ライター : ☆ゴン

タイ米(インディカ米)とは?

タイ米とはタイで栽培される米の総称で、そのほとんどがインディカ米と呼ばれる長粒種です。それに対して、日本で栽培している米の大半が、ジャポニカ米と呼ばれる短粒種。日本では昔からジャポニカ米を食べていましたが、じつは世界では少数派です。

世界で栽培している米の80%以上がインディカ米とされ、いろんな地域や国々で生産しています。中国からタイ、ベトナム、インド、マレーシア、フィリピン、アメリカまで、広大な地域で収穫されるメジャーな米なのです。

タイはかつて米の輸出量世界一でしたが、いまは違います。農林水産省の2021~22年度統計では、輸出量の1位はインド、タイが2位、ベトナムが3位。ちなみに生産量は中国が1位、インドが2位、3位にバングラデシュが続きます。(※1)

ジャポニカ米となにがどう違う

世界の米は大きく分けて3種類あります。日本のジャポニカ米は日本と朝鮮半島、中国やヨーロッパ、アメリカ、オーストラリアの一部で栽培。粒がずんぐりして短く、炊くと粘りとつやが出て、甘味があるのが特徴です。

あまり知られていませんが、アメリカやブラジル、イタリア、スペイン、アフリカでは、ジャバニカ種という米を栽培。幅広で大粒、粘りがありながらさっぱりしています。インディカ米の生産地はすでに紹介したとおりです。

細くて長いインディカ米は炊くと粘りが少なく、パラリとした食感と香りが良いのが特徴。1993年、冷夏によって日本が米不足に陥ったとき、タイから緊急輸入された米がおいしくないと不評を買いました。これは炊き方が間違っていために起きた、残念な出来事です。

日本米とタイ米のカロリーの違い

日本米とタイ米のカロリーを比較してみましょう。文部科学省の食品データベースによると、精白したうるち米は100gあたり342kcal。一方の精白したタイ米(インディカ米)は347kcalです。タイ米のほうがわずかにカロリーが高いものの、とくに大きな差異は見られません。(※2,3)

タイ米をおいしく炊飯する方法

日本米とタイ米は、米に含まれるアミロースというでんぷんの性質によって、炊きあがりが異なります。日本米はアミロースの含有量が少ないので、もっちりした食感に。タイ米はアミロースが多いため、パラリとした食感になるのです。

古くからジャポニカ米を食べてきた日本人にとっては、もっちりと粘りのある米こそが、おいしいごはんと習慣づけられています。つまり日本とインディカ米を食べる国とでは、食文化が違うのです。また昔からある炊飯器も短粒米用で、長粒米には向きません。

そのため米不足のときに、炊飯器で炊いたタイ米がおいしくない、という不幸な結果になってしまったのです。

タイ米を炊くときは「湯取り法」で

タイをはじめとした東南アジアやインドでは、湯取り法という炊き方をするのが一般的です。たっぷりのお湯を沸かした鍋に、乾燥した米を洗わずそのまま入れて、7~8分ゆでます。ざるに揚げてお湯を捨て、鍋に戻して弱火で蒸らすように炊けば完成です。

米表面の水分が飛んで、底はおこげができる状態。これによって、タイ米らしいパラパラの香り高いごはんができるのです。続いては、そんなタイ米で作るエスニック料理のおすすめレシピを紹介します。

タイ米を使うおすすめレシピ5選

1. カオマンガイ

カオマンガイとは、中国海南省の海南鶏飯をルーツとする、炊き込みごはんのようなタイ風チキンライス。レシピでは炊飯器でまとめて炊きあげます。スープで炊くので、炊飯器でも上手にできるはずです。

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