5. スポーツドリンク・経口補水液

熱中症対策には、のどが渇いていなくてもこまめに水分補給することが大切。スポーツドリンクは、水分の吸収がよいため汗をかいたときの水分・塩分補給におすすめです。ただし、糖分が多く含まれるので、汗をかいていないときに水分代わりに飲むのは避けましょう。

また、軽度から中等度の脱水症がみられる場合では、より吸収の速い経口補水液が適しています。(※2,3,9,10)

6. 麦茶

通常の水分補給では、ミネラルが含まれる麦茶がおすすめです。麦茶にはカフェインが含まれないため、熱中症対策の飲み物として向いています。また、たくさん汗をかいたときには梅干しや少量の塩を麦茶に加えることで、よりミネラルを補えますよ。(※3)

食べ物以外も。熱中症対策に重要な生活習慣

食事のポイント

  1. 規則正しい食生活を心がける
  2. 食事の栄養バランスを整える
  3. 水分・ビタミン・ミネラルが豊富な食べ物を活用する
熱中症対策には、まず食事の栄養バランスを整えて十分な睡眠をとり、体力を低下させないことがポイントです。暑さにより食欲が落ち、さっぱりしたものばかり食べていると、栄養が偏り体力が低下。それにより熱中症になりやすくなるおそれがあります。

暑い日は発汗によって水分やミネラルが失われるため、それらの補給はもちろん、エネルギー源となる糖質の代謝を促すビタミンB1を摂ることも大切です。

基本的な生活習慣や食事のバランスを整えたうえで、熱中症対策に役立つ食材を取り入れましょう。(※2,3,5)

水分補給のポイント

  1. 一日1.2Lを目安に飲む
  2. のどが渇く前にこまめに飲む
  3. 汗を多くかくときはスポーツドリンクや経口補水液がおすすめ
熱中症は、当日だけでなく数日前からの水分不足が原因で発症することも。そのため、日々の適切な水分補給が大切です。

飲み物から摂る水分は、一日1.2Lを目安とされており、大量に発汗した場合は、経口補水液やスポーツドリンクからの塩分を含む水分補給がすすめられています。

また、体は軽い脱水状態でものどの渇きを感じないため、のどが渇く前や外出する前からこまめに水分を摂ることを心がけましょう。(※11,12)

暑さ対策のポイント

  1. 適切に冷房を使う
  2. 吸汗・速乾素材の衣服を活用する
  3. 暑さに備えた体づくりをする
  4. 無理をしない
室内では適切な気温・湿度を保ち、涼しい環境をつくりましょう。とはいえ、屋外との気温差が大きいと出入りの際に体に負担がかかるため、エアコンの設定温度は低くしすぎないことがポイントです。涼しい素材の衣類を活用するのもよいでしょう。

体調に異変を感じたら無理をせず、涼しい場所で体温を下げる、水分と塩分を補給することが大切です。本格的な暑さがやってくる前から、適度な運動を習慣化し、暑さに負けない丈夫な体づくりをおこないましょう。(※2,11,12)

熱中症対策と食べ物についてのQ&A

Q. アイスクリームは熱中症対策に役立つ?

A:アイスクリームは糖分が多いため、血糖値を上げる原因になります。

ひんやりしたアイスクリームは冷たくて暑い夏に食べやすいですが、糖分が多く含まれるため食べ過ぎないよう注意が必要です。

一方で、暑い環境で運動する状況においては、体の内部から冷やし深部体温を下げることは熱中症対策に役立つと考えられており、微細なシャーベット状の「アイススラリー」という飲料が注目されています。(※13,14)

Q. 子どもの熱中症対策におすすめの食べ物は?

A:ビタミンB群やたんぱく質が同時に摂れる、豚肉や豆類がおすすめです。

基本的には子どもの熱中症対策も大人と同じで、ビタミンB群が含まれる食べ物や夏野菜などを意識して与えましょう。子どもは大人に比べて体に熱がこもりやすく、体温が上昇しやすいうえ、体調の変化に自分で気づきづらいです。大人がしっかり気をつけてあげましょう。(※3,8,15,16)

Q. 熱中症の症状があるときは何を摂ればいい?

A:状況に応じて水分・塩分を補給しましょう。

大量に発汗がある場合は、塩分と糖分を同時に補給できるスポーツドリンク、立ちくらみやめまいなどの症状があり脱水を伴っているようなら、経口補水液が適しています。

ただし、嘔吐がある場合や意識がない場合は、無理やり飲ませず救急車を呼びましょう。熱中症は命に関わる症状です。意識がない、水分を補給できない、症状がよくならない場合には医療機関に相談してください。(※9,17,18)
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