ライター : 渡辺 りほ

管理栄養士

ナッツは食べ過ぎたら危険?

アーモンドやくるみ、カシューナッツなどのナッツ類。たんぱく質や食物繊維、ビタミンE、カルシウムや鉄などのミネラル類が豊富で、栄養価が高いことが知られています。健康や美容のために、ナッツを食べている人は多いのではないでしょうか。

しかし、ナッツ類を食べ過ぎると、わたしたちの体にさまざまな不調を引き起こす原因になりかねません。この記事では、ナッツを食べ過ぎるとどんな症状が起きるのか、また一日の摂取目安量はどのくらいなのかをご紹介します。

ナッツを食べ過ぎると、体にどんな影響がでる?

影響

  1. 肌荒れやニキビ
  2. 便秘や下痢
  3. 太る

肌荒れやニキビ

「ナッツを食べるとニキビができる」とよく言われますが、ナッツにはオレイン酸や亜鉛など、健康な肌を作るために必要な栄養が豊富。そのため、ナッツを適量摂る場合は肌荒れ対策に役立つといえます。

ただし、食べ過ぎると肌トラブルにつながるおそれも。とくに、バターが原材料に使われているナッツの加工品に注意しましょう。

油分を摂り過ぎると皮脂が多く分泌され、毛穴に皮脂が詰まってニキビや肌荒れを引き起こすことがあります。ナッツは食べ過ぎに注意するとともに、なるべく素焼きのシンプルなものを選びましょう。(※1,2)

便秘や下痢

ナッツには、便のかさを増やして腸の運動を促すはたらきがある、不溶性食物繊維が豊富。便秘対策に役立つ栄養素ですが、水溶性食物繊維とバランスよく摂る必要があります。不溶性食物繊維だけを多く摂ると、便の水分が吸収されて固くなり、かえって便秘の原因になるおそれが。

また、ナッツには脂質が多く含まれるため、食べ過ぎると消化不良を起こし、下痢になる場合もあります。(※3,4,5)

太る

種類カロリー
ピーナッツ(乾)572kcal
カシューナッツ(フライ・味付け)591kcal
アーモンド(乾)609kcal
ピスタチオ(いり・味付け)617kcal
くるみ(いり)713kcal
マカダミアナッツ(いり・味付け)751kcal
(※6)
ナッツはオレイン酸のように身体に良いはたらきを持つ脂質を含むものの、高カロリー・高脂質の食品です。代表的なナッツ類のカロリーを100gあたりで比較してみましょう。

ナッツのカロリーは種類によって異なるものの、100gあたり600kcal前後のものが多いです。たとえばアーモンドを同量の白ごはんと比べると、約4倍のカロリーに相当します。

ナッツの食べ過ぎによって一日の摂取カロリーが消費カロリーより多くなると、体重が増えるおそれが。量を決めて食べるようにしましょう。(※6,7)

【種類別】一日に何粒までOK?ナッツの適切な摂取量

種類一日の摂取量目安量
アーモンド32g26~32粒
くるみ28g9かけ
ピスタチオ32g40~64粒
ピーナッツ(大粒種・乾燥)34g56粒
バターピーナッツ32g53粒
カシューナッツ33g22~25粒
マカダミアナッツ26g11~13粒
(※6,7,8,10,11,12,13,14)
※目安量……各種類のナッツを単体で食べる場合の量です。ナッツ数種類を組み合わせる場合や、ほかにも間食を摂る場合は調整してください。
※ナッツは食塩無添加のものを想定して算出しており、食塩が添加されたものを食べる場合は、塩分の摂りすぎに注意が必要です。
※掲載情報は記事制作時点のもので、現在の情報と異なる場合があります。

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