ライター : motomoto

そうめんとひやむぎの違い

そうめんとは?

そうめんとは小麦粉が原材料の麺のひとつです。製法は、機械製法で作る乾麺類と、手作業で作る手延べ麺の2種類。JAS(日本農林規格)の規格では、そうめんの太さは直径1.3mm未満と定められています。

手作業で時間をかけて作る手延べ麺には、途中で表面が乾いてしまわないよう、油が含まれているものが多いです。そのおかげで風味が少し変わってきます。

そうめんの歴史

かつて石川県は、そうめんの産地として知られていました。産地であった奥能登の輪島市は、そうめん作りが室町時代から根づいており、有名な漆器の輪島塗り以上の長い歴史を誇ります。

江戸時代になると評判がより高まり、各地へ輸出されるようになりました。庶民が名産品として進物用に用いたり、有名銘柄が将軍への献上品にしたり。昭和時代に入ると産業としては衰退し、名産品は輪島塗りに代わったといいます。

富山県砺波市(となみし)大門地区で作られる大門そうめんは、江戸時代の後期に薬売りの行商を通して、能登から伝承されたようです。

ひやむぎとは?

ひやむぎとは、小麦粉が原材料の麺の一種です。JAS(日本農林規格)では、ひやむぎの麺の太さは直径1.3mm以上、1.7mm未満と定められています。そうめんより、ひやむぎの方が少し太さが太いということがわかりますね。

見分けがつきにくいことから、ひやむぎには色付きの麺を混ぜていたといわれています。ちなみに1.7mm以上の太さの麺が、うどんです。

ひやむぎの歴史

ひやむぎの起源は、室町時代に作られた切り麦といわれています。切り麦とは、うどんを細く切ったもの。季節により食べ方を変えていたようで、夏には冷やして食べる冷麦、冬には温かくして食べる熱麦として親しまれていました。

現在のひやむぎは、その切り麦からつながっているようです。ひやむぎはうどんの製法のひとつとして、細い切りうどんといわれています。江戸の蕎麦屋が発祥とも言われており、産地と歴史ははっきりとしていないようです。

半田そうめんは「ひやむぎ」ではない⁉

そうめんとひやむぎの違いのひとつに、麺の太さと解説しましたが、少し例外もあるようです。たとえば徳島県つるぎ町の半田地区で古くから作られている、手延べそうめんの代表である半田そうめん。太さとこしが特徴の半田そうめんですが、太さが1.7mm近くあるそうです。

それでも名前は、そうめんと名付けられています。手延べそうめんの場合は機械と比べて多少の誤差がでることを考慮し、1.7mm未満であれば、そうめんとひやむぎのどちらで呼んでもかまわないそうです。
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