ライター : 林まどか

管理栄養士/WEBライター

ツナ缶ダイエットは食べるだけで痩せるわけではない

ダイエットの成功には、バランスの取れた食生活と適度な運動が大切です。まずは日常生活を見直し、規則正しい生活を送るようにしましょう。急激な減量は避け、焦らずゆっくりとダイエットを続けていくのがコツです。

また特定の食品だけを食べるダイエットは、リバウンドしやすいだけでなく、必要な栄養量が不足し健康を害するおそれがあります。「ツナを食べるだけでは痩せない」ということを理解し、正しい方法でダイエットに取り組みましょう。(※1,2)

ツナ缶ダイエットの効果

効果

  1. 筋肉づくりに役立つ
  2. 脂質の代謝をサポート
  3. 血行を促す
  4. 満腹感に関わるホルモンの分泌につながる

筋肉づくりに役立つ

ツナ缶はかつおやまぐろなどの魚を原料としており、筋肉のもととなるたんぱく質が豊富に含まれています。ツナ1缶(80g)あたりのたんぱく質含有量は、かつおの油漬けで15.0g、まぐろの油漬けライトで14.2g、ホワイトなら15.0gです。

ツナ缶には、体の中で効率よく利用される「良質なたんぱく質」が含まれています。ツナ缶の摂取と、運動を組み合わせることで筋肉づくりに役立ちますよ。

脂肪組織よりエネルギー代謝量が多い筋肉の量を増やすことは、安静時の消費エネルギー増加につながるため、長期にわたって体重の維持がしやすくなります。(※3,4,5,6,7,8)

脂質の代謝をサポート

ツナ缶に含まれているナイアシンは水に溶ける性質をもつビタミンB群の仲間で、糖質や脂質からエネルギーを作る酵素のはたらきを助ける栄養素です。ナイアシンは、かつおの油漬け1缶(80g)あたり12.0mg含まれています。

日本人の食事摂取基準では、30~49歳男性で15mg、女性で12mgの推奨量が設定されていますが、かつおの油漬け1缶(80g)を食べれば一日の推奨量をカバーできます。(※5,8,9,10)

血行を促す

ツナ缶には血行を促進する作用のあるEPA(エイコサペンタエン酸)が含まれています。EPAは青魚の脂に多く含まれ、人の体内でほとんど産生することができません。そのため、食物から摂る必要がある必須脂肪酸に分類されています。

ツナ1缶(80g)あたりのEPA含有量は、かつおの油漬けで48.0mg、まぐろの油漬けホワイトなら61.6mg。血行が良くなることで代謝アップにつながるのに加え、EPAには血液中の中性脂肪を減らす役割も期待されているため、ダイエットにうれしい成分です。(※8,11,12,13,14)

満腹感に関わるホルモンの分泌につながる

消化管から分泌されるペプチドのなかに、コレシストキニンがあります。ペプチドとは、アミノ酸がふたつ以上結合したものです。コレシストキニンには、胆汁や膵液の分泌を増やし消化を促すはたらきのほか、満腹中枢を刺激して摂食を抑える作用も。

コレシストキニンは、食べることにより分泌が促進されますが、なかでも脂質とたんぱく質を摂るとより強く分泌が促されます。

油漬けのツナ缶には、脂質やたんぱく質が豊富なため、コレシストキニンの分泌促進につながります。ただし、オイルの摂り過ぎはカロリーオーバーになるので、注意しましょう。(※8,15,16)
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