ぶりこ(ハタハタの魚卵)

ひと粒ひと粒がしっかりくっついていて、卵のかたまりを噛むとプチプチ以上のブリブリとした歯ごたえが楽しめます。独特の粘りがあって旨みが強く、鮮やかな緑・黄色・茶色……など魚卵とは思えないような色をしているため、初めて食べるときは抵抗があるかもしれません。お好きな方にとっては、たまらない味わいです。

からすみ(おもにボラの魚卵)

日本三大珍味のひとつで、長崎産のものが有名ですね。海外でも作って食べている地域があり、台湾やイタリアのお土産品としても定着しています。うにのような香りや甘さとチーズのような旨みや塩気が感じられ、ねっちりとした食感が特徴的。日にちをかけて下処理したものを、さらに10日から2週間ほど水分や脂を拭き取りながら天日干しして作ります。

キャビア(おもにチョウザメの魚卵)

粒のサイズはとびっこよりもひと回り大きく、いくらよりも小さいです。黒に近い灰色をしているものがほとんどですが、なかには緑色や金色のものも。世界三大珍味のひとつで、最近はチョウザメが貴重になっていることから、代わりにランプフィッシュの卵を使っているものも多いです。塩気は強めで、上質なものはいくらをクリーミーにしたような旨みが楽しめます。

たこまんま(たこの卵巣)

たこがよく獲れる地域ではそんなに珍しくなく、最近では、旬になるとほかの地域のお寿司屋さんや居酒屋で見かけられることも。色は透明がかった乳白色から薄い黄色で、つるつるドロリとした質感がかなり独特です。火を通すと花が咲いたような見た目に!

そのほかの珍しい魚卵

今までご紹介したものよりさらに、ごくごく一部でしか食べられたり作られたりしていない魚卵もあります。なかには宮崎県の「しゃくなげの森」で尺ヤマメの魚卵から作られている「黄金いくら」や、岐阜県の「岩魚の里 狭」で食べられる岩魚の魚卵を使った「天のしずく」など、川魚のものも。黄金いくらは、皇室へ献上されたことがある逸品なんですよ。 海のものなら、さば・ブリ・カジカ・いかの魚卵を煮付けや醤油漬けにして食べることもあります。買ったものをさばいたらたまたま子持ちだったときや、釣りで子持ちの個体がとれたときに作る方が多いみたいですが、なかなか食べる機会はないですよね!

魚卵のカロリーやコレステロール、塩分量は?食べ過ぎはNG?

よく食べ過ぎはNGだといわれる魚卵ですが、実際のカロリーやコレステロール含有量、食塩相当量はどのくらいなのか見てみましょう。(それぞれ100g中の数値です。)
■いくら……272kcal・コレステロール480mg・食塩相当量2.3g ■たらこ……140kcal・コレステロール350mg・食塩相当量4.6g ■かずのこ(塩蔵品を水戻し)・89kcal・コレステロール230mg・食塩相当量1.2g
身近な魚卵としてご紹介したものをいくつか挙げてみましたが、いくらのカロリーとコレステロールが断トツに高く、かずのこは比較的低いのがわかりますね。 ほかの食品と比べるために、にわとりの卵や豚肉・鶏肉のものも見てみると ■鶏卵……151kcal・コレステロール420mg・食塩相当量0.4g ■豚バラ肉(脂身つき)……395kcal・コレステロール70mg・食塩相当量0.1g ■若鶏むね肉(皮つき)……145kcal・コレステロール73mg・食塩相当量0.2g
カロリーはお肉の方が高いか同じくらいなのに、コレステロール量は魚卵の方が倍以上もあることと、全体的に魚卵の食塩相当量が高いということがわかりますね。

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