ライター : 渡辺 りほ

管理栄養士

無性にお肉が食べたい!

ふとしたときに「肉が食べたい!」と感じること、誰しもあるのではないでしょうか。「じゃあ今日の夕飯は肉料理にしよう」と自己解決する場合がほとんどかと思いますが、なぜ肉が食べたいと感じるのでしょうか?

この記事では、「肉が食べたい」と感じる理由について解説します。理由がきちんと把握できれば、食事の時間も有意義に過ごせそうですよね。ぜひ、参考にしてみてください。

肉が食べたいときの“身体的”原因

栄養不足

特定の食べ物に強い食欲を感じるときは、その食べ物に含まれている栄養素が体内で足りていないおそれが。肉の場合は、アミノ酸や鉄分が不足している可能性があります。

アミノ酸はたんぱく質の構成成分で、20種類あるうち9種類が体内で合成できない「必須アミノ酸」です。牛肉・豚肉・鶏肉などの肉類は、必須アミノ酸をバランスよく含んでいます。

一方、鶏肉の鉄含有量は比較的少なく、牛肉や豚肉の赤身に豊富です。赤身の牛肉・豚肉を食べると、アミノ酸や鉄を効率よく摂れますよ。(※1,2,3,4)

疲れている

運動後や一日の仕事終わりに肉を食べたくなる……という場合は、身体が疲れている可能性があります。

肉類に豊富なたんぱく質は、身体を動かすエネルギー源になります。また、エネルギー代謝に関わるビタミンB群や、体内に酸素を運ぶ鉄が含まれており、疲れ対策に役立ちますよ。(※4,5,6)

肉が食べたいときの“心理的”原因

ストレスがかかっている

悲観的な気持ちを食事でまぎらわせたという経験はありませんか?これは、「食事によって幸福感を得られる」という過去の経験に基づくものだと考えられています。牛肉や豚肉の脂肪には、脳内で至福物質に変化し、幸福感をもたらす「アラキドン酸」が含まれています。

また、強いストレスがかかっているときは、体内で「セロトニン」が不足しているおそれが。セロトニンは感情や精神面に関わるホルモンで、「トリプトファン」という必須アミノ酸から作られます。トリプトファンが含まれる肉類を摂ると、セロトニン量を増やすことにつながります。

ただし肉類は、トリプトファンが脳に取り込まれるのを抑える「BCAA」を含みます。肉類のトリプトファンを活かすには、ビタミンB6や炭水化物を合わせて摂り、BCAAを筋肉に作用させることが大切。ビタミンB6は鶏むね肉やさばなどに、炭水化物は米やいも類に豊富です。(※7,8,9)
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