったカップケーキです。“砂糖が多いほど生地の膨らみが良く、高さが出る” という結果になりました。

砂糖には気泡の安定性を高める働きがあるため、砂糖の多い生地は泡が潰れにくくなり、ボリュームが出たと考えられます。

焼き色を比較

Photo by macaroni

砂糖70%、100%のものは大きな差はあまりなく、どちらもきれいな焼き色が付きました。

砂糖30%のものは全体的に焼き色が薄い仕上がりになりました。砂糖の量が多いほど、メイラード反応により多くの褐色物質が作られ、濃い焼き色が付いたと考えられます。

食感を比較

Photo by macaroni

砂糖30%のカップケーキは、生地が詰まっていて固い仕上がりに。口の中に入れるとぼそぼそとした食感で甘さもなく、淡白な味です。

一方で、砂糖100%のケーキはしっとり。ふわっとした軽い食感で口の中でやさしくほどけていきます。砂糖70%のケーキは100%のものに比べるとしっとり感がやや欠け、しっかりとした生地になりました。

砂糖の極端な減らし過ぎは失敗につながる

Photo by macaroni

“なるべくお砂糖を減らしたい!”という気持ちはよくわかりますが、検証結果からもわかるとおり、極端に砂糖の量を減らしてしまうと、失敗の原因になりかねません。せっかく作ったのに失敗……なんていうのはとっても残念ですよね。

砂糖の量は、参考にするレシピの70〜100%の間で調整することをおすすめします!それでも“砂糖の量が気になる……!”という方は、食べる時間や量に気をつけて、調節するのがいいかもしれません。


カップケーキのレシピはこちら▼

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