ライター : 稲吉永恵

野菜ソムリエ / ローフードマイスター / オーガニックコンシェルジュ

春の山菜「ゼンマイ」とは?

ゼンマイはわらびと並び、日本で古くから親しまれている春の山菜の一種。先端の穂先が産毛に包まれており、渦巻き状の若い芽を食します。

芽の部分には雌雄があり、主に「女ゼンマイ」と呼ばれる芽が食用になります。若葉が玉状になっていて穂先全体を綿毛が包んでいる「男ゼンマイ」は、食用として出回ることは稀。山菜採りでも残しておくのが一般的です。

ゼンマイの旬と主な産地

ゼンマイの旬は4〜5月ごろ。沢が流れている山地や渓流の近くなどで山菜狩りをするとよく見つかりますよ。

生息地としては北海道から沖縄まで全国的に分布しています。高知県は乾ゼンマイの産地として知られており、2018年の生産量は、ほかの県を大きく上回る27トンという結果でした。(※1)

おいしいゼンマイの選び方

ゼンマイは、産毛がしっかりと生えていて葉が広がっていないものを選びましょう。お店で購入するときは、産毛と葉の広がりをチェックしてみてくださいね。

あく抜きをし、天日に干してカラカラに乾燥させた保存食「乾ゼンマイ」も市販されています。水煮のパックも売られており、こちらはあく抜きの必要がないので手軽にゼンマイ料理を楽しめますよ。

ゼンマイの栄養素とカロリー

ゼンマイは不溶性の食物繊維に富んだ食品です。また、ビタミンKやビタミンB群の葉酸、βカロテン、カリウムなども多く含みます。

100gあたりのカロリーは29kcal。およそ90%が水分でできている食材です。(※2)

ゼンマイの語源と英語名

ゼンマイは、渦を巻いた穂先が昔の小銭に似ていたことから「銭巻き」と呼ばれ、それが訛って「ゼンマイ」という名前になったと言われているんです。漢字では「薇」と書きます。

アジアやインドのほか、北アメリカの一部でも春の山菜として親しまれおり、英語では「ロイヤルファーン(Royal Fern)」と呼びます。また、種類によっては“バイオリンの頭”の意味を持つ「フィドルヘッド・ファーン(Fiddlehead Fern)」というゼンマイも。確かにバイオリンの先のような見た目をしていますよね。

ゼンマイのあく抜き方法

Photo by Snapmart

準備するもの

  1. ゼンマイ(生)
  2. 重曹
  3. 木炭

作り方

  1. 鍋にたっぷりとお湯を沸かし、重曹または木炭を加えてすぐにゼンマイを入れる
  2. 鍋をよくかき混ぜ、ゼンマイに重曹水を絡めてすぐに火を止める。沸騰させないように注意する
  3. そのまま鍋を火からおろし、落とし蓋をのせて完全に冷めるまで置いておく
  4. あくが水に溶けて茶色っぽくなってきたら水を捨てる。新しい水に取り替えて、さらに1日程度さらしておく
  5. さらにもう一度水を変えて、水が濁らなくなるまでさらす

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