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甘口醤油ってどんな醤油?
JAS規格(日本農林規格)により定められている醤油は「濃口醤油・淡口醤油・溜醤油・再仕込醤油・白醤油」の全部で5種類。このなかで流通の8割を占める濃口醤油に「甘口醤油」は含まれます。
甘口醤油は濃口醤油の風味を活かしながら、塩分を抑えて旨味と甘味を増したマイルドな口当たりの醤油です。主に九州地方に根付いており、北陸や東北地方でも好まれていますよ。(※1,2,3)
甘口醤油は濃口醤油の風味を活かしながら、塩分を抑えて旨味と甘味を増したマイルドな口当たりの醤油です。主に九州地方に根付いており、北陸や東北地方でも好まれていますよ。(※1,2,3)
九州の醤油が甘い理由
甘口醤油が甘い理由には諸説あり、歴史的な要因から気温や土地柄の関係まで、さまざまな説がとかれています。以下で、そのなかでも主なものを見ていきましょう。
砂糖が手に入りやすかった
長崎の出島を通したオランダとの貿易により、砂糖の大量輸入があったこと、また琉球(沖縄)や奄美大島など砂糖の産地が近いことが要因のひとつとしてあるようです。
琉球が作りはじめた砂糖は莫大な利益を上げ、幕府が砂糖の国産化を奨励して、日本西南部の温暖な地域において作られるようになったのだとか。その関係から、九州地方では砂糖が手に入りやすかったとされています。
琉球が作りはじめた砂糖は莫大な利益を上げ、幕府が砂糖の国産化を奨励して、日本西南部の温暖な地域において作られるようになったのだとか。その関係から、九州地方では砂糖が手に入りやすかったとされています。
気温の関係
甘口醤油は東北地方や北陸地方などでも好まれますが、九州など南に行くほど甘さが増していく傾向があります。
「気温が高ければ高いほど、人間は生理的に甘いものを欲する」のが要因とする説があります。実際に甘口醤油は、九州地方のなかでも南に行けば行くほど甘味が強くなる傾向があるんですよ。
「気温が高ければ高いほど、人間は生理的に甘いものを欲する」のが要因とする説があります。実際に甘口醤油は、九州地方のなかでも南に行けば行くほど甘味が強くなる傾向があるんですよ。
土地柄の関係
もうひとつの説は、その土地柄によるもの。九州醤油は海に近い地域ほど甘さが強い傾向があります。同じ九州でも南に行くほどに甘さが増していくのは、新鮮な魚が食べられることが要因であるという説があるんです。
魚は熟成することで旨味が増してやわらかくなるといわれますが、新鮮すぎる魚はまだ身が固く旨味も少ないのだとか。そのため、醤油で甘味・旨味を補うようになったとされています。
魚は熟成することで旨味が増してやわらかくなるといわれますが、新鮮すぎる魚はまだ身が固く旨味も少ないのだとか。そのため、醤油で甘味・旨味を補うようになったとされています。
甘口醤油の甘味料って?
現代の甘口醤油は、甘味料を添加することで甘味がつけられています。この甘味料には、甘草・ステビア・サッカリンなどが用いられることが多いです。無添加志向が強まる最近では、甘味料を使わずに特別な製法によって作る“無添加の甘口醤油”も登場してきていますよ。
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