ライター : macaroni 編集部

教えてくれた人

昭和食品 店主/ 佐藤友美子さん(しゃけこさん)
鮭専門店・昭和食品の3代目店主。フリーライターとして活動していた20代の頃に、たまたま訪れた築地で鮭専門店の昭和食品に出会う。現在は訪れるお客さんに鮭の魅力を伝える傍ら、鮭を使ったおにぎりレシピを多数考案。「鮭のおにぎり100選」と称し、ホームページで更新を続けている。愛称は「しゃけこさん」。

ITEM

築地−鮭屋の小僧が見たこと聞いたこと

¥230〜

20代後半、フリーライターから築地の鮭屋の「小僧」に華麗なる変身をとげた著者が語る、河岸の作法・市場の成り立ち。河岸ならではの痛快なやりとりとともにお伝えするノンフィクション。

※2020年10月3日時点 価格は表示された日付のものであり、変更される場合があります。本商品の購入においては、Amazon.co.jpおよびrakuten.co.jpおよびshopping.yahoo.co.jpで正確かつ最新の情報をご確認ください。

鮭は追及しがいのある魅力的な食材!

Photo by Toshio Uematsu

ここ昭和食品で働くようになったのは20代後半の頃。もともとフリーライターをしていた私は仕事仲間に連れられて築地を訪れました。ちょうど正月前だったので、お店はすごい混み様だったのを覚えています。

それまで築地にはあまり馴染みがなく場所すらも危うい感じだったのですが、年末独特の雰囲気と活気に魅せられ、“ここで働いてみたい!”と直感的に思ったんです。ほんのでき心だったのですが翌日から働きはじめ、気づいたらもう30年も鮭を捌き続けています。我ながら不思議な縁ですね」

Photo by Toshio Uematsu

魚屋として毎日鮭と向き合っていると、その奥深さに気づきます。鮭は和洋中のどんな料理にも合う食材。和食なら昆布巻きの芯、洋食ならクリームソースに、中華ならチャーハンなどレパートリーが豊富ですよね。突き詰めるほどに料理の幅が広がっていくので、追及しがいがあるところが最大の魅力かもしれません」

季節ごとの味わいが楽しめる鮭

Photo by Toshio Uematsu

関東以北では、古来より鮭を“年取り魚”として正月に食べる風習があります。これは、秋時期にふるさとへ遡上する秋鮭をより長く楽しむために塩漬けにしたり、干したりなどして加工技術が発達したからこそ生まれた食文化です。

鮭といえば秋というイメージをお持ちの方も多いと思いますが、じつは春夏秋冬、時期によってさまざまな味わいが堪能できます。塩漬けにした鮭は日を重ねるごとに深みを増すので、同じ鮭でも時期ごとに味わいは異なるのです」

Photo by Toshio Uematsu

たとえば、フレッシュな鮭にひと塩加えた甘口はみずみずしく生鮭に近い味わい。一方、辛口の鮭は臭みがなくて食べやすく年配の方に好まれます。塩辛いので、細かくほぐしてごはんに混ぜると全体に旨味が広がりますよ。秋は獲れたての秋鮭を楽しむのもよし、夏時期に加工して旨味が増した時鮭を楽しむのもよし!

いろいろな鮭を手軽に味わうには、おにぎりにするのがおすすめです。私は鮭おにぎりのレシピを考えてお店のホームページで紹介しているので、そのなかから今の季節にぴったりなおにぎりをご紹介しますね」

1. 照り焼鮭とすだち飯のおにぎり

Photo by macaroni

材料(2人分)

銀鮭(無塩〜甘塩)……1切
すだち……1/2個
A酒……大さじ1杯
Aみりん……大さじ1杯
A砂糖……大さじ1/2杯
A醤油……大さじ1と1/2杯
サラダ油……大さじ1と1/2杯
ごはん……茶碗2杯(320g)

作り方

1. フライパンにサラダ油を入れて中火で熱し、皮目を上にして鮭を入れる。両面に焼き色がついたらふたをして弱火にし、3分ほど焼く。Aを加えてフライパンを揺すりながら煮つめ、鮭にからめる。焼き上がったら、鮭の皮と骨を取り除き身をほぐす。

2. すだちは果汁をしぼっておく。果汁をしぼったあとのすだちをスライサーでごくうすくスライスする。

3. 温かいごはんにすだちの果汁、スライスしたすだち、鮭を加えてさっくり混ぜる。

4. 食べやすい大きさに握る。

照り焼鮭のこっくりとした味わいに、すだちの爽やかさが見事にマッチしたおにぎり。すだちの皮は硬いので薄くスライスするのがポイントです」

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