ライター : 稲吉永恵

野菜ソムリエ / ローフードマイスター / オーガニックコンシェルジュ

そもそもわらびってなに?

わらびとは全国に自生しているシダ植物の仲間で、山菜として親しまれています。山菜として食用にされているのは若芽で、ワラビの根に多く含まれている澱粉からはわらび餅の元となるわらび粉が作られるのですよ。山菜よりもわらび餅の方が身近に感じる方が多いかもしれないですね。

わらびは全国で採れるため、地方により時期に開きがありますが、3月中旬頃に九州で旬を迎え、東北など北の地方では6月頃に食べごろを迎えます。草原、谷地、原野などの日当たりのよいところに群生するのもわらびの特徴のひとつですね。山奥に入らなくてもちょっとした山や野で沢山採ることができる身近な山菜なのですよ。

保存する前に必要!わらびのアク抜き方法

Photo by 稲吉永恵

生わらびはアクが強く、アク抜きしないと苦味やえぐみが強く、食べられません。また、わらびには化学物質が含まれるため、きちんとアク抜きをしないと中毒をおこすおそれがあります。しっかりアク抜きをしてから調理しましょう。

わらびのアク抜方法はいくつかありますが、基本的なものは重曹を使う方法。わらびに重曹をふりかけ、沸騰させ粗熱をとったお湯を回しかけます。そのままひと晩おけばOK。沸騰したお湯をかけたり、重曹の量が多過ぎたりすると、わらびの穂先が溶けるおそれがあるため、温度や分量に注意してくださいね。

わらびの冷蔵保存方法(保存期間:1週間)

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わらびをアク抜きし、すぐに調理する場合は冷蔵保存します。使いやすい長さにカットしたら水と一緒に保存容器に入れ、蓋をして冷蔵庫へ入れましょう。約1週間保存可能。ただ、わらびは傷みやすいため、できるだけ早く使うのがおすすめです。わらびを浸した水は、毎日取り替えてください。

わらびを使うときは、サッと水で洗ってから使います。おひたしや和え物、煮物、炒め物など何に使ってもGOOD。わらび特有の食感を楽しめます。パスタの具材にしたり炊き込みごはんに入れたりしてもよいですね。

わらびの冷凍保存方法(保存期間:2〜3ヶ月)

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わらびを長期保存したいなら、冷凍保存しましょう。アク抜きしたわらびを使いやすい長さにカットし、キッチンペーパーでしっかり水気を拭き取ります。冷凍用ジッパー付き保存袋に入れて密封し、冷凍庫へ入れましょう。2~3ヶ月ほど保存可能です。

使うときは、解凍せずに凍ったまま加熱調理します。冷凍するとわらびの食感がやわらかくなるため、煮物や炒め物、炊き込みごはんなど食感が気にならない調理法で味わうのがおすすめですよ。

わらびの長期保存方法は?

ここからはわらびを長く保存する3つの方法をご紹介します。さまざまな方法があるので、ご自身にあった方法で試してくださいね。

わらびの塩漬け(保存期間:1年以上)

わらびは、塩漬けすれば1年以上保存が可能です。長期間塩漬けすることでアクが抜けるのでアク抜きせずにおこなえるのがメリット。保存方法は、ジッパー付き保存袋や保存容器に、わらびと塩を重ねて入れます。たっぷりの塩を振り生のわらびを置いてからさらにたっぷりの塩を満遍なく振るのがポイントです。

一番上にしっかりと塩を振ったら空気を抜いて口を閉じ、重石をのせます。1日経って水分が出てきたら、重石を半分の重さのものに取り換えましょう。夏場は、塩漬けの水分が茶色くなることがあります。水を捨てて、再度塩漬けをおこなうとよいですよ。

塩漬けしたわらびを食べるときは塩抜きが必要。鍋にわらびを入れて多めお湯でゆで、冷めるまで放置します。塩気がなくなるまで何度か水を替えればOK。炒め物や煮物にするとおいしいですよ。

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