ライター : 渡辺 りほ

管理栄養士

生理痛はなぜ起こる?

生理中は子宮内膜からプロスタグランジンが分泌されます。プロスタグランジンは子宮を収縮させて、不要になった粘膜を血液とともに排出するホルモンです。

プロスタグランジンの分泌量が多い方は、必要以上に子宮が収縮して、生理痛を引き起こす場合があります。また、プロスタグランジンは子宮以外の筋肉を収縮させることも。それにより、頭痛や下痢の症状につながるおそれが。

また、体が冷えて血行が悪くなると、子宮の内膜の排出が滞り、プロスタグランジンの分泌量が増えてしまいます。体を温める食品を摂ることによって、生理痛の緩和につながりますよ。(※1,2)

生理痛以外にも!女性が感じやすいPMSの症状

生理の3~10日前頃に、女性ホルモンの変動により起こる体調不良を月経前症候群(PMS)と言います。PMSの症状は多岐にわたり、むくみや頭痛、便秘、吐き気、肌荒れなど。また、イライラしたり、すぐに涙が出たりするなど精神的な症状が出る場合もあります。

PMSの症状は、生理がはじまると軽くなるのが特徴です。また、食事の内容や生活習慣を工夫することで、症状を和らげられますよ。(※3)

生理中に取り入れたい食べ物と栄養

むくみを感じるときは「カリウムが豊富なアボカドやバナナ」

生理前にむくみを感じる場合は、カリウムが豊富な果物や野菜を取り入れましょう。むくみの原因のひとつに塩分の摂り過ぎが挙げられますが、カリウムは塩分の排出を促す作用があります。とくに、アボカドやバナナに多く含まれていますよ。

また、食事の塩分量にも注意が必要です。なるべく減塩を心がけてくださいね。(※3,4)

憂鬱な気持ちになるとき「ビタミンB6が豊富なまぐろやかつお」

生理前に気分が落ち込み、憂欝な気持ちになりやすいという方は、ビタミンB6が豊富な食品を摂るのがおすすめ。まぐろやかつおなどの魚や、肉類に多く含まれています。

ビタミンB6は、感情に関わる神経伝達物質を作るはたらきがある栄養素です。生理前になると、ビタミンB6の血中濃度が低くなる場合があることが明らかになっています。(※5,6)

イライラするときは「カルシウムが豊富な乳製品や小魚」

生理前に怒りっぽくなるときは、イライラを和らげる作用があるカルシウムやマグネシウムを摂りましょう。カルシウムは乳製品や小魚に、マグネシウムは海藻に豊富です。

また、食後血糖値の変動によってイライラする場合もあるため、血糖値の上昇がゆるやかな食品を選ぶことも大切です。海藻類や果物などに豊富な水溶性食物繊維は、糖質の吸収速度をゆっくりにして、食後血糖値の急上昇を抑えてくれますよ。(※7,8)
※新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、不要不急の外出は控えましょう。食料品等の買い物の際は、人との距離を十分に空け、感染予防を心がけてください。
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