ライター : 菅 智香

育児料理アドバイザー

用途がポイント!片栗粉の代用方法まとめ

Photo by taki

片栗粉は主に「とろみ付け」「衣」「生地のつなぎ」として使うことが多い食材です。

片栗粉がないときのおすすめの代替食材は「何に使うか」によって大きく変わってきますよ。片栗粉を使用する目的に合わせて、ほかの食材で上手に片栗粉の代用をしましょう。
用途代用食材おすすめ度
とろみづけの場合コーンスターチ★★★
とろみ長持ち
米粉★★★
仕上がりが自然
葛粉(くずこ)★★☆
高価で白くなる
小麦粉(薄力粉)★☆☆
粘度が弱い
ねばりのある食材★☆☆
食材によって
粘土が変動
衣の場合コーンスターチ★★★
再現性が高い
米粉★★☆
焦げやすい
小麦粉(薄力粉)★★☆
冷めるとしんなり
つなぎの場合パン粉★★★
ふんわり仕上がる
米粉★★☆
成形しやすい
小麦粉(薄力粉)★☆☆
食感が固くなる

料理の「とろみ付け」に使う場合の代用食材5つ

コーンスターチ

コーンスターチは片栗粉の代用品として、とろみ付けに優秀です。水で溶いて加えるだけで、しっかりとしたとろみがつきます。
特長しっかりとしたとろみがつく
代用方法水で溶かしてから具材と合わせる
注意点料理の仕上がりが白っぽくなる
代用に向いている料理スープや汁物のとろみ付け
仕上がりがやや白っぽくなる点に注意が必要ですが、スープや汁物などに向いており、家庭に常備されていることも多く、使いやすい代用素材です。

米粉

米粉は水で溶いてから具材に加えることで、しっかりとしたとろみがつきます。
特長冷めてもとろみが持続する
代用方法水で溶かしてから具材と合わせる
注意点料理の仕上がりが白っぽくなる
代用に向いている料理スープや汁物のとろみ付け
冷めてもとろみが持続するのが特徴ですが、加熱後に料理がやや白っぽく仕上がる点に注意が必要です。

スープや汁物など、なめらかな口当たりを求める料理で、片栗粉の代用として活躍します。

葛粉

葛粉は、冷めると固まりやすいのが特徴で、とろみをしっかりと付けたい料理に適しています。
特長冷めると固まりやすくなる
代用方法水で溶かしてから具材と合わせる
注意点かなり高価
代用に向いている料理和風だしのあんかけ
水で溶かしてから加熱するのが基本で、上品なとろみが出るため、和風だしのあんかけなどにぴったりですよ。

しかし、価格が高めで一般のご家庭では常備している方も少ないため、実用的ではない可能性があります。

小麦粉(薄力粉)

小麦粉(薄力粉)は片栗粉よりも粘度が弱く、軽めのとろみを付けたいときに便利です。
特長片栗粉よりも粘度が弱い
代用方法具材に絡めて、水分を加える
注意点軽くとろみが付く程度
代用に向いている料理スープやカレー
具材に直接まぶしてから水分を加えて使う方法が一般的で、煮込むことで自然にとろみがつきます。

スープやカレーなどのとろみ付けに適していますが、片栗粉ほどの強いとろみは期待できません

ねばりのある食材

長芋やオクラなどのねばりのある食材は、自然な粘度を活かして片栗粉の代用が可能です。
特長食材により粘度が変わる
代用方法料理に具材としてプラスする
注意点使う食材によって色味が変わる
代用に向いている料理スープ
料理に具材として加えることで、とろみをプラスできます。

スープに使うと、やさしい口当たりに仕上がりますが、粘度や色味は食材により変わるため、仕上がりを見ながら調整するのがおすすめです。

「とろみ付け」を代用食材で実際に調理してみた結果…

米粉、コーンスターチ、葛粉、小麦粉(薄力粉)、ねばりのある食材の5つで、かきたま汁を作りました。それぞれ、粘度や見た目、再現性の軸で評価します。

Photo by 菅 智香

米粉・コーンスターチ・葛粉
上記の3つは、いずれも仕上がりに大きな違いはなく、安定したとろみがつけられます。なかでも葛粉は、白っぽさが出にくく、透明感のある仕上がりになります。

小麦粉(薄力粉)
他の代用品と比べてとろみが弱く、やや控えめな仕上がりになります。

ねばりのある食材
最も粘度が高くとろみがしっかり出ます。ただし、使用する食材の種類や量によって粘度にばらつきが出やすい結果になる可能性があります。安定性に欠ける面もあるため、代用としての再現性に欠ける印象です。
※再現性の観点ではねばりのある食材は不安定な傾向がある

