ライター : 満畑ペチカ

調理師ライター

おしゃれイタリアンの定番「アクアパッツァ」とは

「アクアパッツァ」は、イタリア南部・ナポリ地方の郷土料理。オリーブオイルで炒めて旨みを引き出した魚介類を、水やトマト、白ワインなどで煮込んで作ります。オリーブ、あさり、ムール貝などの具材を加えることもありますよ。

アクアパッツァの始まりは、ナポリの漁師たちが売れ残った魚でスープを作ったのが由来とされています。いわゆる「漁師飯」のひとつ。船上で調理したため、少ない材料で作るシンプルなものだったといわれています。

名前の意味

アクアパッツァはイタリア語で「acqua pazza」と記します。acqua(アクア)は「水」、pazza(パッツァ)は「暴れる」や「狂った」の意味。

アクアパッツァはもともと船上で作られていたため、鍋が大きく揺れることや熱した油に水を注ぐ様子から名付けられたと考えられています。

アクアパッツァに適した魚の種類

アクアパッツァに使われるのは、主に鯛やすずき、さわらなどの白身魚。一般的には、淡白でクセの少ない魚が適しているといわれています。ほかにも、あじやさんま、さばなどの青魚で作るのもおすすめ。脂がのった魚特有の旨みがスープに染み出て、白身魚とは違うおいしさを堪能できますよ。

なお、アクアパッツァは魚の皮や骨から出る旨みがおいしさの秘訣。魚によっては丸ごと一尾使うのがおすすめ。

ブイヤベースとの違い

ブイヤベースは南フランス・プロバンス地方にあるマルセイユが発祥の料理。世界三大スープのひとつで、サフランやにんにくで風味をつけるのが特徴です。具材は、白身魚をメインにえびや貝類、を使い、コンソメやトマトペーストなどで味付けします。

いろいろな野菜や魚介類を組み合わせるブイヤベースに比べ、アクアパッツァはシンプルな点に違いがありますよ。

意外と簡単!アクアパッツァのおすすめレシピ8選

1. 一尾で豪快に。真鯛のアクアパッツァ

一尾丸ごと使うアクアパッツアは、見た目のインパクト抜群。下処理した真鯛をフライパンで蒸し焼きにします。鯛の骨から出た旨みがぎゅっと詰まって極上の味わいです。鯛が崩れないよう、大きめのフライパンを使うと良いですよ。

2. ワンパンレシピ。鯛の贅沢アクアパッツァ

Photo by macaroni

レストランのようなおしゃれなアクアパッツアをフライパンひとつで作ります。切り身の鯛を使うため、さばく手間がいらないのがポイント。香ばしく焼きつけてから煮込みましょう。あさりは加熱しすぎると硬くなるため、口が開いたら手際よく仕上げてくださいね。

3. 青魚でアレンジ。さんまのアクアパッツァ

Photo by macaroni

焼き魚の定番、さんまをイタリアンで味わいましょう。にんにくの香りが食欲をそそり、青魚独特のくさみも気になりませんよ。さんまは比較的下処理が簡単なので、アクアパッツアを初めて作る方にもおすすめです。

4. レンジで4分。たらのアクアパッツァ

Photo by macaroni

鍋を使わずに作る、お手軽アクアパッツアはいかがでしょうか?クッキングシートで包むため、魚がパサつかずしっとり仕上がりますよ。ミニトマトやブロッコリーの色が映えるのもレンジ調理ならでは。カリッと焼いたフランスパンを添えて召しあがれ。

5. アウトドアで作る。干物のアクアパッツァ

ほっけの干物で作るアクアパッツアは、アウトドア料理にもってこい。干物自体に塩気があるため、味付け不要なのもうれしいですね。白ワインで蒸すとふっくらしていつもと違うひと品に。持ち歩くときは、クーラーボックスに入れておいてくださいね。

6. ワインに合う。生鮭のアクアパッツァ

一年を通して手に入りやすい生鮭の切り身。アクアパッツアにもおすすめなんですよ。クセがなく、幅広い世代に好まれるため、家族みんなで食べられます。パプリカやズッキーニなど旬の野菜でアレンジしてもOK。

7.ホットプレートで。たらと野菜の和風アクアパッツァ

だししょうゆで味付けする和風アクアパッツァはいかがでしょうか?ふっくらとやわらかいたらを使うため、小さなお子さんも食べやすいひと品に。ホットプレートに野菜を敷き詰めたら、たらをのせて蒸し焼きにします。具材をひっくり返す手間がいらないうえ、崩れずきれいに仕上がるのも魅力です。

8. 10分で完成。さば缶のアクアパッツァ

ストック食材でアクアパッツァを作るなら、さば水煮缶がおすすめ。さば水煮缶は骨ごと食べられるため、栄養満点なのがポイントです。崩しすぎず、大きくほぐす程度にすると存在感を楽しめますよ。ミニトマトの酸味とさばの旨みがやみつきになります。

本格アクアパッツァを食卓に!

アクアパッツァはおしゃれで手が込んでいるイメージがあるかもしれませんね。しかし、元々は漁師が作っていた料理というだけあり、材料はシンプルで作り方も簡単です。魚介類から旨みを引き出すため、コンソメやブイヨンなどが不要なのもうれしいですね。

尾頭付きの魚と切り身の魚、どちらでもおいしく作れます。おもてなしはもちろん、普段の食事にも、ぜひアクアパッツァを試してみてください。
※掲載情報は記事制作時点のもので、現在の情報と異なる場合があります。

編集部のおすすめ