ライター : ☆ゴン

北海道で食べられている「ごっこ」とはどんな魚?

北海道では「ごっこ」と呼ばれていますが、標準和名はホテイウオ(布袋魚)。カサゴ目ダンゴウオ科に分類される魚で、おたまじゃくしを大きくしたような見た目が特徴的です。丸くてぷっくりしたお腹や顔つきが、七福神の布袋さんに似ていることから、名付けられたとされます。

成魚の体長は25~30cmで、大きくても40cmくらいまで。ぬめりがあってぶよぶよした表皮はうろこがなく、黒い斑点が全身に散らばっています。腹側の胸びれの間に大きな吸盤があり、それで岩や海藻などにくっつきながら活動する、珍しい魚です。

ごっこのおもな漁獲地域

ごっこはベーリング海西部や、カナダのブリティッシュコロンビア州沿岸など、海外にも生息しています。

日本近海では北海道から青森、島根県までの日本海沿岸に分布。青森から千葉県までの太平洋沿岸でも、たまに漁獲されるそうです。おもな漁獲地は北海道で、函館がある道南地方が一大生産地として知られています。

ごっこの産卵期と旬

ごっこは冬から早春にかけて、沿岸の浅瀬で産卵します。そのため、浅瀬に近づく12月~翌3月が漁の最盛期です。月別では、1月から漁獲量が増えはじめ、2月がもっとも多く獲れる時期。そういうことから、メスが産卵を控え卵巣が発達して、脂がよくのる1月~2月が一番おいしい旬です。

ごっこの身はどんな味?

ごっこの味はあんこうそっくり

ごっこは見た目が似ているあんこうと同じく、クセがなく淡白な白身魚。それでいてしっかりした旨味は、あんこうよりおいしいという人がいるくらいです。身だけでなく、皮や肝、胃袋、腸なども美味。オスの白子も味がよく、とくにメスの大きな卵巣は、ごっこの代名詞ともいえます。

ごっこ汁は北海道の郷土料理

北海道の郷土料理のひとつであるごっこ汁。ごっこがよく獲れる道南の渡島地方では、昔から漁師が自家消費して食べていたのが、発祥だとされます。

函館市東部の恵山地区にある、道の駅「なとわ・えさん」では、毎年ごっこまつりを開催。例年、2月中旬ごろにおこなわれる町おこしのイベントで、ごっこ汁が振る舞われるそうですよ。

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