再現性と扱いやすさを重視する場合は「米粉」「コーンスターチ」「葛粉」がおすすめです。料理の仕上がりや見た目、使いやすさに応じて使い分けうまく代用してみましょう。

揚げ物の「衣」に使う場合の代用食材3つ

コーンスターチ

コーンスターチは片栗粉と似た使い方ができ、衣が薄くついて油切れがよいのが特徴。唐揚げに使えばサクッと軽い食感に仕上がります。
特長衣が薄くつき、油切れがよい
代用方法食材に直接付ける
注意点片栗粉と同じように使える
代用に向いている料理唐揚げ
クセがなく、食材の味を引き立ててくれるのも魅力のひとつ。焦げにくく、揚げ色もきれいなので、見た目を重視したい料理にもおすすめの代用食材です。

米粉

Photo by macaroni

米粉は油を吸いにくく、揚げると軽やかでカリッとしたクリスピーな食感に仕上がるのが特徴です。唐揚げの衣として使えば、サクッと軽やかな口当たりになります。
特長軽くてクリスピーな食感
代用方法食材に直接付ける
注意点焦げやすい
代用に向いている料理唐揚げ
一方で米粉は焦げやすいため、加熱時間や火加減には注意が必要です。グルテンフリーなので、小麦粉を避けたい方にもおすすめできる食材ですよ。

小麦粉

衣として使う場合、小麦粉(薄力粉)はやわらかく軽い仕上がりになります。
特長衣がやわらかい
代用方法食材に直接付ける
注意点グルテンの量が少ない薄力粉を使う
代用に向いている料理唐揚げ、竜田揚げ
グルテンが少ないため、サクサクというよりもしっとりとした食感に。唐揚げや竜田揚げなど、油を吸いすぎず口当たりがやさしい揚げ物に向いていますよ。

直接食材にまぶして使える手軽さもポイントです。

「衣」を代用食材で実際に調理してみた結果…

小麦粉(薄力粉)、米粉、コーンスターチのある食材の3つで、唐揚げを作りました。

Photo by 菅 智香

小麦粉(薄力粉)
揚げたてはサクサク。ただし、冷めるとしっとりしてくる印象。

米粉
油を吸いにくく、軽くカラッとした仕上がり。時間が経っても食感が比較的キープされやすかった。

コーンスターチ
片栗粉にもっとも近い食感。サクッと揚がり、油切れもよく軽やか。

結果として、どれも代用可能でおいしく仕上がりました。

「片栗粉の再現性」を求めるならコーンスターチがおすすめ。軽さ重視なら米粉しっとり感が欲しいなら小麦粉(薄力粉)が向いています。

生地の「つなぎ」に使う場合の代用食材3つ

パン粉

パン粉は、つなぎとして使うことで料理にふっくらとした食感を加えることができます。
特長ふっくらとした食感になる
代用方法水分のあるものと合わせてふやかす
注意点捏ねる段階で加える
代用に向いている料理ハンバーグや肉団子
とくにハンバーグや肉団子など、ジューシーさとやわらかさを引き出したい料理にぴったりの代用品です。

米粉

米粉はつなぎとして使うと、ふっくらとした仕上がりになり、肉のうまみを閉じ込めやすくなります。
特長ふっくらとした食感になる
代用方法成形したタネの表面にまぶす
注意点タネに混ぜ込むこともできる
代用に向いている料理ハンバーグ、つくね
水分を適度に吸いながらもまとまりやすく、焼いたときに崩れにくいのが特徴。ハンバーグやつくねなど、しっかり成形して焼き上げる料理に向いています。

グルテンフリーなのもうれしいポイントですね。

小麦粉(薄力粉)

薄力粉はつなぎとして使うと、具材同士がしっかりまとまりやすくなります。
特長しっかりとまとまる
代用方法片栗粉よりも少なめの分量を加える
注意点あまり混ぜすぎない
代用に向いている料理ハンバーグやつみれ
片栗粉よりも少なめの量で十分な効果があり、入れすぎや混ぜすぎは食感を固くする原因になるため注意が必要です。

ハンバーグやつみれなど、米粉同様に形をしっかり保ちたい料理に向いています。

「つなぎ」を代用食材で実際に調理してみた結果…

薄力粉、パン粉、米粉のある食材の3つで、ハンバーグを作りました。

Photo by 菅 智香

小麦粉(薄力粉)
やや固く仕上がり、ジューシーさに欠けた。

パン粉、米粉
ふんわりジューシーな食感に。特に米粉は表面にまぶすことで、外側がカリッと香ばしくなった。

結果、つなぎとしてのおすすめはパン粉と米粉ということがわかりました。

片栗粉は用途に合わせて代用しよう!

片栗粉には大きく3つの働きがあります。「とろみ付け」「衣」「生地のつなぎ」のどの用途で使いたいかによって、代用品を決めましょう。

代用品のそれぞれの特徴を把握しておくと、片栗粉を切らしていたというときに迷うことがありません。ぜひ参考にしてくださいね。
※掲載情報は記事制作時点のもので、現在の情報と異なる場合があります。

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