古代の藻塩焼きをもとにした藻塩の作り方

海藻は、葉に気泡がついた様子が玉のように見えることから、昔から玉藻と呼ばれていたホンダワラを使用。その海藻を海水が入った容器に浸し、引き揚げて乾燥させ、また浸すを2~3日繰り返して、高塩分濃度のかん水を作ります。それを土器釜で煮詰めて、底にできあがった結晶が藻塩です。

メーカーによって使用する海藻や海水、製法が異なりますが、食塩のように白色ではなく、淡いベージュ色なのが一番の特徴。

塩分濃度は食塩の99%以上に対して、藻塩のほうは94%前後です。カルシウムやカリウム、マグネシウムなどのミネラルは、食塩の数倍も高いため、まろやかで旨味のある味わい。ほかの調味料を加えなくても、藻塩だけでもおいしいと定評があります。

おすすめの藻塩の使い方

藻塩は、食塩のように角が立った塩辛さではなく、マイルドな味と旨味を持つ調味料として人気があります。塩おにぎりはもちろん、寿司の酢飯に入れると風味の良い仕上がりに。ステーキ、焼肉につける岩塩の代わりや、白身魚の刺身に藻塩をつけてもおいしいですよ。

ただしスイーツの甘さを際立たせるために入れる場合は、注意が必要。独特の風味が、デリケートな甘さを邪魔するかもしれません。はっきりと塩味を楽しむスイーツならOKです。

【主菜&主食】藻塩で作るレシピ3選

1. 藻塩がよく合う。水だこのすだち塩カルパッチョ

すだちのさわやかな香りと酸味、藻塩の旨味が際立つ、水だこのカルパッチョです。ドレッシングをかけたら、冷蔵庫で少しなじませておくのがポイント。加える藻塩は少量ながら、独特の風味が水だこのおいしさを引き立ててくれます。

2. ほのかな海藻風味がおいしい。鶏もも肉の唐揚げ

藻塩は鶏の唐揚げにもよく合います。酒としょうがすりおろしも加えて、鶏もも肉にもみ込むだけのシンプルな味付け。下味によくにんにくすりおろしを入れますが、藻塩を使う場合は、風味が飛んでしまうので避けるほうが無難です。

3. 香り高い大人の味わい。せり入りの藻塩おにぎり

おにぎりを作るとき、食塩に代えて藻塩を使ってみてください。いつもとひと味も、ふた味も違うおいしさに、きっとびっくりするはずです。レシピでは独特の香りとほのかな苦味、色鮮やかなせりを加えて、大人の味わいに仕上げています。

【副菜&漬物】藻塩で作るレシピ3選

4. おつまみにピッタリ!藻塩をかけた炒めぎんなん

いちょうの種子であるぎんなんは、熟れた実が落ちる秋が旬。殻の中の核を食用とします。いろんな料理に利用しますが、そのまま藻塩をつけておつまみにしても美味。レシピでは殻を割って調理しますが、殻のまま炒っても良いですよ。

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