ライター : 相羽 舞

管理栄養士

糖質制限ダイエットは危険なの?

糖質制限ダイエットは本来、血糖値が高い人の肥満対策として提唱されたダイエット法です。

糖質はエネルギー源となる栄養素なので、健康な人が必要以上に糖質を制限すると健康を損なうおそれがあります。また、「糖質制限」だけにとらわれると、カロリーや脂質のとりすぎになることも。

このように糖質制限にはデメリットもあります。糖質制限をおこなう際の注意点や、無理のないやり方を知っていきましょう。(※1)

糖質制限のデメリット4選

デメリット

  1. 全体の食事量が減り、栄養バランスが偏る
  2. 食物繊維不足により便秘になる
  3. 糖質不足により頭痛や疲労感につながる
  4. リバウンドしやすい

1. 全体の食事量が減り、栄養バランスが偏る

糖質を減らそうとごはんや麺・パンなど食事の「主食」を極端に抜いたり、糖質が多く含まれる野菜を避けたりすることで、十分な食事量をとれなくなってエネルギー不足につながるおそれがあります。

糖質制限といえば、糖質を減らす代わりに肉類や卵、チーズといったたんぱく質の多い食品をたくさんとり入れると思い浮かべる人も多いでしょう。しかし、それだけでは補えない栄養素もたくさんあります。ビタミン、ミネラル、食物繊維をとるためには大豆食品や野菜なども欠かせません。(※2,3)

2. 食物繊維不足により便秘になる

糖質制限中に、炭水化物の量を減らすことでエネルギー不足のほか、便秘になるという人もいます。食事量が減って水分や便の材料が不足することも理由のひとつですが、炭水化物には食物繊維が含まれるため、炭水化物を避けると自然と食物繊維の摂取量が減ってしまうのも便秘につながる原因のひとつ。

食物繊維は腸内の善玉菌を増やしたり、便通を促したりする便秘対策に役立つ栄養素です。

糖質制限中は糖質は控えますが、それをまったくとってはいけないというわけではありません。健康的に糖質制限をおこなうためには、食物繊維をしっかりとれるよう工夫しましょう。(※2,4,5)

3. 糖質不足により頭痛や疲労感につながる

お伝えしているように糖質は体のエネルギー源となる栄養素です。糖質制限によって糖質が不足すると、疲労感や集中力の低下につながります。また、血液中の糖分が不足することは頭痛の原因にもなるといわれています。

夕食だけ糖質を摂取しないといったダイエットで早朝に低血糖になり、頭痛をおぼえる人もいるようです。体調に異変があらわれるような無理なダイエットは避けましょう。(※6,7)

4. リバウンドしやすい

極端な食事制限は必要な栄養素が不足するうえ、リバウンドのおそれが。

過度な糖質制限ではエネルギー不足になると筋肉を分解してエネルギーを得ようとするため、筋肉量が減ってしまうのです。筋肉量が減るに伴って基礎代謝も低下し、脂肪が増えやすく、太りやすくなると考えられます。(※2,8,9)
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