ライター : Uli

フードコーディネーター/パンシェルジュ/薬膳アドバイザー/レシピライター

ブライン液とは「肉をやわらかくする魔法の水」

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ブライン液とは水、塩、砂糖を混ぜた調理液です。ブライン液に食材を漬け込むことをブライニングといいます。肉や魚をブライン液に漬ける目的は、食材をやわらかく、しっとりジューシーに仕上げること。ほんのり塩味がつく程度なので、ブライニング後にしっかり味付けする際の邪魔にならないのも魅力です。

塩の作用で食材に水分が入りやすくなり、水が食材に浸透することで食材がやわらかくなる仕組みです。また、塩には食材の表面をコーティングして、旨味を逃さないようにする効果もあります。水と塩のみで作るブライン液もありますが、砂糖を入れることでより保水性を高め、塩味をやわらげてほのかな甘みを足すブライン液が使いやすいです。

ブライン液の作り方

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調理時間 3
水、塩、砂糖で作る基本のブライン液です。水に対して塩と砂糖が各5%になるよう、しっかり計量しておくのがポイントです。混ぜるだけで作れて、加熱する必要もないので、すぐに作って食材を漬けることができますよ。

ブライン液の材料/黄金比

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  • 200cc
  • 10g(小さじ2杯)
  • 砂糖 10g(大さじ1杯)

ブライン液を使う際の注意

  1. 塩と砂糖の分量を守る
  2. 漬け込み時間を守る
塩と砂糖の分量はしっかり守りましょう。とくに、ブライン液の塩分濃度が5%以上になると、食材から水分が流れ出すので要注意です。また、塩が多すぎると塩味が濃くなり、砂糖が多すぎると甘みが主張してしまいます。

ブライン液を漬け込む時間は、食材の大きさによって調整してください。漬け込み時間が短いとやわらかくなる効果が得られず、漬け込み時間が長すぎると塩辛くなる場合があります。

手順

1.材料を合わせる

塩と砂糖が入っているガラスボウルに水を注ぎ入れる様子

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きっちり計量した材料を合わせます。

2.塩と砂糖が溶けるまで混ぜる

泡だて器でブライン液の材料を混ぜる様子

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塩と砂糖の粒が溶けてなくなるまでよく混ぜます。これでブライン液は完成です。できたブライン液にお好みの食材を漬け込み、冷蔵庫で寝かせましょう。

よくある質問

質問回答
1. ブライン液の割合は?食材の量や大きさにあわせて、割合を守って調整する
(水:塩:砂糖=20:1:1)
2. ブライン液を使うと、味に影響する?塩と砂糖の割合、漬け込み時間を守れば、味に大きく影響はしない
3. ブライン液を使う料理の例は?ソテー、ステーキ、唐揚げ、ローストビーフ(ポーク)など
4. ブライン液の漬け込み時間は?鶏肉:ひと口大は1〜2時間、1枚なら4時間からひと晩
豚肉、牛肉:1枚は3時間前後、約400gほどの塊はひと晩から1日
※漬け込み時間は目安。厚さや重量によって適する時間は異なる
5. 漬け込み時間は短縮できる?フォークで肉表面にまんべんなく穴をあけると漬け込み時間の短縮が可能
6. ブライン液に食材をつけっぱなしにしておいてもいい?大きな塊肉でも48時間以上漬けるのは避ける
7. ブライン液に食材をつけすぎるとどうなる?塩気が強くなったりパサついたりする
8. ブライン液に漬けた食材は水洗いする?基本的には水洗いせずに、キッチンペーパーで軽く拭き取る
9. ブライン液に漬けたお肉は冷凍してもいい?漬けたあとのお肉は冷凍可能。ブライン液に漬けた状態での冷凍も可能
10. ブライン液は再利用できる?食中毒のおそれがあるので、再利用しない
11. ブライン液とソミュール液の違いは?ブライン液の塩分濃度は低め、食材に水分を含ませてやわらかくするのが目的
ソミュール液は塩分濃度が高く、食材に下味をつけるのが目的
12. ブライン液のデメリットは?ブライン液の再利用ができない
手間と時間がかかる

鶏むね肉をブライン液につけて検証してみた!

