煮付け

オジサンを含めたヒメジ科の魚は、基本的に煮付けにすることが多いです。甘めのしょうゆダレが染みこんだ、クセのない白身の旨味とコクがたまりません。

レシピについては金目鯛など、ほかの魚の煮付けのものを参考にするとよいでしょう。レシピどおりに調味液を配合して、オジサンで作ると、さらに味わい深い絶品の煮魚に仕上がります。

フライ

子どもと一緒にオジサンを食べる場合は、フライにするという手もあります。オジサンを3枚におろしてから適当なサイズに切り、下味・衣に付けてこんがりと揚げましょう。

皮の周囲にある特有の甘味がおいしく、身はふっくらとしていて旨味も堪能でき、食べごたえ抜群です。食べ盛りのお子さんでもおいしく味わえますよ。

ポワレ

魚の切り身をオリーブオイルで、外はパリッと、中はふんわり仕上げるポワレ。じつはフレンチの代表的な魚料理であるポワレには、皮が厚くて風味のよいヒメジ科の魚が重宝されます。

オジサンは日本の高級フレンチ店がこぞって買い求めるともいわれています。オジサンが手に入ったら、ぜひおうちでも作ってみたい料理です。

なんと!「オバサン」もいます

※画像はイメージです
オジサンという魚がいれば、オバサンと呼ばれる魚がいるというから、海の世界はおもしろいですね。

オバサンと呼ばれる魚の正体は「ヨシキリザメ」!もっとも漁獲量が多いサメのひとつで、鮮魚として出回ることはほとんどありませんが加工品としての需要は高いんですよ。

「オバサン」は通称名で全国的な名称ではなく、千葉県だけで通用する呼び名とされます。ネーミングの由来は不明ですが、見た目が「なんとなくオバサンに似ている」ことから漁師がつけたという説が有力です。

「ババちゃん」もいますよ!

オジサンやオバサンがいれば、「ババちゃん」がいるのも不思議ではありません。ババちゃんの正式名称は「タナガゲンゲ」という深海魚で、日本海のズワイガニ漁で網によく混じる魚です。顔が老婆に似ていることから、漁師がババアと呼んでいました。

見た目に反しておいしい魚で、鳥取県岩美町ではこれを名物の鍋料理にすることに。ババアでは言葉が乱暴なため、メニュー名をババちゃんにしたのがはじまりです。

一度は食べてみたい「オジサン」

オジサンをはじめ、オバサンやババちゃんという呼び方は、それぞれの見た目からつけられた名前。そのなかでも、オジサンだけは正式な標準和名だというからびっくりですね。

漁獲量が年々少なくなり、いまや高級魚となったオジサンを、スーパーで見かけることはほとんどありません。もし店頭で見かけて、手が届きそうな値段ならぜひ買い求めてみてください。その味わいとおいしさにきっと納得するはずですよ。
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