ライター : 渡辺 りほ

管理栄養士

小松菜とほうれん草の見分け方

Photo by macaroni

小松菜とほうれん草を見分けるには、葉と茎、根元をチェックするとわかりやすいですよ。詳しく解説していきます。

小松菜の特徴

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小松菜の葉は、丸みのある縦長の楕円形で、切れ込みがありません。ほうれん草の葉よりも丸く、大きめで肉厚です。

そして、大ぶりで太さのあるしっかりとした茎や株が特徴。茎はシャキッと伸び、張りがあります。根元を見ると、ほうれん草と比べて茎がぎゅっと集まっていますよ。

色合いは葉の部分が濃い緑色で、根元は薄い緑色です。

ほうれん草の特徴

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ほうれん草にはいくつか品種があり、それぞれ多少形が異なります。

東洋種は、葉に切れ込みが入り縁がギザギザとしているのが特徴。西洋種の葉は、小松菜のように丸みがあります。現在日本で主流なのは、東洋種と西洋種を掛け合わせた雑種で、小松菜と比べると葉の先が尖り気味で三角形に近い形ですよ。

葉肉は薄くやわらかめです。茎は細くしなやかで、根元が赤いのがポイント。品種によって根元が濃い赤のものとうっすら色付いているものとあります。葉の部分は小松菜同様濃い緑色ですよ。

小松菜とほうれん草の大きな違いとは?

小松菜とほうれん草の味わいの大きな違いは食感。

小松菜は、茎がシャキシャキとしていてみずみずしいのが特徴です。アクがないため、生でも食べられますよ。小松菜に感じられる青臭さは、加熱することで消え、甘味が出ます。

一方でほうれん草は、アクがありえぐみが感じられます。小松菜と違い、食べるときは下ゆでして水にさらすことが必須ですよ。食感はやわらかめ。ゆでると、ほうれん草特有の旨味やコク、味わいが出ます。

小松菜とほうれん草の違いは「シュウ酸」が含まれているか

小松菜と比べて、ほうれん草はアク(シュウ酸)が多いです。シュウ酸はカルシウムと結びつく性質があり、カルシウムの吸収率を低下させます。また、摂り過ぎると結石の原因となるおそれが。

シュウ酸は水に溶ける性質があるため、ほうれん草をゆでてアク抜きをすれば問題ありません。しかし、アク抜きの際にビタミンCやカリウムなどの水に溶けやすい栄養素が失われます。

一方、アクが少ない小松菜は生食できるため、水溶性の栄養素を効率よく摂れますよ。(※1,2,3)

小松菜とほうれん草の栄養の違い

成分名小松菜ほうれん草
β-カロテン3,100µg4,200µg
鉄分2.8mg2.0mg
カルシウム170mg49mg
カリウム500mg690mg
ビタミンC39mg35mg
食物繊維(総量)1.9g2.8g
(※4)
小松菜とほうれん草の栄養価に違いはあるのでしょうか。100gあたりで比較すると、小松菜に豊富な栄養素は鉄やカルシウム、ビタミンC。とくに差が大きいのはカルシウムで、小松菜のカルシウム量はほうれん草の約3.5倍です。一方、ほうれん草にはβ-カロテン、カリウム、食物繊維が小松菜より多く含まれています。

なお、小松菜とほうれん草ではカロリーや糖質量に大きな差はありません。摂りたい栄養素に応じて、小松菜とほうれん草を使い分けてくださいね。(※4)
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