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同じ鶏むね肉を3分割してひと口大に切り、ブライン液に漬け込まずに焼く直前にかるく塩をふったもの、ブライン液に2時間漬け込んだもの、24時間漬けたものを同時にフライパンで焼いて比較します。

断面の見た目はほぼ同じですが、食べてみると食感に大きな差が出ました。漬け込まずに焼いた鶏むね肉はパサつきを感じ、身がギュッと硬くしまっている食感です。塩味は表面にだけついているため、噛むほど味気なさを感じるものの、鶏むね肉本来の味が分かりやすいのが特徴。

2時間漬けた鶏むね肉は、ふっくら食感でやわらかく、パサつきを感じません。ほどよく肉らしい食感が残っているのが印象的です。中まで塩気が染みていておいしく食べられました。

24時間漬けた鶏むね肉は、しっとりジューシーでやわらかく、噛むとすぐにほぐれるような食感です。強い塩気はなく、2時間漬けたものと比べて少し塩辛いくらいで、肉汁の量もやや多い気がする程度の差でした。

ブライン液に漬ける時間は2時間と24時間で大きな違いが出ませんでしたが、ほぐれるようなやわらかさを求める場合は24時間漬けてもいいでしょう。

ブライン液を使うレシピ5選

1. しっとりやわらかい。鶏むね肉のソテー

鶏むね肉をブライン液に浸したあと、薄力粉をまぶして表面をコーティングし、蒸し焼きにしてしっとり火を通すレシピです。薄力粉をまぶすことで肉汁が流れ出るのを防ぎ、蒸し焼きにすることで中まできっちり火を通すことができます。甘めのバーベキューソースがよく絡むのも特徴です。

2. ざっくりジューシー!米粉唐揚げ

そのままでもしっとりやわらかい鶏もも肉ですが、より肉汁あふれるジューシーな唐揚げを作りたいときはブライン液の出番です。ブライン液に浸してから味付けすれば、じゅわっと肉汁が出てくるぜいたくな唐揚げが作れます。

3. ハーブとスパイスが香る。ポークソテー

パサつきやすい豚ロース肉も、ブライン液を使えばしっとりやわらかく調理できます。ブライン液の塩気がなじむため、調味料なしでそのまま焼いてもおいしいポークソテーに仕上がりますよ。焼く前に表面の水気をしっかり拭いておくのが、香ばしく焼くポイントです。

4. おいしさ格上げ。牛肉のステーキ

リーズナブルなステーキ肉をおいしく食べたいときも、ブライン液が活躍します。ほんのり塩気がついて牛肉の旨味が引き立ち、やわらかい食感のステーキが堪能できますよ。ステーキ肉の筋は焼くと硬くなるため、ブライン液に浸す前に切っておくのがコツです。

5. ふっくら絶妙食感。たらの塩レモン焼き

肉以外にもブライン液は有効です。さばを浸してから焼けば、ふっくらやわらかい焼きさばが作れます。さばは臭みがあるため、ブライン液にしょうがを加えて浸すのがポイント。さばの臭みが気にならなくなりますよ。買ってきたさばの身が乾燥していたり、痩せたりしている際にぜひお試しください。

ブライン液で料理のおいしさを格上げしましょう

ブライン液は身近な材料ですぐに作れ、食材のおいしさを引き出してくれるのが魅力です。漬け込み時間はかかりますが、格段においしい肉料理や魚料理が作れるので、ぜひブライン液を使用するレシピをお試しください。パーティーや記念日など、特別な日にもおすすめですよ。
※掲載情報は記事制作時点のもので、現在の情報と異なる場合があります。
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大満足のおいしさ。 定番料理にしたい。
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