ライター : ☆ゴン

この記事でわかること

関西では「かやくご飯」と呼ばれ、関東では「五目ご飯」と呼ばれる、炊き込みご飯の一種について解説。

かやくご飯は関西地方での呼び名で、関東では五目ご飯として知られています。かやくの由来は「加薬」という言葉からきており、具材を薬味として扱うことが名前の由来。かやくご飯と五目ご飯の違いや、かやくご飯のおすすめレシピも紹介します。

「かやくご飯」とはどんなご飯?

赤飯や炊き込みご飯、おこわ、チャーハン、ピラフなど、日本人の主食である米で作る料理はたくさんあります。この記事では、そのなかのひとつ「かやくご飯」を紹介。かやくご飯は、全国的に知られている定番料理ではなく、おもに大阪を中心とした関西地方での呼び名です。

かやくご飯の「かやく」の意味や、そう呼ばれるようになった由来、ほかの米料理との違いについてわかりやすく解説。あわせて、おいしいかやくご飯を作るおすすめのレシピ3選を紹介します。

かやくご飯はじつは関西の方言だった

「かやく」を国語辞典で調べると、 いろんな意味や使い方があります。そのなかに「おもに関西で、五目飯やうどんなどに入れる肉、野菜のことで、具材や種という意味 」という記述が。つまり、関東で五目ご飯と呼ばれるものを、関西ではかやくご飯と呼ぶのです。

関西といっても、かやくご飯と呼ぶのは大阪や京都などの近畿圏が中心。もとは野菜だけを具にする精進料理だったものの、いまでは肉や魚などが入っている、炊き込みご飯全般を指す言葉です。

「かやく」の意味と由来

かやくは漢字で「加薬」と書きます。加薬とは、漢方薬の効果を高めるため、または飲みやすくするために加える補助的な薬のこと。そこから、料理に加える薬味的な具材を、加薬と呼ぶようになったそうです。

世界初のカップ麺として有名なカップラーメンにも、かやくと表記して、キャベツやえび、卵などの具材を記載。一度フタの原材料名欄や、カップ横の栄養成分表示欄を確認してみてください。

炊き込みご飯との違いはなに?

関西ではかやくご飯と呼び、関西以外では炊き込みご飯、または五目ご飯と呼びます。つまり、炊き込みご飯とかやくご飯は同じ内容。かやくご飯のほうは関西の味付けなので、仕上がりは薄口の傾向があります。

ちなみに京都では昔から、火を炊くために枯葉を熊手で集めることを、「ごもくかき」と呼びます。そこからゴミのことをごもく、ゴミ箱はごもく箱と呼ぶのだとか。そのため五目ご飯とせず、かやくご飯と呼んだという説があります。これはさすがに俗説といわざるを得ません。

一方、混ぜご飯と炊き込みご飯の違いは、具を混ぜるタイミングが違うだけ。混ぜご飯は、炊いたご飯に具を混ぜ合わせ、炊き込みご飯は米と具材を一緒に炊きあげます。調理法によって、呼び方が変わるからおもしろいですね。

かやくご飯のおすすめレシピ

1. 野菜だけのかやくご飯

そのものずばり!かやくご飯と銘打った、炊き込みご飯の作り方です。肉や魚などは入れず、野菜としいたけ、こんにゃく、油揚げだけで作る、精進料理風のスタンダードなレシピ。砂糖やみりんなどを加えた甘めのしょうゆ調味料で、関西風に薄味で炊きあげます。
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