ライター : kii

調理師 / 製菓衛生師 / 食育インストラクター / フードコーディネーター

オーストリア発「ザッハトルテ」とは

誕生の歴史と名前の由来

ザッハトルテとは、チョコレートスポンジケーキにアプリコットジャムをぬって、チョコレートでコーティングしたケーキです。オーストリアのウィーンの銘菓でもあります。 ザッハトルテの誕生は、次のふたつの説が有力とされています。 1. 1814から1815年に開催されたウィーン会議の際に、主催者メッテルニヒが、料理人フランツ・ザッハにウィーン会議のためのお菓子を作るように命じ、そこで提供されたお菓子を、ザッハの名前から「ザッハトルテ」と呼ばれるようになったという説。 2. 1832年にメッテルニヒが、特別な客人をもてなすためのお菓子を作るよう料理長に命じたが、料理長が病に伏せてしまっていたため、見習いだったフランツ・ザッハがかわりにお菓子を作りザッハトルテが生まれたという説。 どちらの説でも、メッテルニヒが料理人「フランツ・ザッハ」に命じて作られたケーキが、ザッハの名前から「ザッハトルテ」という名前になったという点は同じとされています。 フランツ・ザッハは、このザッハトルテを売り出して財をなしました。その後、ザッハの息子エドゥアルド・ザッハが、ホテル・ザッハを開業しましたが、経営難に陥ってしまいます。そこに手を差し伸べたのが、ウィーン王室も御用達としていたケーキ店「デメル」。デメルは、ザッハトルテをデメルでも販売してもよいということを条件に、経済援助をしました。 しかし、その後ホテル・ザッハは、ケーキ店デメルに対して、ザッハトルテの名称の使用を禁じることを求める裁判を起こします。この裁判は7年にも及んだことから「甘い7年戦争」とも呼ばれています。 この裁判では、ザッハ側の勝訴となりましたが、デメルも「デメルのザッハトルテ」として、ザッハトルテを販売してもよいとのことになりました。そのため今日では、「ホテル・ザッハのザッハトルテ」と、「デメルのザッハトルテ」の、2つのザッハトルテが存在しています。 ※諸説あります。

ほかのチョコレートケーキとの違い

ザッハトルテとの違いが分かりにくいケーキに、オペラとガトーショコラがあります。 オペラは、コーヒー風味のシロップをしみ込ませた薄い生地の間に、コーヒー風味のバタークリームとチョコレートクリームを交互に挟んだケーキのことです。 ガトーショコラは、チョコレートを生地に混ぜ込んだケーキのことで、ザッハトルテのようにジャムをぬったりチョコレートでコーティングしたりはしません。

ザッハトルテの基本レシピ

チョコレートスポンジケーキでアプリコットジャムをサンドし、チョコレートでコーティングして仕上げます。濃厚なチョコレートと、甘酸っぱいアプリコットジャムが絶妙にマッチして、やみつきになりそう♪ アプリコットジャムのフルーティーな香りも楽しめますよ。

ザッハトルテのアレンジレシピ5選

1. レンジ&HMで!簡単ザッハトルテ風ケーキ

ホットケーキミックスを使うので、材料を混ぜ合わせるだけで簡単にケーキ生地が作れます。材料も少ないですし、粉をふるう手間もありません。しかも、オーブンを使わずに、レンジで加熱できますよ。これなら、食べたいときにパパっと作れますね。

2. ホットケーキミックスでザッハトルテ

チョコレートスポンジケーキは、ホットケーキミックスを使って簡単に作れます。アプリコットジャムをぬったり、チョコレートでコーティングしたりするので、手軽に作れるけど味は本格的!ハートの形もかわいらしくて、プレゼントにもぴったりですね。

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