ライター : ☆ゴン

寄せ豆腐(おぼろ豆腐)とは

豆腐にはいくつかの種類があり、そのなかのひとつに寄せ豆腐があります。一般的な豆腐である木綿豆腐を作る過程で、できあがるのが寄せ豆腐です。

豆腐を作るとき、豆乳とにがり(凝固剤)を混ぜて、凝固させる工程を「寄せる」と呼びます。この状態の豆腐を製品にするため、寄せた状態のままの豆腐、さらに縮めて寄せ豆腐の名がついたのだとか。

また、やわらかくて固まりきってない状態が、ぼんやりしたおぼろ月夜に似ていることから、おぼろ豆腐とも呼ばれます。

寄せ豆腐の食感と味の特徴

寄せ豆腐の一番の特徴は、なんといってもやわらかくてとろけるような食感。型に入れて圧搾するまえの豆腐なので、最終製品である木綿豆腐とはひと味違う、風味と味わいがあります。

また、この豆腐を竹ざるにのせたものがざる豆腐。ざるの編み目から自然に水分が抜けて、普通の寄せ豆腐とはまた違った食味を堪能できます。一般的な木綿豆腐の製造過程で作られるため、寄せ豆腐がおいしいお店は、どの豆腐も間違いなくおいしいはずです。

木綿豆腐や絹豆腐との違い

豆腐は製造工程によって、木綿豆腐と絹豆腐(絹ごし豆腐)、寄せ豆腐、充填豆腐の4種類に大別。焼き豆腐や油揚げなどは加工品です。そのなかから木綿豆腐と絹豆腐の製造法を簡単に解説しながら、寄せ豆腐との違いを見てみましょう。

木綿豆腐の作り方

豆乳とにがりを混ぜて凝固させたものが、寄せ豆腐なのはすでに紹介したとおり。凝固したものを、船の櫂(かい)のような道具でくずして撹拌すると、余分な水や油が上澄みで出てきます。底に孔が開いた型箱に布を敷き、上澄みを取り除いたものを加え、さらに布とフタをのせれば準備完了。

上に重しをのせて圧搾すると、底の孔から水分が抜けて、しっかり成形された豆腐ができあがります。それを水の中に入れてさらし、カットすれば完成。昔は木綿の布を使い、豆腐の表面に布目がついたことが、木綿豆腐の名の由来です。

絹豆腐の作り方

絹豆腐は、木綿豆腐のようにくずして撹拌したり、圧搾したりしません。孔が開いていない型箱に、凝固剤を混ぜた熱い豆乳を流し入れて、冷やし固めるだけです。圧搾による成形をしないため、固まりやすいように濃い豆乳を使うので、味わいも濃厚なのが特徴。

保水力の高い凝固剤の開発により、戦後から製造が盛んになったまだ新しいタイプの豆腐です。表面がなめらかで絹でこしたように見えることから、絹ごし豆腐と呼ばれます。

家庭で簡単にできる。寄せ豆腐の作り方

レシピのすくい豆腐とは、寄せ豆腐をすくったもののこと。耐熱容器に豆乳を入れてにがりを加え、よく混ぜてレンジで加熱すれば、寄せ豆腐がおうちでも簡単に作れますよ。豆乳の濃度とにがりの種類によって、仕上がりが違うので、いろいろと試して調整してみてください。

編集部のおすすめ