6. びっくりするような長さ「大長なす」

長さが40~45cmもある長なすの最大品種で、なかには60cmを超える大物も。昔から九州を中心に栽培されてきた固有種で、いまでは熊本や福岡、長崎産がとくに有名です。

4月頃から出回りはじめ、11月頃まで続きますが、旬はやはり6月~9月の盛夏。皮はやや硬めながら、果肉はふんわりとやわらかいので、焼きなすにするのが一番おいしいです。

7. 鮮やかな紫色の皮が特徴「細長なす」

こちらは代表品種というよりも、変わり種の部類に入るなす。長さは25~30cnくらいで、長なすのなかでもとくに細いので、ひもなすとも呼ばれます。皮がほかのなすと比べて色が薄く、鮮やかな紫色なのも特徴のひとつ。

京都の種苗会社による、交配で生まれた品種です。肉質は硬めで、よく締まっているため、炒め物や揚げ物などに向いています。

特産品として知られるなすの品種5選

8. 大阪府泉州地域の特産品「水なす」

Photo by 稲吉永恵

大阪府南部の泉州と呼ばれる地域の特産品で、おもに岸和田や貝塚、泉佐野の各市と熊取町で栽培が盛んです。各地ともため池が多く点在するため、栽培に必要な水が豊富なことで知られています。

皮がやわらかく瑞々しいことから、生で食べられる浅漬けがとくに有名。ハウスもので3月〜8月まで、露地物は5月~11月までが収穫期です。

9. 有名な京の伝統野菜「賀茂なす」

加茂なすは丸なすの一種で、京の伝統野菜としても認定されている、有名なブランドなすです。たいへん栽培がむずかしい品種で、おもに上賀茂で作っているのですが、生産者は30戸に満たないのだとか。

硬く締まって歯ごたえの良い肉質は、みそ田楽や煮物、揚げ物などに最適です。ほとんどが露地物で、6月~10月までの期間しか出回りません。

10. 香川の希少種「三豊なす(みとよなす)」

香川県の西部、三豊市を中心とした地域だけで栽培されている希少品種です。在来種ではなく朝鮮半島から持ちこまれたなすで、晩生で収穫量が少ないため、作っている農家はわずかしかありません。

丸いものや中長など形はさまざまですが、普通のなすの3倍もある大きさと、水なすに近い食感が人気。7月~10月にかけてが収穫期で旬です。

11. 熊本の赤なす「ヒゴムラサキ」

熊本の伝統野菜としてブランド化されたなす。長さが30cmほど、重さが300g以上にもなる太くて長いなすで、見た目の迫力も圧倒的です。

やわらかくアクの少ない肉質は、焼きなすにぴったり。一般的ななすの旬が真夏なのに対して、こちらは収穫の最盛期が春と秋の2回に分かれます。

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