ホワイトチョコレートのみ配合を調整して再挑戦

Photo by Uli

生クリームの量を減らし、ホワイトチョコ200gと生クリーム70ccを混ぜて作り直してみたところ、2時間後に固まりました。作り方の工程は同様で、作業のしやすさはミルクチョコレートと同じくらいです。

ダークチョコレートやミルクチョコレートに比べると、圧倒的にやわらかいのが特徴。包丁を引き抜くときに生チョコの表面を手で押さえると、手の跡がついてしまいました。触りすぎずに手早く作業すればきれいに切れますが、室温や体温が高いとすぐに溶けて形が崩れそうです。

味わいの比較

Photo by Uli

ダークチョコレート(左)/ミルクチョコレート(真ん中)/ホワイトチョコレート(右)

見た目

ダークチョコレートがもっとも角が出てきれいな形です。ミルクチョコレートとホワイトチョコレートは、切ってココアパウダーや粉砂糖をまぶす工程で、角が丸みをおびて形も少しいびつになってしまいました。

温めた包丁で切ったところ、3種類ともきれいな断面になりましたが、包丁を温めずに切ると、ダークチョコレートは断面がガタガタになります。

味と食感

3種類とも同じくらいなめらかな食感です。ダークチョコレートはとても濃いカカオの香りと、絶妙な苦味、控えめな甘味を味わえます。口に含んでしばらくすると、とてもゆっくり溶けていきました。

ミルクチョコレートはカカオの香りと苦味がほどよく、濃い甘味と乳製品特有のキャラメルのようなコクがあと引きます。口に含むとダークチョコレートよりはやく、じんわり溶けていきました。

ホワイトチョコレートはカカオの香りや苦味がなく、贅沢な甘味とまろやかさが広がります。口に入れるとすぐに溶けていくやわらかな食感で、あっという間に溶けていきました。

違いがでるのはなぜ?

仕上がりの違いには、カカオマスの割合や乳成分や関係していることが分かりました。カカオマスの割合が多いほどしっかり固まり、少ないほど固まりにくくなります。また、乳成分が入っているとキャラメルのような、ねっとり粘度のある食感になるようです。

カカオマスを含まないホワイトチョコレートで作る場合は、カカオマスを含むチョコレートと同じレシピで作るのはむずかしいでしょう。生クリームの量を減らすことで固めることができますが、それでも圧倒的にやわらかい食感です。

ホワイトチョコレートが作業中に溶けやすく、口溶けが良い理由は主原料であるココアバターが大きく関係しています。ココアバターとは、カカオ豆に含まれる脂肪分を取り出したものです。成分のほとんどが脂肪分で、融点は33~34℃付近と体温よりも低いため、口に含むとすぐに溶けていきます。

一方、カカオマスはカカオニブを潰して作られるペーストで、食物繊維が10%以上含まれていて、ココアバターほど溶けやすくありません。カカオマスの割合が高いダークチョコレートの口溶けがあまり良くないのはカカオマスの特徴によるものです。

固まりやすいカカオマスと、溶けやすいココアバター、ねっとり食感を出す乳製品など、原材料の特徴によって生チョコの仕上がりに違いがでます。

検証結果まとめ

チョコレートの種類見た目甘味苦味カカオの香りやわらかさ口溶け
ダークチョコレート☆☆☆☆☆☆☆☆☆
ミルクチョコレート☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
ホワイトチョコレート☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

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