ライター : akiharahetta(有竹亜季)

フードコーディネーター / 野菜ソムリエ/料理人

海老芋とは?

Photo by akiharahetta

「海老芋」は、里芋の一種。海老に似た形をしていることから、その名が付いたといわれています。湾曲した形、表面の縞模様、たしかに海老に似ていますね。丸い里芋とは見た目が違います。

ちなみに上記の画像は、大小の海老芋のようにみえますが、実は種類の違う里芋。向かって右手が海老芋で、左手は京芋といいます。この2種類は同じとする説もありますが、正確には別なのだそう。

決定的な違いは食感とのことなので、その辺りも含めて調理してみます!

海老芋のおすすめの食べ方

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海老芋の収穫期は10月上旬~11月中旬。出回るのは11月上旬~12月下旬です。京都を中心に近畿地方で親しまれていることもあり、おすすめの食べ方はしっかりだしを効かせた煮物です。薄口醤油を使うとより綺麗に仕上がります。

また。揚げ物もおすすめ。薄味をつけて煮た海老芋を一度冷まし、片栗粉をまぶして油で揚げます。煮物が余ったときのリメイクとしても活用できるでしょう。

煮崩れなし!だしが染み込んだ「海老芋の煮物」

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調理時間 40
では実際に海老芋を調理していきましょう。だしがしっかり染みたほっくりおいしい煮物を作ります。海老芋は煮崩れしにくいのが特徴の里芋。むずかしいテクニックを使わずに美しく煮ることができますよ。

ワンポイントアドバイス

  1. とはいえ、おいしくするにはポイントがあります。それは、下ゆでをしてアクを抜くこと。米のとぎ汁でゆでるといいですよ。ない場合は、お米を一緒にゆでましょう。

材料(3〜4人分)

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※米のとぎ汁がない場合の作り方です。あればとぎ汁を使用してください。

作り方

1.皮をむく

海老芋と剝いた皮

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まずは海老芋を水洗いし、皮をむきます。面取りはしてもしなくてもOK。ぬるぬるして手が滑りやすいので、充分注意してください。心配な人は、軍手や滑り止めの凹凸がついたゴム手袋を使うといいですよ。

2.下ゆでをする

海老芋を下ゆでしている様子

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鍋に海老芋を入れ、芋がかぶるくらいの量の水を加えます。米をティーバッグに入れ、一緒に火にかけましょう。沸騰するまでは中火。その後は弱火で10~15分ほど、海老芋がやわらかくなるまでゆでます。

3.水洗いする

ボウルに入った里芋に水道水を注いでいるところ

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2をボウルにあけ、水洗いします。やさしくかつしっかりアクを洗い流してください。洗い終えたら水切りしておきます。 きちんと下処理をしておくことで、おいしい煮物になりますので、少し手間ですががんばりましょう。

4.だしで3分煮る

鍋に入った海老芋にみりんを加え煮ているところ

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3を煮込み用の鍋に入れ、だし・酒・砂糖を加えて中火にかけます。沸騰したら弱火にし、3分間煮てください。蓋をする必要はありませんよ。

5.醤油を加えてゆっくり煮る

海老芋に醤油を加えて煮物を作っている様子

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次に、醤油とみりんを加え、15分間弱火でコトコト煮ます。落とし蓋をしてもいいでしょう。海老芋は煮崩れてしにくいですが、あまり火を強くするのはよくありません。弱火でやさしく煮てください。

6.一度冷まして完成

ストウブ鍋で海老芋を煮ている様子

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15分ほど煮たら火を止め、冷まして完成です。時間をかけてゆっくり冷ますと、味が染み込んだおいしい煮物になりますよ。蓋をすると冷めるスピードが遅くなり、より味が染み込みやすくなります。 よくだしの染みた海老芋の煮物をお楽しみくださいね。

京芋の仕上がりは?

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同じ手順で煮た京芋です。少し煮崩れているのがわかりますよね。京芋は海老芋に比べ肉質がやわらかく、煮込むと型崩れしやすいんです。また、甘みも海老芋より少ないため、味わいも異なります。

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