ライター : 椛嶋 貴子

管理栄養士

監修者 : 渡辺 りほ

管理栄養士

皮が緑色や黄緑色のじゃがいもは危険!?

皮が緑色になったじゃがいもを見たことはありませんか?腐ってしまったのか心配になりますよね。

じゃがいもの芽には「ソラニン」という自然毒が含まれているのですが、実は緑色に変色してしまった皮の部分にもソラニンの含有量が多いため、注意が必要です。実際に変色したじゃがいもを食べ、吐き気や頭痛を感じるなど、体調を崩した事例があります。

じゃがいもの皮が緑色に変色してしまったら、しっかりと取り除いてから調理することが大切です。じゃがいもに含まれるソラニンは加熱しても量が減らないため、取り除かず食べるのは避けましょう。(※1,2)

なぜじゃがいもが緑色に変色してしまうのか?

ソラニンの含有量が増え、じゃがいもの皮が緑色になってしまう原因は、太陽や蛍光灯などの光にあたること

購入したじゃがいもは、10℃程度の涼しくて暗い場所で保存することが大切です。ただし、冷蔵すると糖の濃度が高くなり、揚げたり炒めたりすると「アクリルアミド」という有害物質ができる量が増えてしまいます。冷蔵保存したじゃがいもは、煮物や蒸し物にするとよいですよ。

また、家庭菜園で作られた未熟で小さいじゃがいもは、ソラニンを多く含んでいることがあるので、注意が必要です。(※2,3)

毒性物質ソラニン・チャコニンについて

摂取した際の症状

  1. 吐き気
  2. 下痢
  3. 嘔吐
  4. 腹痛
ソラニンやチャコニンは天然毒素の一種。じゃがいもの芽や、皮の緑色の部分に多く含まれています。通常のじゃがいもは、100gあたり平均7.5mgのソラニンやチャコニンを含み、そのうち3~8割が皮周辺に存在します。

一方、光にあたって緑色になったところには、100gあたり100mg以上のソラニンやチャコニンが含まれているといわれています。

ソラニンやチャコニンをたくさん含むじゃがいもを食べると、吐き気や下痢、おう吐、腹痛などの症状が出ることがあります。症状が出る期間は、食後30分から半日です。

体重50kgの大人の場合、ソラニンやチャコニンを50mg摂取すると症状が出る可能性があります。150mg~300mgで致死量となり、死亡してしまうおそれもあります。(※1)

ソラニン・チャコニンの食中毒を防ぐ調理方法

調理方法

  1. 芽や緑色部分はカットする
  2. 皮をむいて調理する

芽や緑色部分はカットする

じゃがいもに芽や緑色の箇所があった場合、しっかり取り除くことが大切です。芽や緑色の部分のまわりも、厚めにカットしましょう。

緑色になっているかどうか判別できず、食べてしまった場合、苦みを感じたら喫食を中止することが大切です。また、家庭菜園で育てたじゃがいもは未熟な場合があるうえ、見た目で判断することがむずかしいです。心配なときは一度にたくさん食べたり、皮ごと食べたりしないようにしましょう。(※2)

皮をむいて調理する

じゃがいもは、基本的に皮をむいて食べてください。とくに未熟なじゃがいもを皮ごと食べることは、避けましょう。

170℃以上で加熱するとソラニンやチャコニンは分解を始めるとされていますが、確実に減ることは期待できません。じゃがいもにしっかり火を通しても、ソラニンやチャコニンがなくならないため、芽や緑色の部分はしっかり取り除いたうえで、調理してください。(※2,4)
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